1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:44:18 ID:4KOUgSNg

獣人「なぁ、そろそろ殺してくれへんか?」

新米騎士「黙っていろ」


獣人「まあ、そう言わんと。暇やねん、相手してや」

新米騎士「貴様と話す許可は下されていない、静かにしていろ」

獣人「綺麗なねーちゃんと話してて、大人しくしてられへんて。興奮すんねん」

新米騎士「ふ・ざ・け・る・な!」

獣人「実は一目惚れやってん。そう怒らんとってや」


新米騎士「…………黙れ」

獣人「あれ?今、ちょっとヨロっときた?チョロいなー、ねーちゃん」

獣人「まぁ、冗談やってんけどな?」

新米騎士「貴様、私をからかってるだろうっ!?」

獣人「あ、そこはわかったんや。えらいなぁ」

新米騎士「…………」イライラ
元スレ
獣人「なぁ、そろそろ殺してくれへんか?」新米騎士「黙っていろ」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1405064658/


 
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:45:00 ID:4KOUgSNg

獣人「まぁ、そう怒らんときって。名前なに?年は……まだ若そうやなぁ」

新米騎士「…………」

獣人「哀れな囚人に、ちょっとばかし同情したってもええと思うねんけどなぁ?そうは思わへんか?」

新米騎士「犯罪者に同情の余地などない」


獣人「…………そうやな……その通りや……」

新米騎士「…………」

獣人「…………」


新米騎士「………何の」

獣人「ん?」

新米騎士「何の犯罪を犯したんだ、貴様は」




3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:45:38 ID:4KOUgSNg

獣人「…………殺人や」ハハハ

新米騎士「…………」

獣人「やっぱ、ねーちゃん優しいな。聞いてくれるんか」

新米騎士「言ってみろ」


獣人「あんがとさん。でもなぁ、ほんまに下らん話やねん。オレが殺したんは、貴族やったってだけや」

新米騎士「貴族……」

獣人「そうや。どんだけ恨んだかて、相手が貴族じゃ諦めなあかんのは分かっててんけど、どうしても許せんかった」

新米騎士「何が……あったんだ?」


獣人「金があったら偉いんか?金があったら……命でも買えるって言うんか?」

新米騎士「…………」

獣人「たった一人の……家族やってん。大事な……妹や……」ギリッ

新米騎士「…………何を……」

獣人「オレの妹を……そいつは無理矢理………」グッ


新米騎士「…………だが、殺してしまってはっ……」




4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:46:33 ID:4KOUgSNg


獣人「…………まぁ、オレに家族とかおらへんねんけどな。嘘や。騙されやすすぎやろ、ねーちゃん」

新米騎士「………………は?」


獣人「別に殺しとかもしてへんで?マジにならんとって欲しいねんけど。軽いネタやん」

新米騎士「…………」プルプル

獣人「えっ!?マジで信じたん?嘘やろ?」

新米騎士「………貴様……」チャキッ

獣人「ねーちゃん、あれやで。資料くらいは読んどかなあかんって。
 ほんなん、貴族なんて殺せるわけあらへんやん、こちとらしがない小市民やで?」

新米騎士「………それで……貴様の罪は何だ?」ギリッ


獣人「罪もなんもあらへんわ、歩いてたらいきなり捕まっただけや」

新米騎士「はっ!凶悪犯のため、充分に注意しろと上からは言われている」

獣人「ほんで、ねーちゃんはそれを丸っと信じとるーと」

新米騎士「その通りだ」




5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:48:16 ID:4KOUgSNg

獣人「じゃ、その凶悪犯はこれからどーなると思うん?」

新米騎士「中央で然るべき裁判を受けることになるだろうな」

獣人「…………」


新米騎士「なんだ?何か私は間違ったことを言っているか?」

獣人「人間やったらな?間違ってへんのとちゃう?」

新米騎士「どういう意味だ」

獣人「さー?どういう意味やろなー?」

新米騎士「ちゃんと答えろ、どういう意味だっ!」

獣人「まぁええやん、オレ、ねーちゃんになら殺されるのもええわ、おっぱいでかいし」


新米騎士「ふざけるなぁッ!何なんだ貴様はっ!!」ガツッ

獣人「牢屋を蹴ったらあかんって、女のコやろ?そない怒ったら、かわいー顔が台無しやで?」

新米騎士「私は女など捨てて……って、そんなことは関係ないっ!黙っておけと言ってるだろっ!!」




6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:49:16 ID:4KOUgSNg

獣人「黙ってろゆーたり、喋れゆーたり、忙しいねーちゃんやなあ」ケラケラ

新米騎士「――っ!だから、貴様の罪は何だっ!?」


獣人「せやなー、じゃあ詐欺師あたりもあげとくかー?」

新米騎士「漸くそれらしい犯罪をあげてきたな」

獣人「頭のユルそーな貴族様から、がっぽり儲けさせてもろたわー」

新米騎士「フ、フン、やり過ぎた報いだな」

獣人「せやからな、裁判どころやなく、これから殺されんねん」ニイッ


新米騎士「…………」

獣人「死んだ方がマシやってくらい嬲られるやろなぁ?」

新米騎士「………そんな、ことは……」

獣人「…………」


新米騎士「…………おい、何か言え」




7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:50:00 ID:4KOUgSNg

獣人「アカンで、詐欺師と話したりしたら。逆に心配なるわ。騙されたいん?」

新米騎士「貴様はッ!喋りたいのか、喋りたくないのか、どっちなんだ!?」

獣人「もちろん、喋りたいに決まってるやろ。言うまでもあらへんわ」

新米騎士「……ッ!そ、そうか」

獣人「嬉しいんかい……やっぱ、チョロいなぁ、ねーちゃん」

新米騎士「誰も嬉しくなどないわっ!」

獣人「まぁ、そう怒らんと。そんなにでかい声だしとったら誰か来てまうで?」

新米騎士「…………」

獣人「そうそう、エロい声やったら、もっと出して欲しいくらいやけどな」

新米騎士「虫唾が走るッ!」




8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:50:38 ID:4KOUgSNg

獣人「あ、ねーちゃんはアレん時って声でかい方なん?」

新米騎士「なっ!?そんなことはッ………煩いッ!貴様に答える義務もないっ!」

獣人「うわー真っ赤やん。スマンスマン、こういう話は苦手やったかー」

新米騎士「黙れッ!」

獣人「そう怒らんとって?ねーちゃんがあんまりかわええから、ついからかいとうなっただけやねん」

新米騎士「それが本気で言い訳になるとでも思っているのかッ?」


獣人「まぁまぁ、ほんでねーちゃんはどれやったら信じられる?」

新米騎士「その軽っそーな口調は詐欺師に相応しそうだなっ!!」

獣人「どれになったかて、結局ねーちゃんとは今夜でお別れや、仲良ォしよ」

新米騎士「何故、私が貴様と仲良くしなければならん」

獣人「誰とも話さんと牢屋に閉じ込められるとか、俺が可哀想やん?」

新米騎士「図々しいにも程があるな」




9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:51:18 ID:4KOUgSNg

獣人「ま、可哀想な虜囚の話し相手になったってや、朝まで」

新米騎士「フン……残念だが、もうすぐ交代の時間だ」


獣人「そりゃあ残念やな、じゃあ、交代の前にいっちょさくっといっとこか?」

新米騎士「何をだっ!!」

獣人「何をって、そりゃあ……なぁ?」


新米騎士「」ゾワッ


獣人「そこまで固まらんでもええやろ。冗談通じへんなぁ」

新米騎士「ふっ……ふざっ……」プルプル

獣人「…………」

新米騎士「くそっ!もう貴様とは本当に喋らんぞっ!!」

獣人「…………」ピクッ




10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:52:12 ID:4KOUgSNg

新米騎士「そもそも、私は貴様などと喋ったりしないと、初めから……」ブツブツ

獣人「なぁ、ねーちゃん?」

新米騎士「今度はなんだっ!!」ハッ!

新米騎士「――ッ!もう何も喋らないと言っただろう!」


獣人「あんがとさん」

新米騎士「………は?」

獣人「ねーちゃんやったら、ええ騎士になれるやろ」

新米騎士「…………」

獣人「せやから、信じる前によう頭使わな。今より、ようけ見えんもんが見えるよーになるわ」

新米騎士「………何を?」

獣人「詐欺師からのアドバイスやで?役に立てとき」

新米騎士「だから、貴様は何を……」

獣人「しー……そろそろ、交代来そうや。自分の立場考え」

新米騎士「…………」

獣人「…………」ニヤッ




11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:52:50 ID:4KOUgSNg

ベテラン騎士「新米騎士、そろそろ交代だ」ガチャッ

新米騎士「――ッ!?ハイッ!」

ベテラン騎士「……?どうかしたか?」

新米騎士「いえっ!何でもありませんッ!」

ベテラン騎士「そうか。では今日はもうあがって構わん、休め」

新米騎士「ハッ!それでは、私は失礼します!」

ベテラン騎士「………うむ」


新米騎士「…………」チラッ

獣人「…………」


ベテラン騎士「どうした?早く下がれ」

新米騎士「……ハイ」ガチャッ…バタン……


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12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:54:00 ID:4KOUgSNg


女騎士「――と、そんな妙な獣人がいてな。その後裁判の記録もなく、奴の行方もわからん」

魔法使い「…………そうだったの……」

僧侶「そんなことがあったんですね……」


女騎士「とりあえず、コケにされてムカついたので、見つけ出して殴ってやろうと思ってね」キリッ

魔法使い&僧侶「は?」

女騎士「散々、チョロいだの思慮が足りないだのと言われたからな!ぶん殴ってくれるわ」


魔法使い「………ないわ……その理由はないわよ、女騎士」

僧侶「そうですよっ!せっかく今夜は勇者様が別室なんですよっ?」

魔法使い「そうよ!だから、女同士の本音の話でも出来るのよ!?」


女騎士「ん?旅の目的を聞かれたから答えただけだろう。何かおかしかったか?」




13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:54:39 ID:4KOUgSNg

僧侶「そっそれは、確かに旅の目的を聞きましたけど……」

魔法使い「そもそも、アンタが男を追い掛けて旅をしてるって言い出したんでしょっ!?」

女騎士「その通りだろう?まぁ、男というより、雄だが」


魔法使い「………アンタに色っぽい理由とか求めたアタシがバカだったわ……」

僧侶「女騎士さんっ!せめて、こう、もうちょっと艶っぽい理由とかは?」

女騎士「なんの話だ?」

僧侶「ないんですね……」シクシク

魔法使い「待って、僧侶。流石に脳筋、男女と言われる女騎士にだって少しくらいは……」


女騎士「クックックッ……あれだけ馬鹿にしてくれたんだからな、私直々に剣の錆にしてくれる」

僧侶「あると思いますか?」

魔法使い「………ないわね」ガックリ




14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:55:17 ID:4KOUgSNg

僧侶「魔法使いさん、むしろ、これは好機だと思いましょう!」ハッ!

魔法使い「は?どういうこと?」

僧侶「この調子だと女騎士さんはライバルにはなりません!」


魔法使い「そっ!そうねっ!!勇者は譲らないわよ、僧侶!」バチバチ

僧侶「こちらこそ、勇者様を譲る気はありませんよっ、魔法使いさん!!」バチバチ


女騎士「〜♪〜〜♪」




15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:55:52 ID:4KOUgSNg




女騎士(覚えてろよ、獣人。絶対に私が見つけ出してやる)

女騎士(そして、今度こそ貴様の本当の話を聞き出してやるからな……)


女騎士(それまで……絶対に…………)



---- 或るハーレムパーティのガールズトーク 終劇 -----




16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 16:57:23 ID:4KOUgSNg

勢いだけで書いた
むしろ反省はしていない
続きも前も本編もない
読んでくれたらありがとさん




17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/07/11(金) 17:08:03 ID:k4cEqFUw







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