魔法少女(19)「貴方のハート、キュンキュンさせちゃうぞっ!」
- 2014年07月13日 15:10
- SS、神話・民話・不思議な話
- 38 コメント
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- 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/11(金) 23:38:27.57 ID:si2jXOzVo
公園
「今日どこであそぶー?」
「あついし、家でゲームしようぜー」
「そうだねー」
魔法少女「ちょっとまったぁ!!!」
「なんだぁ?」
「だれぇ?」
魔法少女「確かに夏は暑いよね!! 熱中症とか怖いもんね!! でも、子どもがそんなことでいいのか!! いや、よくないと思うの!!」
魔法少女「この私が魔法で君たちを涼しくしてあげるから!! 外で鬼ごっことかしたらいいよ!!! さぁ、みててね!!!」
魔法少女「闇よ。世界は求む。冷酷な暗黒を。舞い落ちろ、常夜の雪よ……。おっと! いけない、いけない。魔法陣描かなきゃ。私ってホント、ドジなんだから」カキカキ
「いこうぜ」
「うん。あのお姉ちゃん、恥ずかしくないのかな?」
魔法少女「あ、ちょっと!! まだ詠唱中なんだけど!! 5分で終わるからとりあえず最後まで見てってよー!!」
警官「……すみません。ちょっと、いいですか?」
魔法少女「え? あ、はい。なんですか?」- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/11(金) 23:49:47.44 ID:si2jXOzVo
警官「最近、公園で妙な格好の女性が子ども相手に不審なことをしているってことを聞いていたんで、巡回していたところだったんですよ」
魔法少女「大変ですね。こんなに暑いのに」
警官「ええ、まぁ」
魔法少女「妙な女性ですか……。うーん……。もしかして、私のことですか?」
警官「そうじゃないですかね」
魔法少女「やっぱりそうですか。それじゃ、そろそろ次の町に行こうかなぁ」
警官「次の町?」
魔法少女「もう5回目ですから。職務質問受けたの。慣れちゃいました」
警官「他の地域でも同じことをやっていると?」
魔法少女「ええ、はい」
警官「……なんのために?」
魔法少女「長い話なりますけど、いいですか?」
警官「手短にお願いします。私も忙しいので」
魔法少女「わかりました」
警官「はい」
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/11(金) 23:59:58.04 ID:si2jXOzVo
魔法少女「10歳のとき、試験のためにこちらの世界へやってきて、今に至ります。まだ試験がクリアできなくて困ってるんです」
警官「なるほど。詳しい話を聞きたいのでとりあえず交番のほうまで来てもらえますか?」
魔法少女「どうしてですか?」
警官「他でも同じ事をしているとなると見過ごせないし、色々とありそうなんで」
魔法少女「むぅー……」
警官「どうぞ、こちらへ」
魔法少女「いやです!!!」
警官「何?」
魔法少女「これでも私は魔法少女!! 国家権力なんかに屈しない!!」
警官「……」
魔法少女「私を連れていけるものならやってみるがいいです!!!」
警官「魔法でどうにかするって言うんですか?」
魔法少女「いえ!! 任意同行なら拒否してもいいはずです!!!」
警官「……」
魔法少女「さぁ!! かかってこい!! 国家の犬め!! この世界の法律、警察法第79条が私の武器ですよ!!!」
- 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/12(土) 00:07:32.02 ID:T1Qr4+nXo
交番
警官「はい。お茶です」
魔法少女「どうも」
警官「国家の犬って言ったらダメですよ。私も怒ります」
魔法少女「すみません。この前、法律のこと少しだけ教えてもらって……」
警官「誰に?」
魔法少女「職務質問してくれた警察官の人にです……」
警官「そうですか」
魔法少女「あ、あの、私、逮捕されるんですか? 逮捕しちゃうんですか?」
警官「いえ。話を聞きたいだけですから」
魔法少女「手短に事情は話しましたけどぉ……」
警官「今度は詳細にお願いします」
魔法少女「うふふっ。いいんですか? 私の秘密を知ってしまうと普通の生活には戻れませんよ?」
警官「……」
魔法少女「……私はこことは違う魔法の世界で生まれました。本当なんです。信じてください」
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/12(土) 00:19:24.92 ID:T1Qr4+nXo
警官「そうだ。年齢は?」
魔法少女「あ、はい。19歳です。今年の11月で20歳になるんですけど」
警官「なるほど。19歳ですか。続けてください」
魔法少女「はい。魔法の世界の女の子は皆、とある試験を受けないといけないんです」
警官「試験?」
魔法少女「20歳までにその試験に合格できないと魔法学校を卒業できないばかりか……その……」
警官「なんですか?」
魔法少女「魔法の力、魔力を奪われてしまうんです。そうなると、待っているのは地獄のような生活で……」
警官「具体的には?」
魔法少女「一生、奴隷として生きなければいけないんです!! そんなの嫌だから必死になっているんです!!! 必死なんです!!!」
警官「分かりました。落ち着いてください」
魔法少女「もういいですか? 私には時間がないんです。20歳になるまでに、試験をクリアしないといけないんですから!!!」
警官「何故、20歳までなんですか?」
魔法少女「20歳になっちゃったら、魔法少女って言えなくなるからです!!! そんなこともわからないんですかぁ!?」
警官「そうですか?」
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/12(土) 00:27:03.86 ID:T1Qr4+nXo
魔法少女「そうですかって……? もしかして、25歳までは少女ですよとか思ってる人ですか? きゃー」
警官「少女は18歳までだと思うんですが……」
魔法少女「……」
警官「個人的には16歳かなぁ……。難しいですけど」
魔法少女「はぁー!? なんですか!? お兄さん、ロリコン!?」
警官「……」
魔法少女「どう考えても19歳は少女ですよ!!! 10代なめんなー!!!! がおー!!!」
警官「職業は?」
魔法少女「魔法少女ですけど!? さっきから言ってるじゃないですかぁ!!!」バンバンッ!!!
警官「机を叩くな」
魔法少女「あ、すみません」
警官「あー……。こっちの世界での仮の姿は?」
魔法少女「専門学生です」
警官「なるほど。映画とかアニメとかそういう映像関係の学校ですか?」
魔法少女「おぉ!! なんでわかったんですか!! そうです。あそこだと故郷を思い出せますし、この服でいてもみんな普通に接してくれて、良い場所なんですよね」
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/12(土) 00:36:30.41 ID:T1Qr4+nXo
警官「家は?」
魔法少女「魔法の世界に」
警官「……今現在は?」
魔法少女「えと、5丁目にあるアパートに」
警官「アルバイトとかしてる?」
魔法少女「はい。メイド喫茶で」
警官「楽しい?」
魔法少女「もっちろん!! みんな良い人ですよぉー」
警官「へぇ。そうですか。充実した毎日を送ってるみたいですね」
魔法少女「そうなんですよぉー」
警官「だったら、もう公園であんなことしたらダメですよ。やめましょうね」
魔法少女「そ、それだけはできません!! 隣町でまたします!!!」
警官「課題の映像を撮るならもっと人気のない場所を選ばないと」
魔法少女「違います!! 試験のためなんです!! 魔法の世界の試験なんです!! 確かに学校でも提出しなきゃいけない課題ありますけどぉ!!!」バンバンッ!!!
警官「こら。机を叩くな」
- 15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/12(土) 00:45:42.68 ID:T1Qr4+nXo
魔法少女「むぅー……。やっぱり誰も信じてくれない。この世界嫌いっ」
警官「それにしてもおかしいなぁ」
魔法少女「何がですか? この服は私の世界では制服なんですけど」
警官「私が子どものころに見ていたアニメでは、正体がバレると別の生き物にされたり、時には命を奪われるとか、そういう設定があったけど」
魔法少女「はぁ?」
警官「最近のはそういうのないんですね」
魔法少女「なんで急にアニメの話に……。もしかして、お兄さん、オタク……?」
警官「……」
魔法少女「やめてください。私、そういう人、嫌いなんです」
警官「そう。とにかく、もうしないように」
魔法少女「します。一生奴隷なんて絶対に嫌ですから」
警官「指名手配するぞ?」
魔法少女「ひぃ……。怖い……魔法よりも強い、国家権力……」
警官「私との約束です。絶対に今後はしないこと。いいですね?」
魔法少女「約束できません。国家権力には屈しません。だって私は魔法少女ですから」キリッ
- 16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/12(土) 00:56:08.88 ID:T1Qr4+nXo
警官「……別の警官にも同じこと言ってきているんですか?」
魔法少女「そうですけど、何か?」
警官「1回目、2回目ならまだしも3回目からは簡単に帰すとも思えないんですが」
魔法少女「別の地域でやってるんで。電車代もったいないから、自転車で通ってます」
警官「だから、別の地域だろうと複数回しているなら……」
魔法少女「なるほど。常習犯なのに私がこうして別の町で同じことをしているのが解せないということですか」
警官「君が私に話したように、何度も繰り返して、何度も職務質問を受けているならですけど」
魔法少女「うふふ……。お兄さん、おバカさんですねぇ」
警官「なんだと?」
魔法少女「普通、何度も何度も職務質問を受けるような女が出没するなら、その情報は隣町にだって流れるはず」
警官「まぁ……」
魔法少女「でも、お兄さんは知らなかった。それは何故? 私を捕まえた警官たちはみーんな、私を許しているからですよぉ?」
警官「どういうことだ?」
魔法少女「だって、私が相手を魔法で心も体も魅了しちゃいますから。誰も私を逮捕することはできないんです。うふふふ」
警官「つまり、俺にも魔法をかけるといいたいのか?」
- 18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/12(土) 01:04:53.55 ID:T1Qr4+nXo
魔法少女「その通り!!!」
警官「本当に魔法を使えるなら、話かけられた段階で魔法をかけないか?」
魔法少女「魔法というのは発動までに時間がかかるんです。だから、すぐには無理。私はただ、貴方に従ったフリをしていただけです!! 素人め!!!」
警官「……」
魔法少女「うふふふ。手のひらで転がされてるとも気が付かないなんて。バカな人ですねぇ」
警官「魔法少女というよりは魔女に近いな、君」
魔法少女「黙ってください!!! とにかく!!! 準備は整いました!! ほら!! 貴方に質問を受けている間、隙を見ては書いていた魔法陣を!!!」ペラッ
警官「そんな小さなメモ帳に……」
魔法少女「あとは詠唱するだけで、貴方は私の虜になるわけですよ」
警官「ほう……。わかった。なら、やってみてくれ」
魔法少女「みんなそういいます。そして見事に私に惚れていく」
警官「いいから、やれ」
魔法少女「後悔してもしりませんよ? いきますっ!!!」
魔法少女「闇よ。彼のものは望む。魂を暗黒の海へと還さんことを。来たれ、そして誘え。黄泉の果てへと」
警官「……それは唱えないといけないのか?」
- 19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/12(土) 01:15:40.31 ID:T1Qr4+nXo
魔法少女「黙ってください!! まだ途中ですから!!」
警官「そ、そうなのか……」
魔法少女「もう!! ええと……。心を穢せ、身を焦がせ。魔を知る者たちよ、我が魔力を引き換えに、願いをかなえよ!!!」ゴォォォ!!!!
警官「な……!? 風が……!? まさか……本当に……」
魔法少女「貴方のハート、キュンキュンさせちゃうぞっ!」キュピーン
警官「……」
魔法少女「……」
警官「……」
魔法少女「ふぅ。では、さよならです。もう会うこともないでしょう」
警官「……まってください」
コメント一覧
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- 2014年07月13日 15:38
- stsなのはさんやフェイトちゃんは可愛いかったからセーフ(震え声)
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- 2014年07月13日 16:12
- 「若年寄」や「大老」みたいな固有名詞なら、魔法少女もセーフでしょ(震え声)
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- 2014年07月13日 16:22
- 見た目さえ若ければセーフだよ(震え声)
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- 2014年07月13日 16:26
- かわいいは正義だからね、年齢要件は無いからね(震え声)
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- 2014年07月13日 16:28
- お前ら声震えすぎだろ(震え声)
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- 2014年07月13日 16:34
- 40、50のオバハン達が「女子会」やっとる時代やしヘーキヘーキ
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- 2014年07月13日 16:37
- モバマスには菜々さんとかシュガーさんとかいるか平気平気
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- 2014年07月13日 16:37
- 結構、面白かったよ?
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- 2014年07月13日 16:38
- なんだ頭を冷やさなくてもいいんだ
良かった良かった
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- 2014年07月13日 16:39
- 良作
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- 2014年07月13日 16:43
- もっとふざけたモノかと思ったら
普通に面白かった
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- 2014年07月13日 16:54
- どうせ糞SSだろ
↓
予想を裏切りまさかの良作
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- 2014年07月13日 17:04
- ※7
魔法少女自体がウサミンで脳内再生されてたのは俺だけでいい
警官はいつものピピン板橋さんな
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- 2014年07月13日 17:25
- 予想外におもしろかった
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- 2014年07月13日 17:46
- 警察官とくっつくのは予想出来るな。似たようなSSけっこうあるし
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- 2014年07月13日 17:49
- 終盤にスカッと魔法乱発する展開を期待してたからちょっと肩透かし
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- 2014年07月13日 17:53
- まさかの良作
これはいい意味でのタイトル詐欺
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- 2014年07月13日 18:00
- ウサミンに劇中劇としてこういうドラマやってもらいたいな
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- 2014年07月13日 18:19
- 本当はただの専門学校生メイドカフェバイトで、最後は家出して来ただけの可能性も残しているあたりが良作
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- 2014年07月13日 18:23
- スレタイでなのは思い出した
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- 2014年07月13日 18:31
- 年齢見て、モバマスにはシュガーハート様がいるから大丈夫と思った
普通に面白かった
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- 2014年07月13日 18:39
- ウサミンとモバPで再生された。
高町なのはさんじゅうきゅうさい可愛い
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- 2014年07月13日 19:15
- (19)はババアだった……?
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- 2014年07月13日 19:16
- これ本当に魔法少女かは脳内完結してくださいってことか
それにしてもよかった
序盤はつまんねえなって思ってたけど後半なんか泣きそうになったわ
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- 2014年07月13日 19:18
- おもしろかったですよ
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- 2014年07月13日 19:22
- ※1
ふぇいとそんは実質12,3歳ちょいだから……(震え)
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- 2014年07月13日 19:24
- のちのしゅがーはぁとである
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- 2014年07月13日 19:37
- あれ?
ネタSSかと思ったら面白いぞ?
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- 2014年07月13日 19:38
- わりに面白かったしかわいかった
あと※欄のモバPちょっと自重
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- 2014年07月13日 20:04
- ※6
こういうのよく見るけど女子って女性って意味だぞ
女子ゴルフも女子サッカーも別に子供じゃないだろ
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- 2014年07月13日 20:17
- 多分この警官よりも長いこと公務員やってるなのはさんじゅうきゅうさいは関係ないやろ!
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- 2014年07月13日 20:17
- とても面白かった
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- 2014年07月13日 20:21
- モバP(Cuか?いやウサミンと被る……。じゃあPa?ユッコと被るしな……。Coはあり得ないし……)
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- 2014年07月13日 21:42
- みんな思い当たるキャラは同じか……あ、話は普通に面白かったです
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- 2014年07月13日 22:08
- 予想をいい意味で裏切ったSSだった
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- 2014年07月13日 22:44
- 予想の斜め上で非常に良かった
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- 2014年07月13日 23:07
- なのはさんの悪口はそこまでだ。
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- 2014年07月13日 23:07
- ちゃんとした話しだったww