• 彼岸島
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どうして…どうして気付いた！雅ィィィィィィ！明さんは完璧だったはずだ。完璧に雅のヤロウの背後をとったはずだ。雅のヤロウが油断して背中を見せたから、そのチャンスを逃すまいと明さんは近づき、背後から槍を突き刺そうとしたんだ。それなのに…それなのにどうして気づきやがった！雅ィ！

…いやまだだ！まだ諦めるには早い、早すぎる！今までだって明さんは雅のヤロウに対して、油断したところを攻め戦ってきた。雅だけじゃねェ…どんなにピンチだって、少しのチャンスを無駄にせず、確実に勝ってきた、勝ち進んできたんだ。今明さんは首を掴まれた状態だけど、まだ全然勝てる勝てる！

雅のヤロウが、明さんに負けを認めさせようと「もう終わってしまった」「この島の人間軍は全滅」「蚊を乗せた船は出航した」とか言いやがる。そんなんウソに決まってる！確かに明さんは邪鬼椿と戦い、崖を登ってきて時間はかなり経っちまったけど…そんな簡単に終わるわけねェだろ！雅のヤロウはウソついてるに決まってる！そんなクソ吸血鬼ヤロウのことなんて聞いちゃダメですよ明さん！逆に雅のヤロウは明さんをすぐに殺そうとせず精神攻撃をしかけてきてる。つまり今雅のヤロウは油断しているってことだ！勝機！今こそ、雅のヤロウをぶっ倒すときだ！いけ…みんなの想いを乗せて雅のヤロウをぶっ倒してくれ！明さん！！！！！！！！！！！！！！

ちくしょうミスった！あとちょっとで雅のヤロウの目に爪を入れることができたというのに…いやまだだ明さん、今こそ必殺のみだれひっかきの出番だ！ブンブンブンブン手を振り回せば届くはず！肩の関節外せば距離伸ばせるはず！今こそ、みんなの想いを乗せて手を…手を…

ってあぶねェ！雅のヤロウ、明さんが攻撃しかけてきたからって手を離しやがった！でもさすがは明さん、直前で雅の手首を掴んだ！このまま雅のヤロウを下へ落とすのも良し！ここから手首の経絡秘孔でも突いて身体を動かせないようにしちまえばこっちのもの。合気道使ってもいいと思う。いくらでも対処法なんてある！ふふふ、雅のヤロウ、明さんに手首取られちまったのは失敗だったな、ここから明さんの逆転劇が始まるぜェ…ククククク…ク…

…え？…気のせいかな、今明さんの右腕が鉄扇で斬られて吹っ飛んだように見えちまったんだけど、ハハハ…自分にも幻が見えちまったみたいだな。ハハハ…大丈夫大丈夫、次回あたり明さんが雅の首をふっ飛ばしてるに違いねェ。ハハハ、次回が楽しみだな。ハハハ…ハハハ…明さん…明さん…ウソですよね…こんな結末なんて…ウソだと言ってくれよ明さん！もしくは松本先生ェ！

彼岸島 最後の47日間(15) (ヤングマガジンコミックス) 松本 光司 講談社 2014-07-04

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