◆ザッケローニとの再契約を放棄し、歴代最高額でアギーレを招聘
ブラジルワールドカップ・グループリーグ敗退の衝撃に包まれた日本サッカーが大規模な変革を図っている。
日本は今回のW杯で1分け2敗のC 組最下位に 沈み、当初期待していた4強進出の夢は水の泡と消えた。特に日本代表は昨年、ベルギー、オランダとの強豪相手の親善試合で1勝1分けを収めるなど、最高に期待感が高まっていたが、いざ本大会に突入してみると、力を一度も出せずに悲惨な結果を受け入れなければならなかった。
すると日本サッカー協会は、反省と素早い立て直しに向けた姿勢を見せる。代表チームが帰国するとすぐに、4年間チームを率いたアルベルト・ザッケローニ監督との再契約を断念したのだ。
スペインが得意とする「ティキタカ」を目指した別名「
寿司タカ(※聞いたことない)」と呼ばれる攻撃一辺倒の戦術に限界があることが明らかになり、多くのチームが取り入れているプレス中心の世界のサッカーの流れに、遅れをとっているという分析結果が出てきたからである。
最初に急を要する作業が次期監督の内定である。
そして日本サッカー協会の選択は、メキシコ出身のハビエル・アギーレ(55)監督になったようだ。来週公式発表が出る予定であり、年俸は日本サッカー史上最高となる2億5200万円になると報じられている。契約期間もザッケローニ監督と同様に4年間が与えられ、より大きな画を描くことができる見込みだ。
それでは日本はなぜアギーレ監督を選択したのだろうか?これは、今、ホン・ミョンボ監督が突然の辞任を発表し混沌の中にある韓国サッカーが参考にすべき点でもある。
アギーレ監督は、守備中心の実を取るサッカーを駆使する監督として知られている。しっかりとした守備組織をベースにした高速カウンターが主な戦術とされている。強者ではなく、主に弱者に適した戦術といえる。
これは日本が世界のサッカーの中で自分の弱さを実際に感じ取ったという意味でもある。つまり、理想を取り除き、徹底的に実利を追求するという強い意志と分析される。実際にアギーレ監督は 2002年韓日ワールドカップ以後、スペインのオサスナとアトレティコ・マドリーの監督に就任すると、意味のある働きを見せた。ます弱小チームだったオサスナは、2002-03シーズンのアギーレ監督がチームを引き受けてすぐにコパ・デル・レイ(国王杯)準決勝まで勝ち上がり、それから3シーズン後にリーグ4位を確保。UEFAチャンピオンズリーグの出場権を獲得した。
スタープレーヤーは誰一人いなかったがこれらの成果があった。
2006年から指揮したアトレティコ・マドリードでは当時のエースであったフェルナンド・トーレスの移籍した穴を埋めるため、セルヒオ・アグエロというアルゼンチンの新星を起用してスター選手へと成長させている。現セレッソ大阪のディエゴ・フォルランも2008-09シーズンにはアギーレの指揮下のもとでリーグ得点王を獲得している。
特にアトレティコは2001-02シーズンでの優勝以来、低迷していたがアギーレ監督が指揮をするようになると 7位 - 4位- 4位と躍進をみせた。アギーレ監督に十分な時間が与えられるならば、期待以上の成績を出す監督として脚光をあびた。
また、選手の知名度や義理に縛られない監督という点も注目すべき部分である。アギーレ監督はアトレティコ·マドリードを去った後、2002年韓日に続き、2009年からメキシコ代表の監督に就任した。アギーレ監督は、自分のスタイルと合わない選手なら知名度に関係なく、思い切って自分の戦術に適用出来る選手を起用する。実力があって、いくら市場価値の高い選手でもアギーレ監督は呼ばなかった。
その代表的な選手はメキシコの未来と呼ばれたジョナサン・ドス・サントスと「チチャリート」と呼ばれるハビエル·エルナンデス(ユナイテッド)の二人である。ドス・サントスは予選での活躍にもかかわらず、2010年南アフリカワールドカップ最終エントリーには入っていなかった。そしてメキシコ国内で人気絶頂の選手だったエルナンデスもレギュラーで起用する事はなかった。更に予選では正GKだったギジェルモ·オチョアを大会期間中はベンチに下げ起用していない。
それでいて、メキシコは開催国の南アフリカとフランスを抜いてグループ2位の16強に入ったのだ。
日本もこの部分については期待半分、心配半分だ。
日本は今回のワールドカップでチームの象徴であった本田圭佑と香川真司の二人が最悪の出来を披露した。本大会開直前まで深刻な不振に陥っていた本田圭佑は、コートジボワール戦で先制ゴールを入れるも、それ以降は完全沈黙。香川真司に至っては最初から存在したのかさえ分からない。一部では批判もあったが、ザッケローニ監督は名前とその価値に最後まで期待してあのような結果となった。
現在、日本国内では、本田圭佑と香川真司のプレイスタイルがアギーレ監督と合わない場合、代表チームから外されるという見通しも出ている。二人のスタープレイヤーが同時に抜けるのは、興行面でも大きな打撃になるのは間違いないが、多くの日本のマスコミは、骨を削る痛みがあってこそ成長することができると支持している。
これは去る2002年韓日ワールドカップで韓国の4強神話を成し遂げたフース・ヒディンク監督と重なる部分がある。当時、ヒディンク監督は、キャプテンであり精神的支柱であったホン・ミョンボを外すという超強気な姿勢を見せて飼いならすことに成功した。最終エントリーの構成も、名前と値段ではなく、徹底的にチームのスタイルにふさわしい選手を抜擢、無名のパク・チソンがスターになったのもそこからだった。
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Dailian.co.kr