真姫「臆病者の序列」
- 1: ◆khUorI/jDo:2014/07/15(火) 19:00:05.68 ID:npglHIQvo
・アニメとSIDの設定をごちゃ混ぜにしています
・SID真姫編ネタバレ注意。勝手に解釈を暗くしています
凛「疲れたー!」
花陽「遅くなっちゃったね」
真姫「ライブも近いし、仕方ないわね」
凛「ラーメン食べて帰ろうと思ったのにー…」
花陽「今からじゃ時間が無いね…課題もやらなきゃいけないし」
凛「にゃっ!?出てた!?」
真姫「…凛が爆睡してた英語の授業で、寝ぼけてカバンに詰め込んでたアレよ」
凛「どどどどうしよう!英語の課題なんて一晩じゃ終わらないよ!」
花陽「3人で一気に終わらせちゃおっか?」
凛「名案!凛かかよちんのうち寄ってこ!」
真姫「もう時間も遅いわよ?」
凛「泊まっちゃえばいいにゃ!どっちにする?」
真姫「でも着替えとか…」
花陽「あ…そっか」
凛「凛の着替えはかよちんの家にあるし、かよちんの服も凛の家にいくつかあるよね」
真姫「え?常備してるの?」
花陽「ううん、でもしょっちゅう泊めたり泊まったりするから…」
真姫「……なるほどね」- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:05:13.54 ID:npglHIQvo
凛「どうしよっか?凛、パジャマ貸せるよ!」
真姫「…私、やっぱりいいわ。家、ちょっと離れてるし…明日の授業に使う教科書とか、朝取りに行く時間がないから」
凛「えー!真姫ちゃんがいないと…」
真姫「花陽が居るんだから大丈夫でしょ?どうしてもわからない所があったら私にメールでもしなさい」
花陽「ごめんね、真姫ちゃん…また明日ね」
真姫「謝るような事じゃないわ。また明日」
凛「真姫ちゃーん!メールするからねーっ!」ブンブン
真姫「いや、できる限り自分で頑張って…」ヒラヒラ
真姫(……)
- 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:10:05.34 ID:npglHIQvo
―――
――
―
真姫(あら、こんなところにお店が出来たのね。丼専門店?)
真姫(お茶漬けや卵かけごはんまである…花陽が好きそうね)
真姫(……連れていってあげたら、喜んでくれるかしら)
――――
真姫「花陽、通りから少し外れたところにお店が出来たのは知ってる?」
花陽「お店?」
真姫「丼もののお店なの。それでね、もし良かったら……」
花陽「あ、もしかして――」
凛「昨日行ったところにゃ!」
真姫「えっ…」
凛「昨日の帰りに偶然見つけて、食べてきたの!」
花陽「真姫ちゃん、昨日は病院の用事で早くに練習上がっちゃったから、良かったら今日も…」
真姫「あ…ううん、ならいいの。ふたりは食べたばかりなんでしょう?それに私、ああいうの食べ切れないから」
真姫(…………)
- 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:15:27.52 ID:npglHIQvo
―――
――
―
花陽「真姫ちゃん、帰りに予定とか、あるかな?」
真姫「予定?ううん、今日は――」
花陽「じゃあ、一緒に帰…」
凛「かよちーん!帰るにゃー!」タタタッ
真姫「あ…」ビク
真姫「ご、ごめん、私、音楽室に寄っていくから…曲の仕上げもあるし……」
花陽「あ…そう、なんだ」
凛「えぇー!真姫ちゃんこないの?真姫ちゃんがいないと…」
真姫「…また、課題?」ボソッ
凛「にゃ?」
真姫「…ううん、別に――また明日ね」
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:20:12.50 ID:npglHIQvo
真姫(…ピアノなんて気分でもないわね)
――――
海未「あら…真姫?今日は練習はありませんよ」ガチャ
真姫「海未こそ、部室までどうしたの?」
海未「生徒会の書類をここに置きっぱなしにしていたんです――穂乃果が。明日の活動に必要だったので」
真姫「…そう」フイ
海未「真姫。何かありましたか?」
真姫「……」
真姫「ねえ、海未。海未は穂乃果ともことりとも仲が良いわよね」
海未「はい、ふたりとも大切な幼馴染ですから」
真姫「……どっちの方が、大切?」
海未「え…?」
真姫「穂乃果と、ことり。海未にとって本当に大切なのは、どっち?」
海未「…そんなこと、考えたくも、答えたくもありません」
真姫「…そうよね」
海未「真姫、本当に何があったんですか…?」
- 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:25:17.36 ID:npglHIQvo
真姫「別に…誰しも、大切なものに嫌でも順番を付けるものよねって――そう思っただけよ」
海未「それは、凛と花陽の事ですか?」
真姫「……海未、さっきあんな事を聞いておいてなんだけど…私はこんな話、本当は誰にも聞かせたくないし、聞きたくもないわ」
海未「わかりました。私は部室に書類を取りに来ただけ。真姫は音楽室でピアノを弾いていただけ」
海未「私たちは今日、ここでは会わなかった…ここを出たら、そういう事にしましょう」
真姫「…ええ、ありがとう、海未」
- 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:30:21.86 ID:npglHIQvo
――――
海未「――つまり…自分がただの邪魔者なのではないか、と?」
真姫「あの二人の間に割って入ろうっていうんじゃないのよ。でも…私がそこに居る意味があるのか……って思う時があるの」
海未「私には、凛と花陽が真姫を蔑ろにしているようには見えませんが」
真姫「でもきっと、どこまでいっても私は2番目よ」
海未「…真姫、先ほど私に穂乃果とことりのどちらが大切かと聞きましたね」
海未「そういう事でしたら答えます。どうしても順番を付けなければいけないなら…私は穂乃果を1番目にします」
真姫「…」
海未「穂乃果は私に多くのものを与えてくれました。私が今こうしているのも穂乃果のおかげです」
海未「もちろん、ことりもそうですが…その度合いは穂乃果の方がずっと大きいでしょう。
なにせ、お腹の中からの幼馴染なんですから」
海未「穂乃果は私の中で、誰にも取って代われない位置にいます。それこそ掛け替えの無い…愛おしいくらいに」
真姫「海未は…穂乃果が好きなの?」
海未「それはどちらの意味ですか?」
真姫「…今あなたが疑った方の意味ね」
海未「どうなんでしょうね…自分で言うのもなんですが、こう見えて箱入り娘なものですから。
この気持ちが異性の方への恋慕と同じものなのか、家族や兄弟に向けるようなものなのか…判別が付かないんです」
真姫「同姓への恋かもしれないっていうのは否定はしないのね」
海未「ふふっ、絵里とも以前にそんな話をしました。曰く、女子校とはそういうものらしいですよ」
海未「でも、私はそれでことりを蔑ろにしたりはしません。ことりもまた、私の大切な人なんです…
私と穂乃果の横にあの子が居ないなんて、考えられません」
- 10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:35:05.70 ID:npglHIQvo
真姫「私は…どうなのかしら」
真姫「もしかしたら私は、花陽のことが――それか、凛のことが好きなのかもしれないわ。
でも花陽には凛がいるし、凛には花陽がいるの」
海未「真姫は、ふたりの1番目になりたいんですね」
真姫「…わからない。私が誰かの1番になったら…2番になってしまう人はどうなるの?」
真姫「海未。海未は2番になってしまったことりの気持ちがわかる?」
海未「…わかりません、というより、考えようとしたことがないんです」
真姫「…残酷なものね」
海未「そうじゃありませんよ、真姫。1番か2番かなんて、関係ないという事です」
海未「恐らくことりにとっても私は2番目でしょう。でもことりはそれで私に気を遣うこともなければ、蔑ろにもしません」
海未「私も同じです。1番目の穂乃果の横に2番目である私やことりが居てはいけない理由なんてないのですから」
海未「私が大好きなふたりが一緒にいて、仲が良くて…それは幸せな事じゃないですか」
真姫「そうかもしれないけど、それは穂乃果がふたりに順番を付けないからじゃないかしら?」
- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:40:07.84 ID:npglHIQvo
海未「穂乃果はあまり難しいことを考えませんからね。でも仮に穂乃果にとって1番目と2番目がいて…
それで穂乃果がふたりに差を付けると思いますか?」
真姫「…想像付かないわね」
海未「そういう事です。穂乃果とことりの関係がどうあれ、それで穂乃果と私の関係が変わることはありません」
海未「誰しも順番を付けてしまう…と言いましたが、私たちの身近にさっそく例外がいるという事になりますね」
真姫「あ…」
海未「真姫の気持ち、私にはわかりますよ。きっと私たちは真面目すぎるんです。
真面目で臆病で…だから形のある序列が欲しくて、自分を認めてくれた証が欲しいんです」
海未「凛と花陽にとって真姫がどういう位置にいるのか…気になるなら、考える前に聞いてみればいいんですよ」
海未「勇気が要るでしょう。怖いと思います。
ですが、他ならぬ真姫が好いたふたりが冷たい返事を返すとは私には思えませんね」
真姫「……ありがとう、海未」
海未「構いませんよ。生真面目仲間の真姫が珍しく相談してくれたんですから、お安い御用です」
真姫「ふふっ…お互い損な性格してるわよね」
海未「ええ、まったく…良ければ一緒に帰りませんか?生徒会室に寄る事になりますが」
真姫「ありがとう、でも遠慮しておくわ。ひとりで…ゆっくり考えてみる」
海未「そうですか。では真姫、また明日」
真姫「ええ…また明日」
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:45:08.12 ID:npglHIQvo
―――
――
―
真姫「凛、花陽、お…おはよう」
花陽「? おはよう、真姫ちゃん」
凛「おはよー!」
真姫(ど…どうしよう……一晩中考えたのに、切り出しようがないわ……)
――――
花陽「天気が良くてよかったねぇ。屋上も使えそう」
凛「最後の授業が体育だから着替えずにそのまま出られるにゃー」
花陽「体育…あっ」
真姫「どうしたの?」
花陽「どうしよう、ジャージの上着、昨日スプレーかけて干したまま忘れちゃった…」
真姫「下はあるの?」
花陽「うん、教室のバッグの中に入ってるから」
真姫「なんだ、それなら…」
凛「じゃあ凛の貸してあげる!」
花陽「え、でもそれじゃ凛ちゃんが寒いよ…」
凛「大丈夫大丈夫!凛いっつも途中で暑くなって脱いじゃうし!」
真姫「あ……」
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/15(火) 19:46:15.62 ID:npglHIQvo
真姫(何よ、こんな事で…まるで子供みたい)
真姫「……」
真姫「凛、本当に大丈夫?私も…、その、貸せるけど」
凛「大丈夫にゃー。真姫ちゃんは着てて!」
花陽「凛ちゃん、真姫ちゃんも、ありがとう。じゃあ、凛ちゃん、借りるね」
真姫(まあ、そうよね。凛の方が花陽も気兼ねなく借りられるし)
真姫(…なんでもないことじゃない。私は、2番目なんだから)
真姫(私、こんな気持ちを前にもどこかで…………どこで?)
―――
――
―
にこ「は、花陽!これ見て!」
花陽「すごい…このグループ、この時期にライブなんて滅多にしないのに…!」
にこ「チケット取り合いになるわよ…!」
真姫「ああなると付いていけないわね」
凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」
真姫「流石の凛もあそこには入っていけないでしょ」
真姫(…もしかしたら、今の凛も私と同じ気持ちを――)
凛「うん、だからね、にこちゃんが居てくれてよかったなって思うよ」
真姫「え?」
凛「凛ね、かよちんがアイドル好きなのは知ってたけど、凛はあんまりそういう話できなかったから…」
凛「だから、にこちゃんと楽しコメント一覧
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- 2014年07月17日 22:43
- イイハナシダナー
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- 2014年07月17日 22:46
- うんうん、良い話だったね。
とりあえず、おじさんのビッグボーイ舐めようかボロロン
-
- 2014年07月17日 23:38
- 真姫ちゃんかわいい
-
- 2014年07月17日 23:58
- ※2
そのカイワレがなんだって?
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