黒歴史の葬儀サービスとは
誰もが思春期に自我をこじらせてしまうもの。その時代に残してしまったイラストや小説、写真などを供養できるサービスです。なかったことにしたいイタい思い出「黒歴史」の数々を確実に葬り去ることができます。
黒歴史のエキスパートが手厚く供養!
左腕に邪龍の法印を封じた伝説の破戒僧があなたの黒歴史をしっかりと成仏させてくれます。数々の黒歴史を葬り去ってきた、通称「闇獅子」と呼ばれるプロ中のプロですのでご安心ください。
- 破戒僧を雇う条件
- 葬儀直前の7日間、「酒」「女」でのおもてなしをお願い致します。おもてなしの質が悪い場合、諸々の保証は致しかねます。
- 費用はトータルでたったの「1000万円」。業界最安値です。現金のみ可。前金でのご用意をお願い致します。
- 修羅の遺産「狂月下の法典」を求めて放浪中の身ですので、連絡が取れない場合がございます。予めご了承ください。
代表的な黒歴史供養の紹介
33歳男性の場合
レッドラム少佐が、富士見書房のファンタジア長編小説大賞(現「ファンタジア大賞」)の入選を目指して執筆した小説。本編の小説部分は文量が少なめだが、キャラクターや世界観の設定資料は異様に長くて細かい、呪われた逸品。
「“
魔導の力により
「“
“殺戮者”が刃を一閃すると、急速に大気が冷凍された。すべてを灼き尽くすかに見えた業火の弾丸は凍りつき、地面に落ちる。ヴァイスの火炎に対し、“殺戮者”は氷の魔導を繰り出したのだ。
「ククク…今ので弾倉は
勝利を確信した“殺戮者”は、まだ氷の結晶が残る魔導剣の刀身をうっとりと眺めながらひとりごちる。どうやら、その曇り一つ無い刃をヴァイスの鮮血で真っ赤に染めるところを想像しているようだ。
「へっ、そのまま大人しくお勉強でもしてりゃあ、こんな死に方しないで済んだのにな…」
ヴァィスの周囲の空気がゆらり、と揺れる。銃弾を失い、逆に獲物にかじりつかれるかに見えたこの魔導の負い手は、空のはずの弾倉にふたたび魔導を込めようとしていた。不穏な空気が辺りを支配し、“殺戮者”は鼻孔をくすぐる死の匂いに思わず身をのけぞらせた。
「な、にィ………」
「門開きし者ティタールの名において我、命ず―。あまねく精霊よ、定めし魂縛の契約において、我が杖となれ…」
響き渡る詠唱と共に、不吉な紫色の輝きが魔導刑事の全身を包み込み、醜い
「“
撃鉄を起こす必要もなく、血に飢えた獰猛な屍霊は“殺戮者”目がけて飛びかかった。彼の断末魔の叫びは、肉が弾け血が飛散するグチャグチャという音にかき消された。
『魔導刑事ヴァイス』より抜粋