勇者「天国に一番近い勇者」【前半】
- 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:21:23.80 ID:cIDyQ/toO
勇者「……zzZ」
勇者「……zzZ」
勇者「!」パチッ
勇者「……12時か」
勇者「……腹、減ったな。そろそろ起きようかな?」
勇者「……」
勇者「……いいや。二度寝しよっと」
- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:22:37.82 ID:cIDyQ/toO
ーーーーー
道具屋の娘「あっ、勇者さんいらっしゃいっ!」
勇者「……カップラーメン、一つ下さい」
娘「毎日毎日、カップラーメンじゃ栄養偏りますよ!」クスクス
勇者「……大丈夫です。自分、若いんで」
娘「あっ、そうだっ!南の海に大きなモンスターが現れたらしくてですね」
勇者「……はぁ」
娘「そのモンスターのお肉がとっっっっっても美味しいらしんですって!?」
勇者「……ふ?ん」
娘「栄養も豊富らしいようで、勇者さんも一度行ってみたらどうで……」
勇者「あの、そういうのいいから、早くカップラーメン下さい。腹減ってるんですよ」
娘「あっ……!申し訳ありません……」アセアセ
- 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:23:47.00 ID:cIDyQ/toO
勇者「……ったく、面倒臭ぇなぁ」
勇者「カップラーメンぐらい、ちゃっちゃと売れっての」
勇者「……」
勇者「……う?ん、肉かぁ」
勇者「……」
勇者「……いや、いいや。どうせ勝てねぇし」
勇者「早く帰ってカップラーメン食おっと」
- 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:24:47.69 ID:cIDyQ/toO
名称:カップラーメン醤油味
原材料:国内産
内容量:128g
保存方法:直射日光を避けて、湿気の少ない場所で保存して下さい
販売者:株式会社 ファイナルクエスト 都街1ー10ー3
その他:お前の人生それでいいのか?
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:25:43.82 ID:cIDyQ/toO
男「号外?!号外?!」
勇者「……んっ?」
男「あっ!勇者ちゃんじゃねぇか?」
勇者「……どうしたの?ビラなんか配って」
男「それがよ、大事件なんだ!南の海のモンスターいるだろ?」
勇者「……あぁ、道具屋で聞いたけど」
男「あのモンスターがよ、大量に仲間を連れてやって来たんだ!」
勇者「……へぇ?」
- 6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:28:23.08 ID:cIDyQ/toO
あっ、なんか化けてる……
やべぇな……よく使う記号なのに困ったもんだ
- 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:29:59.00 ID:cIDyQ/toO
男「そのせいで冒険者達は全滅っ!大惨事だ!」
勇者「へぇー」
男「それで、緊急でモンスター討伐の招集がかかってるってわけだっ!」
勇者「……」
男「勇者ちゃんも、手助けに行ってくれよ!やられた冒険者の中に俺っちの友達もいるんだよ!」
勇者「……えっ?」
男「なぁ、頼むよ!敵討ちしてくれよ!詳しい事はそのチラシに書いてあるからよ!」
勇者「……はぁ、どうも」オドオド
- 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:31:25.24 ID:cIDyQ/toO
ーーーーー
勇者「……ふーん、モンスターねぇ?」
勇者「……」
勇者「男さんの友人もやられたんだ……可哀想だな……」
勇者「……」
勇者「……まぁ、俺には関係ねぇか」
勇者「俺も怪我すんの嫌だし、それに俺がやらなくても誰かがやるだろ」
勇者「……」
勇者「……腹減ったな。帰ってカップラーメン食うか」ポイッ
- 9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:33:02.91 ID:cIDyQ/toO
『緊急告知!モンスター討伐部隊募集!』
我々に恵みのある食糧を提供してくれている冒険者達に大惨事が起きた
今、我々の新たな主食になろとしているモンスター『お前の人生それでいいのか?』が大群を連れてやってきたのだ
確かに、彼等の生体地に踏み込んだのは我 お 前 の 人 生 そ れ で い い の か ? である
しかし、魔族の侵略が及んお 前 の 人生 そ れ でい いいのか ?しか方法がないのだ
勇気お前の人生それでいいのか?お前の人生それでいいのか?冒険者お前の人生それでいいのか?
お前の人生それでいいのか?お前の人生それでいいのか?お前の人生それでいいのか?
お 前 の 人 生 そ れ で い い の か ?
尚、負傷した冒険お前の人生それでいいのか?も募集している
- 10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:34:22.67 ID:cIDyQ/toO
勇者「……あ~、もう二時半か~」
「あの~?」
勇者「ちょっと、寝すぎたな……頭痛ぇわこれ……」
「あの~?そこの貴方?」
勇者「あ~、ボーっとする……」
「あの~、もしもし~?聞いてますか~?」
勇者「……ん?」
男「どうも、私、こういう者です」ニコッ
- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:35:40.48 ID:cIDyQ/toO
天使
天童 世死見
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:37:28.62 ID:cIDyQ/toO
勇者「あっ、名刺ですか……えっと、テンドウヨシミさん……?読み方合ってます、コレ?」
天童「はいっ!世の死を見る、天の童でテンドウヨシミです!」
勇者「……なぁ~んか、演歌歌手にそんな人いたような気がするんだけどなぁ」
天童「本日から貴方の天使となりました!これから、よろしくお願いしますっ!」
勇者「はぁ……?私の天使に……って、えっ?どういう事?」
天童「まぁ、ぶっちゃけ、担当なだけだから、お前専属って訳じゃないんだけどね?」
勇者「はぁ?」
天童「まぁさ、立ち話もなんだからさ?酒場でも行って話そうよ?おごってよ、ねっ、ねっ?」
勇者(なんだコイツ)
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:38:43.71 ID:cIDyQ/toO
天童「ねっ、ねっ?早く酒場行こうよ?僕、お酒大好きな~んだ!」グイグイ
勇者「いやっ……!ちょっと……!ちょっと、待って、テンドウ……さん……?」
天童「どうしたっ!早く行かなきゃ酒場が逃げてしまうばいっ!」
勇者「いやいやいや……酒場は逃げない逃げない……え~っと……あなたご職業は……?」
天童「だから、名刺に書いとるでしょうが!天使の天童世死見ばい!」
勇者「ちょっと、その職業どういったものかよくわからないんですけど……お聞かせ願えます……?」
天童「なるほど!」
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:40:09.87 ID:cIDyQ/toO
天童「では、お話しましょうっ!」
勇者「あっ……はい、よろしくお願いします……」
天童「人間というものは日々精進し、毎日全力で生きていくという生物ですっ!」
勇者「……はぁ」
天童「ましてや、この混沌とした世の中では当然の事です!一歩外に踏み出せば、南から魔物の脅威が、北から……」
勇者「……あの~、長くなりそうなんで、端折ってもらってもいいですかね?」
天童「……なんだよ、気分良く話してたのによォ~」
- 15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:41:19.22 ID:cIDyQ/toO
天童「まぁ、簡単にいうと……さ……?」
勇者「はぁ」
天童「お前、毎日毎日ぐーたらぐーたら、引きこもってるだろ?」
勇者「……うるせぇな」
天童「だから、こんな奴、生かしておいてもしょうがねぇって決めちゃったんだよね?」
勇者「……誰が?」
天童「神様だよ」
勇者「……神様が?」
天童「そうだよ、神様だよ」
- 16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:42:36.34 ID:cIDyQ/toO
勇者「……あんたが決めたんじゃないんだ」
天童「俺は天使だからよォ~、そんな決定権ねぇよ。決めたのは神様だよ、神様」
勇者「……俺、死ぬんだ?」
天童「うん。神様が決めちゃったからね」
勇者「ふ?ん……」
天童「あっ!お前、信じてねぇな!?本当に死んじまうんだぞ!?」
勇者「はいはい……信じてます信じてますよ」
天童「カァ~っ!そのバカにしたトーンっ!たまら~んっ!もう、たまらんっ!」
勇者「で、俺、いつ死ぬの?」
天童「え~っとね……ちょっと待っててね、手帳見るから……」ピラピラ
勇者「……何で天使が手帳持ってるんだよ」
天童「あっ、本日20時ですね」
- 17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:43:30.85 ID:cIDyQ/toO
勇者「wwwww」
天童「wwwww」
勇者「フハハwww俺、八時に死ぬんだ?wwwww」
天童「うんうんwww残念だけどねwww神様が決めちゃったからねwwwww」
勇者「神様って、きっついんだねぇwwwww」
天童「うんうんwwwやっぱり毎日毎日引きこもってるのはよくないからねwwwww」
勇者「フハハwww後、五時間半?wwwww」
天童「うんうんwww後、五時間半wwwww」
勇者「wwwww」
天童「wwwww」
勇者「バァァァァアアアーーーーカッ!!」
天童「!」
- 18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:45:21.06 ID:cIDyQ/toO
勇者「ふざけんじゃねぇ!お前、頭おかしい人だろっ!?」
天童「あっ!信じてねぇなてめぇ!」
勇者「そんなもんなぁ、いきなり見ず知らずの男が目の前に現れてよォ!」
天童「うるせぇな!こっちも仕事なんだよ!」
勇者「私はァ~、あなたのォ~、天使ィ~、ですゥ~」
天童「おい、そのバカにしたトーンやめろ」
勇者「貴方はァ~、後五時間半でェ~、死にますゥ~」
天童「だからバカにしたトーンやめろって」
勇者「こ~~~んな話、どうやって信じろっていうんだよ!バカか?お前、バカか!?」
天童「しょうがねぇだろ!こっちだって仕事でやってんだからよォ~!」
- 19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/06(火) 04:46:59.35 ID:cIDyQ/toO
勇者「……あっ、わかった」
天童「……ん?」
勇者「コレ、宗教の勧誘だな?」
天童「違うって!お前、本当に死んじゃうんだぞ?いいのか!?お前の人生それでいいのか!?」
勇者「いえいえ、大丈夫です。私、そういうのは間に合ってますんで」
天童「だから、宗教じゃねぇっての!」
勇者「いえいえ、結構です結構です。私、これから私用がありますので……」
天童「引き篭もりのお前に用事なんてあるわけねぇだろが!」
勇者「そういうのは他の方を当たって下さい~。それでは、また~」
天童「おいっ!待