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戦闘機用 HMD Striker II発表。暗視カメラ内蔵で夜間ミッション時パイロットの負担を軽減 - Engadget Japanese
 
英国の航空宇宙企業 BAE システムズが、飛行時の各種情報をバイザー内に表示する戦闘機用HMD (Helmet Mounted Display)、Striker II を発表しました。ヘルメットに暗視カメラを内蔵することで、従来は別途着用していたナイトスコープを不要とし、軽量化によって夜間戦闘時の首への負担を軽減します。

戦闘機のパイロットは、重量のあるヘルメットを着用しながら強力な G フォースに耐えつつミッションを遂行します。夜間戦闘ともなれば、さらに暗視スコープが必要となり、その装備は数kg におよびます。このため帰還したパイロットの多くがミッション後に頭や首に苦痛を覚えるといいます。

BAE システムズが開発した Striker II HMD(Helmet Mounted Display)は、前モデル Striker から光学ヘッドトラッキングシステムなどを継承し、頭部の動きに密接に連動して高度や速度から戦闘用の対地対空用照準などをバイザー内に表示します。さらに暗視カメラをヘルメットに内蔵することで、別途装着していた暗視スコープを不要とし、パイロットの首への負担を軽減します。
 
デジタル暗視カメラの映像はヘルメットの額部分に内蔵したレンズで捉えられ、解像度1600 x 1200、フレームレート 60Hz で表示します。従来は手動で行なっていた映像の調整は自動化されており、夕刻や夜明けのミッションでもそのままシームレスに機能します。ほかにデジタルズーム機能なども備えています。

BAE システムズは、Striker II が適合する戦闘機やその導入時期は明らかにしませんでした。ただ、前モデルの Striker やそのバリエーション Cobra は、ユーロファイターのタイフーン、サーブのグリペンなどに装備されており、それらは Striker II にアップグレードされていくものと思われます。


ちなみに、現在の戦闘機で最強と言われるのはロッキード・マーティンの F-22 ですが、これは遠距離からでも敵機を探知するレーダーと、ミサイル性能の高さによるもの。現代の空中戦ではパイロットの目視による接近戦、いわゆるドッグファイトはほぼ起きないと言われています。これは、F-22 などの場合、機体のステルス性能と強力なレーダーにより、敵に気づかれる前に攻撃が完了するからです。

しかし、タイフーンのように高い運動性能を持つ戦闘機なら、その装備を活用して先制攻撃をかわし、ドッグファイトに至る可能性もゼロではありません。さらにタイフーンを含む多くの戦闘機はオフボアサイト攻撃と呼ばれる機能をもち、レーダーと HMD の機能により、視界に敵機が入っていなくてもパイロットがその方向を見るだけでロックオンします。搭載するミサイルも運動性能が高いため、下や横方向の敵を攻撃することも可能とされます。F-22 も高い運動性能を持ちますが、オフボアサイト攻撃機能はありません。ドッグファイトに持ち込みさえすればタイフーンにも勝機はあると言われます。
戦闘機用 HMD Striker II発表。暗視カメラ内蔵で夜間ミッション時パイロットの負担を軽減

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