モバP「美術館に行きたい?」
- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:03:06.40 ID:VPoaNmwCO
あやめ「そうです。今、上野の森美術館で特別展をやっておりまして。ご一緒にいかかでしょうか?」
モバP「あやめが美術に興味があったとは。そういうのは頼子さんの専門だと思ってたよ」
あやめ「実のところ、あやめも芸術は門外漢なのですが、友人から割引のチケットを複数枚頂きまして。
聞けば会場には様々な趣向を凝らして、人を欺き、驚かせる現代アートが多数あるとか。
ですので、あやめは新しい忍術開発の参考になるやも知れぬと期待しております」
モバP「確かに面白そうだな。だけど、うーん……」
あやめ「むむ。プロデューサー殿の心配事は、アイドルとふたりっきりになってしまうことですか?」
モバP「そうだ。プライベートで二人というのは良くない。最悪あやめのアイドル生命に関わる」
- 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:03:50.77 ID:VPoaNmwCO
あやめ「ふむ。では、プライベートではなく、レッスンという形で行くことにしましょう」
モバP「ん?どういうことだ?」
あやめ「すなわち!いずれ来るであろうドラマの演技レッスンという形で、美術館に行くのです。役柄は恋人同士!
これならプライベートではなく、アイドルとしてのレッスン、すなわち仕事として行くのでプロデューサー殿も納得✩安心✩許可ですね!」
モバP「なにが納得✩安心✩許可ですね!だ。周りから見たら本物のカップルも演技レッスン中も違いないだろ!」
あやめ「そこはアトモスフィアでなんとか」
モバP「無理だ」
あやめ「仕方ありませんな。では次の手を講じましょう。プロデューサー殿、しばしここでお待ち頂けますか?」
モバP「ん?おお、いいけど」
あやめ「ではちょっと行ってきます」
モバP「あ、おいどこに……ってトイレか。」
- 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:06:56.17 ID:VPoaNmwCO
……5分後。
モバP「あやめ、遅いな……」
モバPが待っていると、トイレの扉が開き、うぐいす色の制服をきた、長い茶髪を三つ編みにした女性が出てくる。
モバP「あれ、ちひろさん。トイレ行ってましたっけ?
というか、あやめがトイレに行ったきりなんですが、大丈夫か見てきてもらえませんか?」
ちひろ?「あやめさんですか……それならですね」
あやめ「あなたの目の前におりますよ!」
モバP「なに!?声が急に変わった……!もしかしなくても、ちひろさんじゃなくて、あやめか?」
あやめ「さようです!いかがですか?この変装術!そして、声帯模写!これなら衆目の中であろうと、
私とはばれますまい!」
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:08:07.61 ID:VPoaNmwCO
モバP「あやめ、おまえの忍者の腕すごいな……。それはさておき、
確かにその変装術なら一緒に行ってもまず気づかれないな。よし、週末開けておくから行くか、美術館」
あやめ「ありがとうございます、プロデューサー殿。では当日よろしくお願いいたします。
あ、私はこの姿にて参りますゆえ……」
モバP「ん?別にあやめと分からなければ、ちひろさんの姿じゃなくてもいいぞ?」
あやめ「モデルがあった方が、変装もやりやすいのです。それに上野周辺は混みますから、
お互いにわかる姿形でないと、はぐれた時などに探すのが大変になってしまいますよ?」
モバP「そう言われれば、確かにそうだな。俺とあやめに共通の知り合いで、アイドルじゃないとすると限られてくるからな。
了解した、待ち合わせの時はちひろさんの姿を探すよ」
- 6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:08:51.81 ID:VPoaNmwCO
あやめ「はい!よろしくお願いいたします。あと、加えてもう一点よろしいですか?」
モバP「ん?どうした」
あやめ「折角の変装術の機会なので、私、当日はちひろさんになりきって行動したいと思います」
モバP「……なんでまた?」
あやめ「日々是れ精進。こういった機会でもないと変装の術をより高いレベルに持ち上げることはできません。
ちひろさんになりきることで、変装術に磨きをかけ、来るべきドラマなどのお仕事の、演技の応用として役立てたと思います」
モバP「あやめ、お前、アイドルの鏡だな」
あやめ「褒めても手裏剣くらいしか出ませんよ!それはさておき、プロデューサー殿にご協力をお願いしたいのです。
変装した者の名前でも反応できるようになる訓練として、当日、私のことは『ちひろさん』と呼ぶようにお願いできますか?」
モバP「ん、あやめがそう言うなら。まあ、姿はちひろさんだし、逆に呼びやすいかな」
あやめ→ちひろ(以下あやめ変装中はちひろで表記)「ふふ、ではよろしくお願いますね。プロデューサーさん」
- 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:09:34.00 ID:VPoaNmwCO
…………………………………
時は過ぎ、週末。上野の森美術館前、約束の時間。
モバP「大体時間通りに到着……。だけど、あやめはどこかな?えーと携帯に電話を……」
ちひろ「プロデューサーど……、コホン。プロデューサーさん、おはようございます」
モバP「お、おう、後ろに居たか。おはよう。それにしても、ほんとに、どこからどう見てもちひろさんだな」
ちひろ「お褒めに預かり光栄です」
モバP「それじゃあ、行くか。さて、特別展の入館料は……。そういえば、あや……ちひろさん割引券持ってるんだっけ?」
ちひろ「はい、ここにありますよ。えーと割引で1600円が1000円、二人で2000円ですね」
モバP「はいよ。券もらうぞ。買ってくるからちょっと待っててくれ」
ちひろ「……あ。ありがとうございます。1000円お渡ししますね」
モバP「いや、このくらいは俺が払うよ」
ちひろ「え。…でも悪いです」
モバP「久々に2000円札を有効に使える機会を与えてくれた事への、感謝の気持ちだ」
ちひろ「……ふふ、なんですかそれ。でも、それならせっかくなので、お願いします」
- 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:10:53.63 ID:VPoaNmwCO
…………………………‥モバPチケット購入中
モバP「はいチケット。さて、いくか」
ちひろ「どんなものがあるんでしょうか。楽しみですね」
モバP「そうだな」
エントランスを通り抜け、この特別展の由来が書かれている。
そこを通り抜けると、特別展が始まる。
歩を進めて、右側の壁にA4サイズ程度の2枚の絵が並べて飾られている。2枚で1セットの作品のようだ。
絵は、ヤドクガエルのような毒々しい紋様が、同じ配色で描かれている。
2枚の絵はほぼ同じようだが、細かいところに目を向けると、若干の違いが見てとれる。
タイトルには「見方により構築される2重螺旋の生命」とある。
- 9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:11:29.97 ID:VPoaNmwCO
モバP「ふむ、抽象的だな」
ちひろ「そうですね。こう、絵の具をばら撒いたような絵を彷彿とさせます」
モバP「うーん、現代芸術はこういうところが難しいな。意味がわからないというか、
いたずら書きにしか見えないというか。題名も、いろいろな角度から生命を抽象的に描いたってことなんだろうけど、
ちょっとこれだけじゃな」
ちひろ「ふふ、でもPさん、これは案外わかりやすいかもしれません。この床のところを見てください」
モバP「うん?お、ちょうど2枚の絵の真ん中に足跡のマークか。ここに立って見れば、絵が変わるってことか?どれどれ…」
ちひろ「どうですか?」
モバP「……うーん、変わらないな」
ちひろ「ただ見るだけではダメなんですね……『見方により』、『2重螺旋』、……そうか。
Pさん、これ、立体視じゃないですか?」
- 10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:12:10.62 ID:VPoaNmwCO
モバP「立体視?あの、寄り目で見ると、絵が立体的に浮かび上がるやつか。
どれ、焦点をずらして…………、おお、二枚の絵が重なって、すげぇ、確かに生命が浮かび上がった!」
ちひろ「私もいいですか?……わっ!確かに、浮かび上がりますね。面白い」
モバP「これを手書きの油絵でやるか……。しかしあやめ、じゃないちひろさん、よくこんな仕掛けが
分かったな」
ちひろ「題名の螺旋がヒントになりました。螺旋は立体の暗示だったんですね。あとはたまたまです」
モバP「いやいやホントすごいぞ、絵画探偵名乗れるよ」
ちひろ「それは都ちゃんと頼子さんのコンビにお譲りします。さ、次に行きましょう?」
- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:12:53.75 ID:VPoaNmwCO
廊下の突き当たり2枚の連作がある。写真のコラージュだ。
1枚目は、画面下部に陰鬱とした背景の中、白い死体袋がたくさん横たわっている。
それが地平線となる画面中央まで大量に連なり、やがてただの白色になる。
死の白に満たされた中央部から視線を上に向けると、その白はいつの間にかホワイトハウスの形に姿を変えている。
つまり、この絵の中では、死体袋が積み重なってホワイトハウスが作られていることになる。
2枚目は海の絵だ。右側の美しい砂浜の風景が左側に移動するにつれ、いつの間にかゴミとがれきの堆積した海岸線に変化する。
二つは連続した海岸の形をしているのに、その左右は楽園と終焉、両極端だ。
題名は「連続」とある。
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:13:29.80 ID:VPoaNmwCO
モバP「今度のはわかりやすいな、だまし絵みたいだ」
ちひろ「はい。1枚目の死体袋は、多分戦争で亡くなった方のものでしょう。
積み重なった死体袋が、地平線まで続いて画面を白で満たし、それが最終的にホワイトハウスになる。
因果の連続をはっきりと描いた、痛烈な皮肉ですね」
モバP「2枚目は、時間の連続を絵にしたんだな。美しい海岸が、時間を経てゴミだらけになってしまう連続」
ちひろ「メッセージ性が強いですね。こういうの好きです」
モバP「うん、面白い。俺も好き」
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:14:55.81 ID:VPoaNmwCO
曲がり角を曲がると、抽象画の油絵がある。
人間の上半身サイズのキャンパスいっぱいに、赤、白、緑、黒、青が原色で塗りたくられ、波打っている。
油絵具がカンバスから盛り上がって固まり、飛び出す絵本のようだ。
モバP「これまたすごいもん作ったな……」
ちひろ「凄まじい勢いを感じますね」
モバP「題名は、『躍動』か。ま、確かに元気だな、カンバスから溢れるくらいだし」
ちひろ「……あ、Pさん!ここ、この、赤と白の絵の具で盛り上がったところの裏側見てください」
モバP「ん、ああ!鶏の顔が油絵具で立体的に作られている!待てよ、よく見ると、この緑の部分は蛇のしっぽ?
角度変えてみると、青と黒いところに蝶の羽っぽいものも。他にもたくさん動物いるな、これ」
ちひろ「完全に油断していました。カンバスに書かれているから抽象絵画だと思ったら、
まさか動物のキメラを絵の具で立体的に仕上げた作品だったとは」
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/20(日) 12:15:58.41 ID:VPoaNmwCO
モバP「この欺き方は、確かに忍術に応用できそうな欺き方だ。
どう応用するかは皆目検討もつかないけど」
ちひろ「ええ。凄いです、メモっておきましょう。……さて、次ですね」
曲がると広間に出る。
広間の中央に2m×2mの非常に大きな作品がある。
コメント一覧
-
- 2014年07月20日 23:03
- うぉー、現代芸術はさっぱりだが面白そうだ
-
- 2014年07月20日 23:06
- …あの…こういうのは私の…?
-
- 2014年07月20日 23:07
- ※1
ガチャを回さない財布に用はないってチッヒが言ってた
-
- 2014年07月20日 23:08
- やはりちひろさんは天使!
みくにゃんのファン続けます!
-
- 2014年07月20日 23:11
- ※4
バカだな、ちひろさんがそんなこと言うはずないだろ
道端の石ころに対していちいち感想を言うと思うか?
-
- 2014年07月20日 23:11
- チッヒは無課金にはやさしいから・・・きっと
-
- 2014年07月20日 23:17
- このちっひなは偽物だ!!!
-
- 2014年07月20日 23:40
- ※3
頼子ちゃん!お城のような建物にも素敵なものがあるよ!
俺と一緒に行こう!!
-
- 2014年07月20日 23:47
- ※3※9
自演かな?
これは一応シンデレラガールズのSSだから、美術館ってだけで他作品の子出すのはさすがに…
-
- 2014年07月20日 23:51
- ※10
お前は72を言っているんだ?
-
- 2014年07月20日 23:56
- 有名どころの名前しか知らないのだろう
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- 2014年07月20日 23:56
- ※10 えっ別に他作品じゃなくね? モバマスの娘だろ?
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