にこ「私の居場所」
- 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 12:51:22.76 ID:U7WzaOuj0
※多少の性的表現があるかもなので注意
- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 12:52:53.11 ID:U7WzaOuj0
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ーーー
『にこ...パパと約束してくれないか.....?』
『エグッ...グスッ...なに...パパ...?』
『どんなときも....きっと...明るい笑顔でいてくれる、と...』
『うん...わかった...にこ、なかなかいよ...だから...!』
『....パパ...?どうしたの、おきてよ...ねぇ、ほらにこないてないでしょ...?...なんで...』
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ーー
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 12:54:35.87 ID:UY/8zzjW0
にこ「っ!?」バサッ
にこ「...はぁ...朝からこんな夢見るなんて...疲れてるのかしら?」
まったくよりにもよって私の誕生日の日に...いや、誕生日の日だからこそ見たのかも知れない。だって...今日はパパの命日でもあるのだから...
こころ「お姉さま!?どうかされましたか!?」ガチャ
にこ「こころ...ごめん、何でもないわ。怖い夢を見てびっくりしただけだから...」
こころのほっとした顔を見て安心する。私はまだ笑顔のままでいられているみたいだ。
- 6:>>3今回こそ真面目に書きます!にこにーファンとして:2014/07/21(月) 12:58:17.26 ID:UY/8zzjW0
こころ「いよいよ今日はお姉さまの誕生日ですね!今夜はお祝いしましょう」
にこ「ふふっ、ありがと」ナデナデ
こころ「あっ、そういえば、ママは...今日も遅いみたいですね...お仕事が忙しいみたいです...」
にこ「...仕方ないわよ、大丈夫!気にしてないわ。毎年こんな感じでしょ?」
そう、毎年こんな感じだ。ママは仕事が忙しいから私の誕生日をお祝いしてくれたことがほとんどない。でも、それは私たちの為だから仕方がないことだ。そう思っていつも通り偽りの仮面をかぶる。
- 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 13:00:36.37 ID:UY/8zzjW0
こころ「...ねぇ、お姉さま?」
にこ「ん?どうかしたの、こころ?」
こころ「なぜウチにはパパがいないんですか?」
...ああ、困った...今も上手に笑えているのだろうか?何故よりにもよってこんな日にそれを聞くんだ...なんて思ってしまう。
にこ「なんで急にそんなこと...」
こころ「...他の人の家には必ずいるのに、もしいたら...きっとママだって家に居られるのに...」
- 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 13:02:00.35 ID:U7WzaOuj0
にこ「...そういうものよ、それより早く小学校行きなさい」
こころ「は、はい...行ってきます、お姉さま」
つい、言葉が荒くなってしまった....こころは悪くないのに、そう誰も悪くない...ならこの感情はいったいどうすればいいのだろう?
憂鬱な気持ちを抱えながら、しかし今日も練習があるので学校にしぶしぶ行くことにした。
- 9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 13:04:18.49 ID:U7WzaOuj0
にこ「....誰かいるー?」ガチャ
あれ?誰も居ない...いつもなら放課後は大抵の場合穂乃果や凛が真っ先に部室に来ているのに。なんとなく気の抜けた私はとりあえずいつもの席に座った。
にこ「...ひまねー」
ここに1人でいると嫌なことばかり思い出してしまう...早く誰か来ないかな、なんて思っているとふと、机の上に何かがあるのに気付いた。
- 10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 13:05:47.95 ID:UY/8zzjW0
にこ「これ...石?」
そう、きれいな石だった。見ていると思わす吸い込まれてしまうと錯覚してしまうほどに。そんな石の横には紙が置いてあった。説明書らしい。
にこ「えーとなになに...『持ち主の心の祈りを叶えます』...はぁ、また希のオカルトアイテムね」
- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 13:06:42.43 ID:U7WzaOuj0
なんて言いながらも私はすっかりその石に気を奪われてしまっていた。こんなあからさまに置かれるとつい使ってしまいたくなるのは仕方ないと思う。いや、普段の私なら見向きもしないはずだ。しかし、今日はダメ。今日だけは祈らずにはいられない。
にこ「...叶えられるもんなら叶えてみなさいよ」
...あれ?寝不足だろうか?突然眠くなってきた...みんなが来るまで少し仮眠を取らせてもらおう...
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 13:10:20.39 ID:U7WzaOuj0
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こころ「ーお姉さま!早く起きて下さい!」
にこ「...あっ、こころ...うーーん、よく寝たわー」
こころ「はぁ、まったく...やっと起きてくれました。主役が居ないとお祝いが始められないですが」
にこ「はぁ、お祝いね....?」
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 13:14:32.47 ID:UY/8zzjW0
だんだん寝ぼけた頭が覚醒してきた...そういえばここはどこだろう?私は部室にいたはずなのに...そして何故こころがここに居るんだろう...
にこ「ねぇ、こころ?ここって何処なの?」
こころ「お姉さま...まだ寝ぼけてらっしゃるんですか?ここは我が家ですよ」
にこ「...えっ、ええっ!?」
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 13:21:21.97 ID:UY/8zzjW0
無論そんなはずがない、まずここは一軒家だし、それに家が綺麗すぎる...こころが騙しているのか?なんて思ったが、こんなあからさまな嘘をこころがつくはずない...とりあえずこころにもう一度聞いてみることにした。
にこ「こころ?本当にここってウチなの....?」
こころ「...頭でも打ったんですか?もういいから来て下さい!パーティーを始めますよ」グイッ
にこ「ちょ、こころ!?どこ行くの!?」
こころ「いいから、来て下さい!」
- 15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 13:58:15.36 ID:U7WzaOuj0
こころに引っ張られるままついて行くとダイニングルームらしき場所にはここあに虎太郎、それにママまで居た。
にこ母「やっと起きたの?ほら早く座りなさい」
にこ「な、なんでママがここに居るの?」
にこ母「なんでって...どういう意味?」
にこ「いや、だって仕事はどうしたのよ...」
ママ「仕事?にこ...寝ぼけてるの?」
こころ「お姉さま、また変なこと言って...いいから座って下さい!始めますよ」
ここあ「姉ちゃん遅いよー、料理冷めちゃうじゃん!」
虎太郎「...はやくー...」
- 16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/21(月) 14:00:15.79 ID:U7WzaOuj0
私の頭の混乱もピークに達した時、玄関でチャイムが鳴った。
ここあ「あ、ひょっとして...帰って来たんじゃない!?」
こころ「遅くなるって言ってたのに...早めに切り上げて来たんですね!」
にこ「えっ....だ、誰が帰って来たっていうのよ、全員居るじゃないの!」
そう言いながらも私は何となく気付き始めていた...しかしそれは....まさか本当に叶ったとでも言うのだろうか?
にこ「ッ!」ダッ
逸る気持ちを必死に抑えながら、私はゆっくりドアの鍵を開けた...震える手を懸命に動かして。
にこ「....あ....うそ....」
にこ父「....ただいま、にこ」
....そこには紛れも無く、確かに亡くなったはずのパパがいた。
- 28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/22(火) 13:04:36.72 ID:CTJy8q400
これは果たして現実なのだろうか?けど目の前には確かにパパがいて...私の目頭が熱くなってくる。
にこ父「にこももう18かぁ...まだ小学校に通ってるもんだと思ってたのにな...」
にこ母「それはにこが小さいからそう見えてるだけよ、けど確かに小学生でも通るわね」
にこ「ちょっと、ママもパパもバカにし過ぎじゃない!?私そんなに小さくないわよ!」
- 29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/22(火) 13:09:38.76 ID:nU0zHCBN0
ここあ「でも姉ちゃんと私の友達の身長は同じくらいだよ」
こころ「それにそろそろ私の身長もお姉さまと同じになりそうですしね」
にこ「あんた達まで...今日の主役は私なのよ!?私で遊ばないでよ!」
にこ父「ははははっ!」
にこ母「ふふふ、」
こころ「くすくす...」
にこ「もう...ふふっ、」
ああ、懐かしい...こうしてまたパパと会えるなんて、そしてこういう風にまた家族皆で笑いあえるなんて...もう絶対ないと思ってた。
今の私の祈りはたった一つ...
にこ「この瞬間が永遠に続けばいいのに....」ボソッ
ーーー
- 30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/22(火) 13:14:22.84 ID:CTJy8q400
翌日、私はいつも通り午前5:30に起床した。朝ごはんと私のお弁当を作るには早起きしないといけないからだ。しかし今日の朝はいつもと違っていた。
にこ「あれ...何かいい匂いがする...?」
味噌汁だろうか?いったい誰が....?そこまで考えて思い出す。そうだこの世界にはパパが居るんだ、ならこの味噌汁を作っているのは....
にこ「...ママ、おはよう」
にこ母「あら、おはよう。にこがこんなに早く起きて来るなんて珍しいわね」
にこ「ふふっ、そう?たまには私だって早起きするわよ」
朝にママが朝ごはんを作ってくれている...ただこれだけの事がこれほど嬉しいものだとは思わなかった。私が望んだ日常がここにはある。そう私が諦めていたはずのモノが、今ここに。....だから、その時まで私はある大切なことをすっかり忘れてしまっていた。
- 32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/22(火) 13:17:03.33 ID:CTJy8q400
にこ父「あれ、にこがこんな早く起きてるなんて...今日は雨でも降るのかな?」
にこ「もうパパ!それはバカにし過ぎじゃない?...あっ、そうだ今日は部活の朝練もあるから早めに家を出ないといけないのよ」
にこ父「あー、知ってるよ。スクールアイドルやってるんだろ?確か...A-RISEだったか?」
にこ「へ?それはUTXのスクールアイドルだよ....」
にこ父「?...なら合ってるじゃないか」
- 33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/22(火) 13:21:46.42 ID:CTJy8q400
それを聞いて、私はある事実に気付いてしまった。私がUTXに行かずに音ノ木坂に入ったのはお金が無かったから...だけど、このきれいな家からも分かるとおり我が家はそこそこ裕福みたい、たぶんパパがいるからだろう。つまり、この世界では私は音ノ木坂ではなくUTXに入ることが出来てしまったのだ。
にこ「ね、ねえママ?音ノ木坂って高校知ってる?」
にこ母「ええ、知ってるわよ?確か今年で廃校になるらしいけどね.
...それがどうかしたの?にこはあの高校あんまり好きじゃないんでしょ?」
にこ「い、いや...何でもないの...」
コメント一覧
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- 2014年07月22日 22:18
- にっこにこにー
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- 2014年07月22日 22:27
- ハラショー
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- 2014年07月22日 22:37
- ハラショー ・・・
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- 2014年07月22日 22:42
- 普通に泣いた
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- 2014年07月22日 23:00
- >多少の性的表現
!?
…!?!?
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- 2014年07月22日 23:11
- 出だしから漂う感動臭
良い話だった、にこにーおめでとう
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- 2014年07月22日 23:13
- どこに性的表現があったんだ?w
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- 2014年07月22日 23:32
- にっこにっこにィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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- 2014年07月22日 23:34
- にこちゃんはずるいぜ…こんだけ色々な過去を背負ってたら応援せざるを得ないじゃないか!
誕生日おめでとう。いい仲間に会えて本当に良かった