歴史に思いを馳せる。ギズが行く、ミニミニ四国お遍路の旅
今年は、四国霊場開創1200年。
お遍路さん、といえば「四国のお寺を巡るやつね」と誰でもなんとなくは知っているでしょう。私もなんとなくは知っていました。なんとなく…。実際のところ、お遍路さんって何でしょう?
「遍路」とは、お大師さま(空海・弘法大師)が修行した、ゆかりのある四国八十八箇所の寺院を巡拝することをいいます。日本全国にはさまざまな巡礼地がありますが、四国の八十八箇所巡礼だけを「遍路」と呼び、その巡礼者を「お遍路さん」と呼びます。香川出身である弘法大師が、42歳のときに行なったとされる四国巡錫を起点に、今年2014年は四国霊場開創1200年の年として、大きな注目があつまっています。
八十八箇所の寺院は「札所」、お寺さんをお参りすることを「打つ」といいます。お札を収め、お参りし、お経を奉納して88つの札所を回っていきます。
札所には番号がふられており、1番目は徳島県にある霊山寺、最後となる88番目は香川県にある大窪寺となります。八十八箇所全てを通しでお参りすると、その全長は1,100〜1,400kmにもなります。
1度の旅で八十八箇所全てを巡ることを「通し打ち」、何度かの旅にわけ参拝することを「区切り打ち」、また、各県ごとにわけて参拝するのは「一国参り」といいます。また、順番通りに巡るのを「順打ち」、番号を逆からまわっていくのを「逆打ち」、番号関係なしに参拝するのを「乱れ打ち」といいます。歩いて巡ってもよし、車やバスを使ってもよし、自転車やバイクで旅してもよし。巡り方は人それぞれで、過酷ながらも非常に懐の深い旅、それがお遍路なのです。
と、最低限の基礎知識を学んだところで、ギズモードも縁あってミニミニお遍路の旅に行って参りました。
ギズモードのミニミニお遍路
うどん県でお馴染みの香川に到着! ギズモードのミニミニお遍路スタート。
神妙な顔をしたつもりなのに、なんかホラー感。
まず訪れたのは、第83番札所一宮寺。お参りします、なんだか背筋が伸びる思い。
私たちの他にもお遍路さんが数人いました。何を考え、誰を想い旅するのでしょう。
次に訪れたのは、第84番札所屋島寺。本堂、木造千手観音坐像、そして梵鐘が国の重要文化財に登録されているお寺です。
山の上にあり、道中(屋島ドライブウェイ)からの眺めは抜群です。源氏と平家が戦った「源平屋島古戦場」が見渡せるポイントもあります。
写真をSNSにアップしたり、休憩場所を探したり、道を確認したりと、お遍路道中いたるところでスマートフォンを使いました(※1)。現代お遍路さんにとってバッテリーは命。さらに大事なのは実際につながるかどうか…。
そう、今回ギズモードがミニミニお遍路をすることにしたのは、KDDI(au)がお遍路のエリアにおけるネットワークを強化したという話を聞いたからです。なんと、四国霊場八十八箇所の本堂全てで、au 4G LTE(800MHz)が100%つながるのです(※2,3)。
お遍路LTE化プロジェクト
そこで、3つ目に訪れたのが、通称「お遍路LTE化プロジェクト」を最前線で進めたKDDIの四国地区。担当者の新野さん、中越さん、小田さん、前田さんにお話を伺ってきました。
そこにはお遍路ならではの、ネットワーク強化への想いと厳しい道がありました。四国の人間にとってお遍路は特別なものです。そして、それはKDDIの人間だって同じです。八十八箇所つなげてみせる…。お遍路の道は巡拝する人の数だけその道があるといいますが、KDDIならではの道で、彼らは何を思ったのでしょう。
ギズモード:よろしくお願いします。さっそくですが、「お遍路LTE化プロジェクト」とは一体なんでしょうか?
新野さん:四国の独自性や全国的な話題性を考えていくなかで生まれたプロジェクトです。開創1200年を迎えた四国八十八箇所全てでLTEをつなげよう、それをゴールに掲げました。結果、営業部門と技術部門の垣根を超えて取り組んだ、KDDIの四国内では初めての大きなプロジェクトとなりました
プロジェクトは、まず八十八箇所での電波の入り方を、自主的に調査するところから始まったのですが、「こうなったらどこよりも早く、八十八箇所でLTE化100%を達成しよう」と盛り上り、プロジェクトは加速し、拡大していきました。
最初の調査の結果を元に、つながらなかった箇所の基地局を調整し、必要であれば新しく基地局を建てました。その後、再び八十八箇所を全てまわって調査を行いました。
ギズモード:八十八箇所100%つながる、その実態はどのようなものなのでしょうか。何をもって「ツナガル」と?
前田さん:調査は、iPhone 5sとiPhone 5cを持って全てをまわりました。「ツナガル」としてチェックしたポイントは本堂です。そこでauは100%、LTEにつながりました
中越さん:お寺の敷地は広いので、公平を期するためにも、どのお寺にもある「本堂」をチェックポイントとしたわけです。
ギズモード:お遍路という観光としても注目される場所でつながりやすいということは、その土地に住む人だけでなく観光客も恩恵にあずかれますね。エリア拡大に注力する、その思いとは?
新野さん:どれほど広いエリアでLTEがつながるか、それが弊社の使命だと思っています。auの4G LTE(800MHz)は日本全国で、実人口カヴァー率(※4,5)99%を達成していますが、それを多くのお客さまにご体感いただきたいと思っています。
中越さん:我々が重きを置いている点は、速さと広さ。この2つを進めてこそ、本当の顧客満足度につながります。
前田さん:四国八十八箇所の本堂というとピンポイントですが、都市部だけでなく山奥も含めた四国全域にあるので、どれほど広くauが4G LTE(800MHz)のエリアをカヴァーしているか、それが一目でわかるのではないでしょうか。
小田さん:都市部でなくても、LTEがつながりやすいことで山奥でも仕事ができます。ネットワーク強化は、環境のいいオフィス作り、余暇を楽しめる生活作りにも一役かっていると自負しています。」
中越さん:観光資源の多い四国だからこそ、全国の人が訪れた時に「四国でもこんなにLTEがつながりやすくて、auは本当にエリアが広いよね!」と言ってくだされば本望です。
1日700キロを車で移動した、333段の階段を上がっての調査だった、冬季車道閉鎖のためひたすら自分の足で雪道を登った、涙目で携帯を握りしめて歩いた…。お遍路という四国中にある場所だけに、調査のエピソードもさまざまでした。「ツナガル」調査、それはまさにKDDI独自のお遍路の旅だったのです。
KDDIからお遍路さんへの「お接待」
お遍路文化に欠かせないのが「お接待」の存在です。これは、お遍路さんに対して、地元の人が食べ物や飲み物、休憩場所などを無償で提供する伝統行為。四国の人たちにとって、お遍路さんは特別な文化であり生活の一部です。観光化が進む今もそれは変わりません。お接待することで自分の代わりにお遍路さんに参ってもらうという意味もあります。また、お接待することで功徳をつむとも言われています。自分のできることでお遍路さんを手助けする、それがお接待。
現代のお遍路さんにとって、地図や天気など、さまざまな情報を提供してくれる携帯電話は欠かせないアイテムです。今回のKDDIへの取材を通して、「ネットワーク強化は、KDDIが通信会社としてできる最高のお接待だ!」と、私は思いました。
八十八箇所のうち2つだけのミニミニお遍路でしたが、なんだか想いにふけったりアツい気持ちに触れたりと、清々しい旅でした。あと86箇所。また行こうっと、四国。
【調査内容】
・調査期間:2014年6月10日~2014年6月30日
・利用データ:スマートフォン向けスピード測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」の計測データ
・調査手法:四国霊場88箇所各寺の本堂付近の同一地点において、iPhone 5s/5cで、「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使ったデータ通信を行い、LTEの接続可否を各3回測定(KDDI調べ)
・最新エリア・対象機種など詳しくはauホームページにてご確認下さい。
※ auの4G LTEは、国際電気通信連合(ITU)がLTEを「4G」と呼称することを認めた声明に準じております。
※1 データ(パケット)定額サーヴィスへのご加入を推奨します。
※2 au 4G LTE(800MHz)の対応機種:4G LTEスマートフォン(Android™、iPhone 5s/5c)、4G LTEタブレット(Android™、iPad Air/mini Retina)、Wi-Fiルーター(Wi-Fi WALKER、WiMAX2+)
※3 4G LTEエリア内でも電波状況により3G通信またはご利用いただけない場合があります。
※4 「実人口カヴァー率」とは、全国を500m四方に区分けしたメッシュのうち、auサーヴィスエリアに該当するメッシュに含まれる人口の総人口に対する割合です。
※5 4G LTEのネットワークは、エリアにより最大通信速度が異なります。また4G LTEエリア内でも電波状況により3G通信またはご利用いただけない場合があります。
※「Android™」はGoogle Inc.の商標または登録商標です。
※「iPhone」はApple Inc.の登録商標または商標です。
※「Wi-Fi」はWi-Fi Allianceの登録商標です。
image by Japan Photography
source: KDDI
(そうこ)