僧侶「勇者様の素顔は謎に包まれている」
- 2 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 09:56:19.41 ID:V+95hIPX0
- 僧侶「…」
狩人「グゴオオォォォ」
勇者「う、うーん…うーん…」
>夏日、夜になっても気温は下がらず、テントの中も蒸していた。このパーティーに入ったばかりの僧侶は、ツッコみたくてウズウズしていた。というのも。
僧侶「勇者様は寝る時も取らないんですか兜」
賢者「まぁ、人前では絶対取らないね」
>勇者パーティーに加わって一週間、僧侶は今だに兜で覆われた勇者の素顔を見たことがない。
僧侶「賢者さん、賢者さんは勇者様の素顔をご存知ですか?」
賢者「まぁ長い付き合いだしね。やっぱり気になっていたか」
僧侶「そりゃあそうですよ。でも評判は聞いています、勇者様は結構な美男子だって…噂より背は低めでしたが」
賢者「ま、王様に命じられて旅立った頃は、素顔で旅してたしね」
僧侶「あのう、どうして勇者様はお姿を隠すようになったのですか?」
賢者「ある事件で大怪我を負ってね。その傷を隠す為だよ」
僧侶「そんな大怪我を負うなんて、どんな事件だったんですか」
賢者「まぁ、追々話すよ。それより今日はもう休もう」
勇者「うーんうーん…賢者…絶対殺す…」
賢者「どんな夢見てるんだよ」
>夜は更けていく… - 3 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 09:56:50.47 ID:V+95hIPX0
- 狩人「空から何かが降ってくるぞ!」
勇者「!」
>道中、急に狩人が空を見て叫んだ。
>全員が気付いて空を見た時には、空に竜――そして黒い全身鎧を纏った騎士が地面に降り立った所であった。
暗黒騎士「勇者一行だな」
僧侶「あ、貴方は…!?」
暗黒騎士「俺は暗黒騎士…魔王軍隊長の一人」
僧侶「鎧、暑そう…」
暗黒騎士「あぁ暑い」
僧侶「やっぱ暑いんですね」
賢者「何か旅の終盤っぽいねー、魔王軍の隊長が来るなんて」
勇者「こんな暑いのに何の用だ~?」
暗黒騎士「勇者――俺と戦え」
勇者「仕方ねぇな」
僧侶「いいんだ」
狩人「勇者は勇者としてはご立派だからな。それ以外では駄目人間だが」
賢者「勇者から勇者としての使命感を取ったら何も残らないよ」
勇者「賢者後で殺す」
賢者「何で僕だけ?」 - 4 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 09:57:29.75 ID:V+95hIPX0
- カンカァン
狩人「勇者も相手もやるな…クソ暑い中クソ暑いモン装備しておいて、剣のキレは全く落ちねぇ」
僧侶「援護しなくていいんですか」
賢者「やめておいた方がいいよ。勇者、剣の勝負は正々堂々やりたいタイプだから」
賢者(それに…)
暗黒騎士「…」
>暗黒騎士は急に剣を止め、一歩下がり、そして剣を収めた。
勇者「どうした?」
暗黒騎士「お前の実力は大体わかった。魔王城にたどり着けたら、その時決着をつけるぞ」
>そう言うと暗黒騎士は空中にいた竜を呼び、その背中に飛び乗った。
狩人「逃げんじゃねぇよコラァ!勇者、あの野郎俺の弓で撃ち落としてやろっかぁ?」
賢者「やめておこう。失敗して怒らせたら、この暑い中焦って逃げなきゃいけなくなる」
僧侶「別に逃げなくても。勇者様、あの人と対等にやり合っていたんですし」
賢者「いや。暗黒騎士は左腕を使っていなかった。なぁ勇者?」
勇者「うっせーわ」
狩人&僧侶「!」
勇者「もっと剣の腕を上げないと魔王は倒せないな…!よーし、頑張るか」
>勇者は明るい調子で言ったが、相変わらず表情は見えない。 - 5 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 09:58:01.01 ID:V+95hIPX0
- =テント=
狩人「グゴオオォォ」
勇者「うーんうーん」
僧侶「魔王軍の隊長と対等に戦えるとは、勇者様は流石ですね」
賢者「ま、長く旅をしていれば強くもなる」
僧侶「勇者様は元々凄腕の戦士だったからこそ、勇者として旅を命じられたのでしょう?」
賢者「え、あ、まぁそうだね」
僧侶(?何を慌てているのかしら)
賢者「…昨日の夜、事件の話をしたの覚えてる?」
僧侶「えぇ。勇者様はそれで大怪我を負って兜を着用するようになったと」
賢者「…あの事件でね、パーティーから何人か犠牲者を出たんだ」
僧侶「!」
賢者「その事件は、魔王軍の隊長――獣人王によるものだった」 - 6 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 09:58:36.10 ID:V+95hIPX0
- 賢者「とある村の村人が獣人に全員食われて、獣人と入れ替わっていたんだ。そうとは知らず僕らはその村に立ち寄って、夜に襲撃を受けた」
僧侶「罠ですか…」
賢者「そう。僕らは戦ったけど、それもむなしく――」
~~~~~~~
賢者「くっ…戦士、魔法使い!!」
獣人王「勇者よ!どうだ仲間がただの肉塊と化した気分は!」
勇者「テメエェェ――ッ、許さねぇ!!」
獣人王「来い、勇者よ!!」
賢者「…!!」
>賢者は先程まで戦いを繰り広げていた獣人達の数が減っていることに気付いた。そして――
?「うわあぁ―――ッ!」
勇者&賢者「!」
>勇者と賢者は同時に、声のした方向を振り返る。
勇者「アイツは逃がしたのに…まさかっ!」
獣人王「行かせんぞ勇者ああぁぁ!」バッ
勇者「邪魔だ、どけええぇぇ――ッ!!!」
~~~~~~~
賢者「…」
賢者「その事件から――僕と勇者は2人旅になった」
僧侶「…」 - 7 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 09:59:12.13 ID:V+95hIPX0
- =翌日=
狩人「空から何かが降ってくるぞ!」
勇者「!」
>道中休憩していた時、急に狩人が空を見て叫んだ。
>昨日も同じことがあったので、全員真っ先に暗黒騎士を思い浮かべたが――
闇魔道士「オーッホッホッホ、勇者!その命貰うわよォ~ん♪」
狩人「何だこのオカマは」
賢者「魔王軍も登場の仕方がワンパターンだね~」
闇魔道士「お黙り!昨日は暗黒騎士ちゃんが抜け駆けしようとしたみたいだけど、そうはいかないわよ!」
勇者「よし賢者、相手してやれ」
賢者「何で僕」
勇者「ここは魔法対決だろ」
賢者「僕は後衛にいる方が性に合っているんだよ」
勇者「あぁ?人の後ろにひっついてねーと戦えないなんておこちゃまかお前?」バチバチ
賢者「前衛は頭使うのとは無縁な奴の仕事だろ?」ニコニコ
狩人「どうでもいいが兜のせいでガンつけれてねーぞ勇者」
闇魔道士「キイイィィィ、アタシを無視するんじゃないわよ!誰でもいいからかかってきなさい!」
勇者「行け賢者!」ドンッ
賢者「わわぁ」ヨロッ - 8 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 09:59:43.23 ID:V+95hIPX0
- 賢者「くっ仕方ない…爆発魔法」ズゴゴォォン
闇魔道士「ウフフ暗黒ガード!」カッ
ドゴーンドガガガガ
狩人「賢者の奴、押され気味じゃねぇ!?」
勇者「奴にタイマンは荷が重かったか…」
狩人「いや助けてやれよ!」
勇者「冗談に決まってるだろ」
狩人「顔見えねーからわかりづれぇんだよオメーの冗談はあぁぁ!!」
勇者「今行くぞ賢者ー」
賢者(遅いんだよ…)
闇魔道士「ようやく出てきたわね勇者!喰らいなさい、黒炎弾!」ガンガンッ
勇者「てりゃっ」
>勇者は闇魔道士が放った魔法を真っ二つにした!
闇魔道士「…!?」
勇者「今だ賢者!」
賢者「うん」
ドガアアァァァン
>闇魔道士が油断している一瞬、賢者は溜めた魔力を思い切り放った! - 9 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 10:00:14.39 ID:V+95hIPX0
- 闇魔道士「キイィ悔しい…!」
狩人「しぶてーオカマだな、まだ生きてら」
賢者「勇者、僕はとっておきの一発を放ったからもう魔力が…」
勇者「わかった俺がやろう」チッ
賢者「舌打ちは聞こえないようにやって」
勇者「闇魔道士!覚悟ォ――ッ!!」
闇魔道士「――!」
バッ カキィン
勇者「!」
>その時、勇者と闇魔道士の間に入った者が、勇者の太刀を止めた。
暗黒騎士「間一髪…」
勇者「暗黒騎士!!」 - 10 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 10:00:51.39 ID:V+95hIPX0
- 暗黒騎士「勝手な行動をしてこのザマか…無様だな闇魔道士」
闇魔道士「キイイィ、人間風情が偉そうにっ!」
賢者(人間風情…?暗黒騎士は人間なのか?)
暗黒騎士「まぁいい…戻るぞ」
勇者「待て!生きては帰さんぞ2人とも!」
僧侶「凄く悪者っぽいです」
勇者「今ここでお前達を帰したら、魔王城での連戦がキツくなる!後々楽をする為、今ここで倒す!!」
狩人「建前でいいからもっとマシな理由を言えよ」
暗黒騎士「…お前の相手をする気はない」
勇者「何でだ!」
暗黒騎士「昨日の戦いでバテた…」
勇者「奇遇だな――俺もだ!」
暗黒騎士「フッ…」
狩人「「フッ…」じゃねぇよ!」
賢者「この炎天下であんな装備で戦えばそりゃねー」
勇者「うるさい、賢者後でシメる」
暗黒騎士「賢者だけは許さん」
賢者「僕大したこと言ってないよね?」 - 11 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 10:01:35.47 ID:V+95hIPX0
- 勇者「しかしバテていても俺は勇者!勇者として魔王軍の隊長を放っておけん!覚悟ォーッ!!」バッ
僧侶「初めからそう言っていれば良かったのに…」
カキィン
>勇者と暗黒騎士の剣がぶつかる!
暗黒騎士「お前の相手をする気はないと言ったはずだが」
勇者「せめてお前の左腕だけでも使わせてやる!」
カキンカキーン
暗黒騎士「くっ…」
狩人「ヨッシャいい剣さばきだぜ勇者!暗黒騎士の野郎逃げようにも逃げらんねぇ!」
僧侶「きっと装備が黒くて重い分、暗黒騎士の方がバテているんですね」
カキンカキーン
>勇者の素早い剣さばきに、暗黒騎士はやや守りに入っている。
勇者「これでもまだ左腕を使わんと言うか!」
暗黒騎士「…仕方ない」バッ
>暗黒騎士は後ろに跳んだ。そして、左腕をゆっくり勇者に向け…。
暗黒騎士「これは魔王城での戦いに取っておきたかったが…」
勇者「――!!」
ゴオオオォォォッ
>暗黒騎士の左腕が変形し、炎のような形になって勇者に襲いかかってきた!! - 12 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 10:02:12.61 ID:V+95hIPX0
- 勇者「くっ!」シュッ
>勇者の剣は襲いかかってくるものを真っ二つに切り裂くが――
暗黒騎士「…」
勇者「あっ!」
>その隙に、暗黒騎士は勇者と距離を取り竜に乗り込んでいた。そしてその腕は、元の形に戻っている。
暗黒騎士「今日はこれまでだ。しかし魔王城での決戦時は、容赦なく貴様の首を狙う」
闇魔道士「キイィ覚えてなさいよーッ!」
>竜は飛び去っていった…
僧侶「勇者様お怪我はありませんか?」
勇者「あ、あぁ…」
狩人「暗黒騎士の野郎、魔法まで使いやがったのか…!!」
賢者「うーん、あんな自身の身体を変形させるタイプの魔法僕は知らないなぁ」
僧侶「魔物の力ってわかりませんね」
賢者「いや、でも暗黒騎士は人間みたいだし…。人間の裏切り者…だから鎧で姿を隠しているのかな」
僧侶「そうでしょうか。よほどの有名人でもない限り、意味がないのでは…」
勇者「有名人…!!」
僧侶「え?」
>僧侶が何気なく言った一言で、勇者の様子が変わった。相変わらずその顔は見えなかったが。 - 13 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/24(木) 10:02:48.51 ID:V+95hIPX0
- 狩人「そーいや…以前、国の騎士が魔王軍と内通してたって騒がれたよな?」
僧侶「そんな事もありましたねぇ…」
狩人「次々とニュースが飛び込んでくるから、すっかり忘れてたぜ…あれ、その騎士どうなったんだっけ?」
僧侶「その後のことが曖昧なまま、他の事件が起こったような」
狩人「まさか暗黒騎士は、その騎士なんじゃあ」
僧侶「どう思います勇者様、賢者さん」
賢者「…その騎士は」
僧侶「はい」
賢者「魔王軍の隊長…獣人王と内通していたんだよ」
僧侶「!」
>昨日の話が即座にコメント一覧
-
- 2014年07月24日 20:12
- あ
-
- 2014年07月24日 20:36
- 良いじゃん良いじゃん俺好みやで
-
- 2014年07月24日 20:48
- 王道は好みなんだけど何か足りないんだよな
不味くは無いんだけど一味足りない料理みたいな
-
- 2014年07月24日 20:49
- うーん
-
- 2014年07月24日 20:54
- 勇者系って前から思ってたけど女僧侶とか男勇者とか性別表記無いと読み進めづらい
-
- 2014年07月24日 21:05
- 画竜点睛を欠いてるな
人間勢力と仲間を裏切って魔王へ付いた理由とか葛藤とかその後の贖罪とか何も描いてない
書くべき所を書かずに力尽きたか飽きたか
-
- 2014年07月24日 21:25
- 単純につまらん
-
- 2014年07月24日 21:40
- バケツ頭の勇者ってめずらしいな。
-
- 2014年07月24日 21:49
- 面白いとは思えないけどすごく悪いわけでもない
つまり凡作
-
- 2014年07月24日 22:00
- うーんこの
-
- 2014年07月24日 22:19
- 元勇者が人間裏切って魔王側に付いた理由と説明が弱いなーと思いました(読者様目線)
-
- 2014年07月24日 22:20
- 魔王倒した後元勇者が逃げた理由がわからん
-
- 2014年07月24日 22:33
- ※12
裏切っといて
唯一の頼みの綱の強さも弟子でしかも女にあっという間に超えられて
どの面下げてノコノコ待ってるんだよ
-
- 2014年07月24日 22:33
- もう少し、深く掘り下げれば良作になったんだろうな。
凡作、確かにこれが一番しっくりくるな。
-
- 2014年07月24日 22:34
- 元勇者(暗黒騎士)は居候(現勇者)が探しに来る事を見越し尚且つ居候に恋愛感情を持たれていると分かってるから人間を裏切り居候含め勇者一行を裏切った自分は一緒になれないって事で身を隠したんじゃね?
作者しか知らん事だし俺の推測だけどな
-
- 2014年07月24日 22:35
- ワイはすきやで!
-
- 2014年07月24日 22:36
- うん、回想シーンとか分かり難いね
つーか分かってるんなら何故直さなかった
-
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