未来に繋げられた伝統行事。勇ましい侍たちを捉えた高杉記子の写真作品「Fukushima Samurai」
高杉記子(たかすぎのりこ)さんの写真作品「Fukushima Samurai – The story of identity」をご紹介します。こちらの写真は2011年に発生した東日本大震災の2、3ヶ月後に相馬野馬追(そうまのまおい)を開催した地元の人々であり侍たちを捉えています。相馬野馬追は1000年以上も長い歴史を持つ重要無形民俗文化財に指定されている神事で、東日本大震災直後、必要な馬や武具を失った厳しい状況で、放射能汚染など様々な問題がある中、その土地から避難せず決行されました。使われる衣装を身に纏い、思い入れのあるふるさとの場所で撮影されています。
なぜ生きるのか、どのように生きるのか、なぜその土地やその仕事を離れずに、その選択肢を選んで生きるのか。ゆるぎないアイデンティティは同時にもろさともなりうる。それは決して彼らだけに起こった特別なことではないように思った。
私の生活は、私の日々の中で何が大切かを選んできたものの累積であり、紡がれてきたものだ。侍たちと時間をともにする中で、いつのまにか、そこに生きる彼らに自分を重ねながら写真を撮っていた。
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高杉記子
高杉記子写真展「朝日にゝほふ山桜花-Fukushima Samurai-」