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リドリー・スコット新作はディック「高い城の男」ドラマ化。Amazonがパイロット版を製作 - Engadget Japanese
米アマゾンの映像コンテンツ制作部門 Amazon Studios が、作家フィリップ・K・ディックの小説「高い城の男」(The Man in the High Castle) のテレビドラマ化パイロット版製作にゴーサインを出しました。

制作はリドリー・スコット率いるプロダクション Scott Free。監督に米ドラマ「Heroes」のデヴィッド・セメルを迎え、まずはパイロット版の制作に入ります。
米国では近年、Hulu などのストリーミングサービス企業が自前のドラマ制作に進出しています。Netflix は昨年、デヴィッド・フィンチャー監督、ケヴィン・スペイシー主演のドラマ「House of Cards」でエミー賞を受賞しており、ストリーミングサービス向けドラマはその存在感を増しています。

アマゾンが2010年に設立し、ストリーミング配信向けの映像を専門に制作する Amazon Studios は、常にクリエイターから映像や脚本を募集しています。制作したパイロット映像は Amazon プライム登録ユーザー向けのAmazon インスタントビデオ用コンテンツとして公開され、好評ならば制作者に賞金などが与えられます。さらに大きな反響があれば、米ワーナーとの提携で劇場公開用映画として製作する道も開かれる仕組みです。

「高い城の男」は、もしも第二次世界大戦の結果が逆だったら?という世界を描いた SF 小説。作中では世界の大半はナチスドイツと大日本帝国の支配下にあり、その他をイタリア王国やカナダ、中立国が治める設定となっています。さらに、高い城の男と呼ばれる人物が書いた「もしも第二次世界大戦で連合国が勝利していたら?」といった内容の本がベストセラーになっています。

各国のお国柄がいわゆるステレオタイプな描かれ方をしていて、出版当時は一部の国で批判の的となったりもしたようですが、リドリー・スコットは「高い城の男」について、「ディックの小説の中では最も創造的かつ魅力的な作品」とコメントしています。

ちなみにこの「高い城の男」は、もともとリドリー・スコットが英 BBC 向けの4話シリーズとして企画していたものでした。しかし、BBC では製作にまでは至らず、昨年になって米国のケーブルテレビ局 SyFi チャンネル向けに改めて制作が発表されました。脚本には「X-ファイル」などで知られるフランク・スポトニックを起用するなど具体的な体制も公表され、すぐにも制作に入るとしていましたが、この SyFi 版も何らかの問題により頓挫してしまったようです。

三度目の正直でたどり着いたのが Amazon Studios だったわけですが、映画界の巨匠からの企画持ち込みは、まだ話題作と言えるコンテンツがない Amazon Studios にとってもありがたい話だったのではないでしょうか。

なお、リドリー・スコット自身は現在、Xbox シリーズ用の FPS ゲームを題材とした映画「Halo:NightFall」や2012年に公開した「プロメテウス」の続編をはじめ、多数の映画や TV ドラマ製作に携わっています。リドリー・スコット監督の代表作「ブレードランナー」も、続編プロジェクトが3年ほど前から立ち上がっており、この5月には32年前にデッカード役を演じたハリソン・フォードへ出演オファーを出したことも話題となっています。
リドリー・スコット新作はディック「高い城の男」ドラマ化。Amazonがパイロット版を製作

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