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三井不動産レジデンシャル、2020年の「ふつうの家」体感イベント。献立を提案するキッチン他 - Engadget Japanese

三井不動産レジデンシャルは、住空間とICTが一体化した『少し未来の家』をテーマとした体感型ツアーイベント『2020 ふつうの家展 ~Park Homes EXPO 2014~』を8月6日より開催します。

展示は、料理や工作をひとつの場所で行う『ツクル空間』、ある日の食卓を別の日に投影して再現する『キオクスル食卓』、遠く離れた相手と交流できる『ツナガル窓』、その日の気分に合わせて扉の開く音が変えられる『オトノナル扉』の4つからなり、それぞれをナビゲーターの案内で体感できる内容です。

2020 ふつうの家展

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20 枚


同社が住まいのあり方の提案やマンション管理体制を紹介する目的で運営している『パークホームズ イマジネーションミュージアム』のイベントのひとつとして開催するもので、展示内容はすべてマンションに組み込んで利用することを想定しています。

2020年という近未来の設定は、東京都が2011年より開始した都市計画『住宅マスタープラン』の最終年にあたり、今回の展示はプランの中で示されるガイドラインに基づいた『2020年のふつうの暮らし』を同社が想定し、可視化する試みです。展示の企画制作には同社のほか、トラフ建築設計事務所と面白法人カヤックが関わっています。


展示では、住まいそのものを家族の一員、パートナーとして捉え、オンライン化が進んだ住まいのひとつのあり方を表現しています。直近の未来をテーマにしていることもあって"ちゃんと使えるテクノロジーであること"に注意を払って制作したとのことです。

ツクル空間は、料理や工作といったクリエイティブな作業を一つの空間で行うコンセプト。シンク、クッキングヒーター、3Dプリンターが組み込まれたアイランドカウンター横の壁面には、調理器具と並んで工具類が吊るされています。



最も大きな特徴は、家そのものが喋ること。今晩の献立としておすすめの料理を提案したり、調理手順をプロジェクターで投影したりといったサポートをしてくれます。

デモでは、おすすめ第3位のバターチキンカレーを作る場合の流れが示されました。

タブレットで条件を設定して家に問いかけます

家が蓄積した様々なデータから、おすすめの献立を提案してくれます。データには、同じマンションの住人の情報も含み、住人の間で人気のメニューを提案することも


調理手順や火加減なども案内してくれます


テーブルには、調理の進捗状況を表示

情報は、天井に設置されたプロジェクターから投影される仕組みです

キオクスル食卓は、テーブル上の様子を記録し、別の日にその日の様子を同じテーブル上で再現するもの。日々の食卓や誕生日パーティ、子どもの工作の様子などをアーカイブして、別の日に再現することで、家族の記憶を繋ぎます。

実際に使用する上ではテーブルを買い替えた際などの位置合わせが問題になりますが、今回はコンセプト展示ということで、展示品に合わせてありました。


過去のテーブルを再現するデモの様子

ツナガル窓は、オンライン通信システムを窓に見立てて、離れた場所の家族や友人と交流できる仕組みをリビングに組み込んだ展示。大画面ディスプレイの前にカメラとマイクを設置することで、あたかも相手がすぐ目の前にいるかのような距離感で話ができます。

人が人の大きさとして映る画面サイズもポイント

写真はセブ島の小学校と繋いでゲームをしているところ。豆を箸でつまんで画面の向こうへ持っていき、往復させるという趣旨。ラグの少なさも特徴の一つでした

特徴的なのは、通信先のマイクに入った風の音を認識して、自宅にも風を起こす機能。ディスプレイ周りに送風機を仕込むことで実現しており、こちらからマイクに息を吹き込むと、通信先のケーキに立ったロウソクの火が吹き消えるというデモも行っていました。

スタッフによれば、いずれは五感すべての情報を伝えられるような仕組みを作りたいとのことです。

風を感知すると画面上のファンのアイコンが回ります

ロウソクの日を吹き消すデモの様子

オトノナル扉は、扉を開く際にいろいろな音が鳴るだけというシンプルなもの。音を好きなように入れ替えられるようにできています。活用例としては、お父さんが遅くまで飲んで帰ってきたら、お母さんの怒りを表現する音が鳴るといった具合に、扉そのものをコミュニケーションツールとして使うことを目的としたコンセプト展示です。


今回展示で示される『未来の家』はすべて既存の技術で実現可能な内容です。例えばツナガル窓はSkypeやGoogleハングアウトでも似たようなことができるわけで、既存の技術を組み合わせて住まいの中に溶け込ませられることを考えると、展示内容のような未来が、今の暮らしの延長線上にあることをリアルに感じさせるものでした。

ただ、このような形の住まいが実際に製品として世に出るかどうかは需要に左右されるので、来場者から意見を聞くことも、今回の展示目的の一つ。住まいをひとつのプラットフォームとみなし、スマート家電などから集めたデータをライフログとして蓄積し、活用する発想の具体例を見られる機会となっています。

近い将来、引っ越しをする時に、ソフトとしての『家』を引越し先へ"連れて行く"ことができる時代が来るかもしれません。

イベントの開催期間は2014年8月6日(水)~8月10日(日)と、8月23日(土)、24日(日)、30日(土)、31日(日)。1日5回のツアーを実施し、所要時間は60分。定員は15名の完全予約制。予約は専用サイトもしくは電話で受け付けています。
三井不動産レジデンシャル、2020年の「ふつうの家」体感イベント。献立を提案するキッチン他

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