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SprintのT-Mobile買収断念報道にソフトバンクが反論。孫氏のアメリカンドリームはどうなる? - Engadget Japanese


ソフトバンク傘下で全米第3位の通信会社 Sprintが、4位のT-Mobile USA買収を断念したとする報道が Wall Street Journalなどを発信元に報じられています。ソフトバンクではこれに対して、「(そもそも) 公式にSprint が T-Mobileの買収交渉をしているとは発表しておらず、コメントはしない」と回答しました。

しかしながら、Sprintの会長でもあるソフトバンクの孫正義CEOは、米国のインタビュー番組『The Charlie Rose Show』に出演して買収の意向を示しており、熱弁もふるいました。T-Mobileとは大筋で合意していたとも噂される買収案件ですが、もし断念報道が事実ならばソフトバンクの米国進出に大きな転換が必要になるかもしれません。
 


米通信業界は全米1位のVerizon、2位のAT&Tの支配的な体制が続いています。そこへくさびを打ち込み風穴をあけたいSprintの孫CEOは、4位のT-Mobileと組むことで第3の選択肢として立場を強めたい考えです。

日本の携帯事業でも、国内3位のボーダフォンを買収し携帯事業に乗り出すと、4位のイー・アクセス、PHS事業のウィルコムをグループ傘下におさめ、携帯向けの周波数帯を獲得したり基地局用地を手に入れたりと、買収を追い風に帆をはるソフトバンクらしい戦略を展開しました。なお、イー・アクセスとウィルコムは合併後、8月1日よりワイモバイルとなっています。



NTTの固定通信事業にADSLで勝負をしかけ、NTTやKDDIの携帯事業にはiPhoneを武器に市場をかき回し、結果的に市場の活性化を促しているソフトバンクですが、Sprintの買収に続き、T-Mobileの獲得を画策し米国でも買収の風を推進力に大手2社に挑む計画だったと想像できます。しかしWall Street Journal などの報道が事実ならばこの風が微風に終わる可能性もあります。



なお米国の連邦通信委員会(FCC)は周波数オークションについて、共同入札に競争阻害要因として懸念を示しています。仮にSprintがT-Mobileの買収し、周波数獲得に共同戦線をはろうとしても公平な競争の観点から先に進めない可能性もあります。

このほかSprint関連では、現GEOのダン・ヘッセ氏が近く退任するとの報道もあり、中には米国でモバイル機器の卸売事業を行うBrightstar 創業者のMarcelo Claure 氏の名前もあがっています。Brightstarと言えば、昨年ソフトバンクが買収し子会社化を発表した企業の1つで、米アップル直営店においてiPhoneの下取りサービスなどを展開しています。

(追記:Sprint の新CEO に Marcelo Claure 氏就任が正式発表)



ちなみに、ソフトバンクが進出する市場は固定化した市場の活性化に期待できるというイメージがあるかもしれません。久々にソフトバンクの名を冠したソフトバンクロボティクスでは、コミュニケーションロボット Pepper において20万円を切る価格を設定するなど戦略的な位置づけです。一方、ソフトバンクの社名ともなったソフト流通業はかつて支配的な立場であったために価格が下げ止まっていたとも言われています。

SprintのT-Mobile買収断念報道にソフトバンクが反論。孫氏のアメリカンドリームはどうなる?

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