Facebook が Android版の Facebook Messenger アプリを更新し、Android Wear スマートウォッチに対応しました。
最新バージョンの Facebook メッセンジャーでは Android Wear でメッセージの中身が読めるだけでなく、会話スレッドを Like したり、声で返信を入力できます。
返信のしかたは他のAndroid Wear 対応アプリと同じ。通知を左にスワイプすると「いいね!」ボタン、もう一度左に送ると Android Wear 標準の音声入力で返信できます。
Android Wear 側で動くアプリが追加されたり、フル機能が使えるわけではなく、Androidの「アクション可能な通知」に Android Wear で使える音声返信も追加された形です。
このためスマートウォッチではない Android の通知でも、スレッドの「いいね!」やミュートができるようになりました。
一方、Google 純正のハングアウト等では対応するAndroid Wear への写真表示 (写真付きリッチ通知)には非対応。「~ sent a photo」と通知されるだけで、背景は送られた写真ではなく相手のプロフィール写真です。また Android Wear の音声入力画面でアプリによっては使える、選択式のプリセット返信も用意していません。
蛇足。「声で返信に対応」と書いて必ずしも嘘ではありませんが、Facebookメッセンジャーに限らず現状の Android Wear では通知を手でスワイプして音声入力画面を開いてからの音声テキスト入力ができるのみで、「通知に声だけで返信」ができるわけではありません。
Android Wear を世界に初披露した開発者プレビューの告知動画(上)では、届いた通知に対して声で「返信 (reply)」と発音して音声テキスト入力モードに入り、そのままハンズフリーで返信する様子を示していましたが、現時点ではそうなっていません。
現状のAndroid Wear でも、ホーム画面で「Ok, Google」と声を掛けてからの能動的な音声コマンド入力ならば、ハンズフリーでメールやSMSを送信できます。しかし通知にアクションを取るには画面スワイプが必要です。
Android Wear はハンズフリーでさっと情報を確認でき、最低限の対応ができるふれこみでしたが、現状では画面を数回撫でる必要があるうえに、またそもそも腕時計の形状なので装着していないほうの手を使わざるを得ません。対応スマートウォッチがそうであるように、ソフトウェアも今後まだまだアップデートの余地を残しているようです。
(とはいえ、洗練の余地どころか、スマートウォッチをどう使うと便利なのか楽しいのか Google にもサードパーティー開発者にも必ずしも明確に見えてはいない現状は、次々とリリースされるアプリを通じて開発者の発想や創意工夫を楽しむ、新種ガジェット登場時に特有の混沌としたおもしろさがあることも事実です。
毎日や毎週単位で新機能を追加するアプリ、開発者も作ってから次の新機能を思いつくようなアプリも多く、「それは本当に腕時計の画面でやるべきなのか?」をとりあえず気にせず突っ走る勢いはいずれ失われてしまうかもしれません。)