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日本ではあまり報道されていないが、南米大陸、ラテンアメリカからアメリカ合衆国に不法入国する未成年者の数が近年急増しているという。
アメリカ政府は2011年10月から中央アメリカのグアテマラ、ホンデュラス、エルサルバトルの3か所から未成年者の不法入国者が異常に急増していると報告した。増え続ける少年少女の不法入国者はテキサス南部で発見されることが多い。6月末には国境取締局員が、アメリカ合衆国南西部の国境付近で取りしまった不法入国者数は5万7千人にも上り、その数は昨年の2倍以上であったという。
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そして、そのほとんどがリオグランデ川沿いにある税関国境警備局にて保護される。不法入国者のうち大半が、治安の悪さが有名なホンデュラスからくる。その他にもグアテマラ、エルサルバトル、メキシコなどから亡命してくるようだ。
未成年の不法入国者の年齢層は広がりを見せていて、まだ小さな5〜6歳の子どももいる。多くが10代の少年であるが、ホワイトハウスの報告によると年齢層は年々若くなり、少女の数も増えているという。連邦政府は、9月末には今年取りしまった不法入国者の数は9万人を超えるだろうと予測している。この数は昨年の三倍もの人数になる。
近年アメリカに不法入国を試みる人々はコヨーテと呼ばれる密輸業者の手を借りて、メキシコアメリカ間の過酷な旅をする。そして、グアテマラメキシコの国境周辺でわいろを渡し、ビーストと呼ばれる長距離貨物列車に乗って国境に向かう。
走行する列車に飛び乗ったり飛び降りたりするために、手足を失うほどのけがをする子供や命を失ってしまう子供までいるという。メキシコを通過する不法入国者たちは、麻薬組織やほかの犯罪者による誘拐やゆすり、肉体的虐待あるいは性的虐待の危険がある。
犯罪者たちは、入国を手伝うのでひと仕事してほしいと声をかけるのだ。近年まで、この長距離貨物列車の警備は非常に手薄であった。しかしメキシコ政府はこのような状況を打破するために、法の確定を急ぐという声明を出した。
中央アメリカからアメリカへの入国を試みる子供たちの急増の理由は今もまだはっきりとしていない。貧困や家庭内暴力、ストリートギャングによる暴力などが主な原因であるとされているが、中にはすでに不法入国済みの家族と再会を果たすために不法入国を試みる子供もいるという。アメリカ合衆国の移民対策の変遷の影響も大きいという。
2012年にオバマ政権が発令した不法移民法は年少者を母国へ強制送還をしなかったことで共和党員たちによって物議をかもした。そしてその一方、移民局では「移民法はまだ実現していないので、入国しても意味がない」などと、国境に押し掛けた人々を追い返さねばならなかった。
中央アメリカからくる移民たちは2008年にジョージ・Wブッシュ元アメリカ合衆国大統領が制定した人身売買被害者保護再授権法の抜け穴を見つけてきているのではないかとの声もある。
1990年代半ばの法律では、メキシコカナダ以外の国からくる未成年には亡命申請するかどうか移民聴取の機会が与えられるとされている。これらの子供たちは直ちに連邦厚生省に送られ、問題を解決する間米国内で保護、世話をしてくれる家庭を探してもらう。
解決まで何年もかかる場合もあり、その場合不法移民少年たちは公立小中学校へ通い、公的な援助を受けることができる。こうした一時的なアメリカでの生活の許可を求めてくる子供たちも多い。
アメリカ政府ではこれらの噂を一掃するために米国内、メキシコ、中央アメリカ数か国においてスペイン語のキャンペーンを行った。国連難民高等弁務官が行った3月の報告書の中では、不法入国を試みた未成年数百人のうち数人はアメリカ移民法の件についてを理由として挙げているという。
報告書にはエルサルバトル、ホンデュラス、グアテマラから、アメリカ合衆国だけでなくメキシコ、パナマ、ニカラグア、コスタリカ、ベリーズへ入国を試みる人数も4倍以上になっているという。6月前半、この国境へ押し寄せる不法移民の問題についてオバマ大統領は、早急に解決しなければならない人道的な問題であるとコメントした。
オバマ政権は、アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁の主導で各国政府間でこの問題を解決する対策に着手した。政府は、テキサス南部沿いの国境警備ステーションの問題解決を急ぐために設備を大幅に追加した。政府はそのほかにもアメリカ合衆国保健福祉省や陸軍基地内に運営するシェルターの設置なども行った。そして先月前半には、ヒューストン空港に子供たちを上記施設に輸送するシステムも作った。そしてオバマ大統領は、不法入国少年たちに与える住居などのためにあらたに日本円にして4000億円の予算の追加を求めた。
この案の通過によって再度移民判事など関係者が多数国境付近に送られることになるだろう。アメリカ政府は、2008年にできた人身売買の法案を変え、カナダメキシコ以外の国の子供たち柔軟に対処する方法を模索している。
これらの問題は一部の民主党員や入国手続きを済ませた移民たちから問題視されている。アメリカ政府は、ホンデュラスやグアテマラ、エルサルバトルそしてメキシコの政府と連携して、この問題に対処していく方針である。ホワイトハウスは密輸業者たちにも厳罰を与えていくとのことである。
移民弁護士らは、亡命請願の審判は一般的に非常に厳しいため、そのシステムでは法的な所在説明がないと子供に許可が下りることはないという。司法省は6月、不法入国少年らを法的に援助するため国内向け平和部隊アメリコープスと共同で対策をとると声明を出した。
子供だけの不法入国者が存在するということは、必ずその両親もどこかに存在するということだ。国境取締局は10月以来5万5千420組の親子の不法入国者を取りしまった。昨年のこの時期の数字は9千350組であり、やはり急増しているといえる。2008年の人身売買に関する法案はこれらの子供や親を守るものではなく、少年不法入国者のように保健厚生省におくられるわけではない。その代り、一時的な仮住居に送られる。あるいは国境取締局に保護された後、母国へ送還される。
近年までこの国には非行少年収容所はペンシルバニアにたったひとつしかなかった。そこは100人未満しか収容できない小さなものである。6月後半、政府はまた別の施設を不法入国者のために開放した。そして不法入国者の親子はサンディエゴの国境警備ステーションに送還される。一般的にこれらの家族は後日移民裁判所に呼ばれ聴聞をうける。
テキサス北部、テキサス南部、アリゾナのバス停、最近は南カリフォルニアなどでも発見されている。この移民の流れ込みによって37万5千件以上の審議に従事する裁判官250人と共にその移民裁判件数が過去最多に達した。未処理案件案件に対応する暫定的な移民裁判官の任命をすべく、司法省は法の改正を検討している。
カリフォルニア州マリエータにて抗議する人々に会い、引き返す不法入国者家族たちを乗せた3台のバス。政府は、移動費やシェルターや必要物資の供給を人道支援グループに託している。移民の人権保護団体が国中を走り回って物資をかき集めている。中央アメリカからの少年少女の不法入国者の急増は、国際問題に発展している。論争点は責任の所在と、不法入国した子供たちはアメリカに残留すべきかどうかである。
もし不法入国した子供たちに恩赦を与えて送り返さずにいると、さらに多くの子供たちが不法入国をするのではないか、と指摘する政治家も少なくない。地方の政治家たちは不法入国者たちを輸送、解放する際に警告しなかった政府への不満を明らかにしている。
その他の問題点としては、インフルエンザや結核、疥癬、しらみなど伝染病や寄生虫など蔓延のリスクが問題視されている。しかし専門家によると、子供たちからこれらの伝染病などが非常に蔓延する可能性は少ないとしている。
Children Crossing the U.S. Border Maxed Out at Double Capacity!
via:buzzfeed・原文翻訳:Yucaly
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コメント
1. 匿名処理班
不法入国は減ることはなく増える一方
このままだとアメリカ自体が不法入国者の返す費用や
施設の維持だけで途方もない税金つぎ込むことになるし
正規で移民許可もらう人がかわいそうだ
2. 匿名処理班
イタリアなんかも、アラブの春のときは特に、不法移民が集まってきて大変みたいだね。ドイツが簡単に受け入れるなっていうけど、そんな簡単に帰せたら苦労しないからな。
南米はブラジルですらあの様子だし、マフィアが蔓延り過ぎて手のつけようがないよね。大統領や政府自身が関わっていたりするし。メキシコもアメリカに農業がやられちゃって余計貧しい層が生まれた。メキシコを仲介したドラッグのアメリカへの流出もいたちごっこ。
その国に留まってもらうのが先進国にとって都合いいなら、いずれ国際的にこういう国の状況にメス入れていかなきゃいけないだろうな。援助とかNGOとかではなく。
3. 匿名処理班
「闇の列車 光の旅」って映画観たけど、現実はもっと悲惨なんだろうな
色々問題あるだろうけど、ほんとは恵まれすぎてるんだよ俺らはって感じさせる映画でおすすめです
4.
5. 匿名処理班
日本だから対岸の火事に見えるけど
実際に彼等のような立場になった時自分がどうなってしまうのか不安になるな
6.
7. 匿名処理班
※5
規模は違いますが、現状の我々日本人の問題でもあります。
「五島列島 不法入国」
あたりで検索しますと色々出てきます。