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論文のアブストは、突き詰めるとここまで短くなる - | Technity

論文のアブストは、突き詰めるとここまで短くなる

2014年8月11日 11:47 │Comments(0)

Written by くまむん

「論文」と聞くと、研究に馴染みのない人は小さな文字や複雑な数式・グラフが何ページにもわたって羅列されているイメージを思い浮かべる人も少なくないかもしれませんが、実はこうした論文のほとんどには、内容のポイントを簡潔に伝えるために「アブストラクト(アブスト)」というものが冒頭に記述されています。 

このアブスト、それまでに蓄積してきたデータや分析内容のポイントをいかに少ない文字数に凝縮できるか、ある意味で研究者の腕の見せどころといった部分があるのですが、今回は海外サイトで「世界一短いアブスト」として話題になっていた論文をご紹介します。

world-shortest-paper-abstract

上の画像は、2011年にイギリスのブリストル大学とインド工科大学の共同研究グループによって発表された論文(掲載誌はJournal of Physics A: Mathematical and Theoretical)の冒頭部分。

「Can apparent superluminal neutrino speeds be explained as a quantum weak measurement?(超光速ニュートリノの速度は量子弱測定によって説明可能か?)」という論文タイトルに対し、アブストでは「Probably not(恐らく不可能)」というわずか2語で応える形になっています。

詳しい内容については専門的すぎて筆者にも判りかねますが、どうやら素粒子物理に関する研究のようです。専門分野の中である程度コンセンサスのある事象がテーマになっていた場合は、こうしたシンプルな内容でも十分に伝わるのかもしれませんね。

しかし、世の中にはさらに上を行く猛者がいるようです。

「Does the one-dimensional Ising model show intermittency? (一次元のイジングモデルは間欠性を示すか?)」というタイトルがついた上記ツイートのリンク先の論文は、1992年にCERNの物理学者Dragan Hajdukovic氏らが執筆し、科学誌Nuclear Physics Bに掲載されたもの。なんと、アブストは「No」の一言で終わっています。

ここまでくるともはや単語数では勝負にならないため、さらに上をいくためには文字数で勝負をかけることになるわけですが、上の2つのアブストから得られるポイントは「論文タイトルを疑問文にすること」。

理解のあるボスを持つ研究者の皆さん、新記録にチャレンジされてみてはいかがでしょうか?

[@pickover(Twitter) via BoingBoing]

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著者

くまむん

くまむん

企業の研究所でR&D業務に携わっておりましたが、2013年4月をもって退職し、当サイトの専属となりました。Techinityはソース明示のポイントを抑えた解説を、Cul-Onはちょっとした小ネタ紹介的な内容にしていければと思っております。

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