ソフトバンクモバイルは、気球を利用したWiFiスポット「車載係留気球Wi-Fiシステム」を開発し、8月15日からのコミックマーケット86において導入します。
この気球を使った通信システムはそもそも災害用の通信手段として開発が進められていたものです。ソフトバンクではW-CDMA向けに開発したそのシステムに改良を加え、混雑によって通信しにくくなる夏のコミケでエリア対策を実施します。
車載係留気球Wi-Fiシステムは、車にこのシステムを載せて運搬し、会場で気球を揚げて地上数十mの高さからWiFi網を構築します。そもそも災害用に開発したシステムですから、会場到着後、約30分程度でサービス提供が可能で、車外に作業スペースも不要となっています。なお、今回の気球は災害用に開発したものとは別に新調したもので小型化しているそうです。
上空からWiFiエリアを構築するとともに、今回コミケでは5.6GHz帯空間分割マルチチャンネルという技術も使われます。これは複数の5.6GHz帯WiFiアクセスポイントで、帯域20MHz x 6チャンネルの通信を実現するものです。
一般的に複数のWiFiアクセスポイントは隣接チャンネル間で干渉を引き起こしますが、各指向性アンテナを異なる方向に向けることで電波干渉を軽減します。またアクセスポイントに繫がるユーザーを分散制御する機能や、通信したいユーザーを選別する優先制御機能などを搭載するといった効率化も図られています。
ソフトバンクではこれらの通信システムによって上空の気球で広範囲を、5.6GHz 帯の空間分割マルチチャンネル技術でピンポイントをエリア化する計画です。
「このほか」と書くべきか「一方そのころ」と書くべきかは迷うところですが、
コミケで無茶しがちなauは今年、弱虫ペダルでイベントを盛り上げるようです。同社はブースを出展するほか、わざわざ自転車を使ってスマートフォンを充電する装置も設置予定。
なおエリア強化という意味ではドコモを含め各社ともにコミケに取り組んでおり、人がアクセスポイントとなって会場を練り歩く通称:人間WiFiも実施します。