にこ「どうして……どうしてなのよ!」 穂乃果「穂乃果にはわからないよ……」
- 2: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 00:09:43.23 ID:ri2X+f200
にこ「ねぇ、希」
希「んーなんやにこっちー」
にこ「穂乃果とにこの違いって何だと思う?」
希「そやなー素直さ?」
にこ「あんたにいっちばん言われたくないんだけど……」
希「んでにこっち」
にこ「何よ」
希「急にどうしたん?」
にこ「……なんでもないわよ」フンッ
- 3: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 00:12:18.03 ID:ri2X+f200
にこ「ねぇ、絵里」
絵里「どうしたの?」
にこ「なんであんたはスクールアイドルになろうと思ったの?」
絵里「捨てたはずの情熱を……穂乃果に再燃させられたから……かな」
にこ「そっか……」
絵里「恥ずかしいじゃない。どうしたの?」
にこ「ううん、なんでもないわよ」
絵里「変なにこ」
にこ「興味本位よ、じゃあね」
- 4: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 00:18:49.72 ID:ri2X+f200
にこ「なんでにこと穂乃果ってぜんぜん違うのかな……」
一人きりの屋上で、考え事をする。
最近は決まって穂乃果のことばかり考えている。
にこ「なんでにこには出来なくて、穂乃果には出来たんだろう」
言うなれば、ただの嫉妬だけれど。
ねぇ、穂乃果。なんであんたはμ’sを作れたの?
- 5: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 00:27:06.54 ID:ri2X+f200
一年生の時、にこはとっても希望に燃えていた。
部員だっていたし、絶対にスクールアイドルで有名になるんだって思ってた。
A-RISEは凄かったし、尊敬もしていた。
一目惚れ……箱目惚れって言うのかな?
ああいうスクールアイドルになるんだって思ってたし、なれると信じてた。
初めてのライブだって、お客さん……居たからね。
穂乃果達よりはいいスタートだったはずなのに。
二年生になる頃には、にこは一人ぼっちだった。
- 7: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 00:33:27.05 ID:ri2X+f200
にこ「そんなに……にこって魅力がないのかな」
二年生になってから、生徒会長の絢瀬絵里、副会長の東條希にも声をかけた。
希は柔らかく断ってるし、絵里なんて見向きもしなかった。
それがどうだ。穂乃果たちがメインストリームになってからは二人ともμ’sの一員だ。
気に食わないわけじゃない。二人が入ってくれたことは嬉しい。
でも、じゃあなんでにこが誘った時に入ってくれなかったの?
廃校の危機じゃなかったから?
そうやって誤魔化すことも出来るけど、それじゃあにこが前に進めない。
- 8: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 00:47:43.59 ID:ri2X+f200
大体……穂乃果達はにこのライブを見てないのよね……
でもA-RISEに心を打たれて、穂乃果は廃校の危機を救うために……
スクールアイドルになったのよね。
……にこじゃ力不足だったのかな。
海未の弓道を見に行っていたから、にこのライブを見ていないって言い聞かせることは出来るけど……
にこ「悲しくなるわね、情けない……」ハァ
穂乃果「何が情けないの?」ヒョコッ
にこ「」ドンガラッガッシャーン
穂乃果「に、にこちゃん大丈夫!?」
にこ「え、えぇ……」
にこ(会いたくないタイミングだわ……)
- 10: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 01:03:25.64 ID:ri2X+f200
にこ(でも、せっかくだし……聞いてみようかな)
にこ「ねぇ、穂乃果一年前の話だけど……さ」
にこ「部活紹介の時はやっぱり弓道部を見に行ってたの?」
穂乃果「あー……あの日は確か……お店の手伝いだったかなぁ」
穂乃果「ことりちゃんは海未ちゃんを見に行ってて……」
穂乃果「緊張してた海未ちゃん可愛いって教えてくれた!」
にこ「海未は……そんなに人に囲まれるのが好きなタイプじゃないからね」
にこ(予想より斜め下だったけど、やっぱり見てなかったのね)
- 11: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 01:07:55.15 ID:ri2X+f200
穂乃果「じゃあ穂乃果も質問!」
にこ「はいはい、どうぞ」
穂乃果「うー! にこちゃん冷たいよぉ!」
にこ「あんたの熱に煽られるとなんだかねぇ」
穂乃果「改めて行くよっ!」
穂乃果「にこちゃんは今年の部活紹介……どうして何もしなかったの?」
にこ「」
穂乃果「にこちゃん?」
にこ(そう……なのよね。私今年してないのよね)
にこ「それは……」
穂乃果「それは?」ズイッ
にこ「教えないっ!」ダダッ
穂乃果「あ、にこちゃーん!」
にこ(言えるわけ……ないじゃないっ!)
- 22: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 22:57:28.33 ID:ri2X+f200
言えるわけがなかった。
活動を……辞めたわけじゃない。
夢を捨てたわけじゃない。
けど、もう一人じゃどうにもならなかった。
どんどん限界に近づく私の趣味は歪んでいた。
辞めていく他校のスクールアイドルを見て、私は笑った。
だってそうじゃない。
こんな境遇は自分だけじゃないって思えたんだから。
- 23: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 23:02:07.57 ID:ri2X+f200
こんな行為は最低だって思いながら、
PCに向かい他校のチェックは欠かさなかった。
その産物でグッズはどんどん集まって行ったのだけれど。
あの時は気づかなかったけれど、密かに部費って二年生の時にも減らされていなかったのね。
出来た時には五人居て……でも一人になっても減らないなんてよくよく考えたら変な話よね。
あぁ、あいつか。こっそり支えてくれてるのね。
- 24: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 23:06:42.31 ID:ri2X+f200
……理想と現実が違うことをつくづく思い知らされた。
きっと、何かがきっかけでブレイクするんだっておぼろげながら思ってた。
そんな夢があったのに、グループが壊れるなんて思ってもみなかった。
A-RISEと肩を並べたいって、スクールアイドルやってたら誰でも思う夢じゃないのかな。
そのために、私は作詞や作曲も勉強して、衣装も作って、振付けもマスターして、皆を幸せにしたかった。
拙くても、一人で頑張ってた。
やる気のある私が一番努力して、引っ張っていくなんてあたりまえのことでしょう?
- 25: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 23:11:15.97 ID:ri2X+f200
あたりまえ、って自分の中だけだったんだって。
初ライブの頃には五人から三人に。
でも、初ライブよ? お客さんも少なかったけど見に来てくれたし最高のパフォーマンスをしなくっちゃね!
駈け出した最初のステージはとても輝いていて、
パラパラとだけど拍手が温かったのを覚えてる。
二人も私と同じ気持ちなんだって、思ってた。
……次の日二人は居なくなった。
恥ずかしかったんだってさ。あはは。
ダメ元でも、仲間を増やそうとしたけど、仲間なんて増えなかった。
だから、私は一人でも頑張ろうって決めたんだ。
- 26: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 23:14:42.07 ID:ri2X+f200
目標のA-RISE遥か遠くに。
二年生のライブの時は、お客さんが減っていて……
でも、見に来てくれた人には精一杯の感謝を。
後ろを見ても、支えてくれる人なんて居やしない。
一人って結構辛いのね。この時には慣れてたけど。
この日から、私は活動を停止した。
心がぽっきり折れちゃった。
私なんかじゃ、人を幸せにすることが出来ないなんて、諦めちゃったんだ。
- 27: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 23:18:17.29 ID:ri2X+f200
だから、部活紹介の時……穂乃果たちのダンスを見た時は驚いた。
ほんっとにキレがあるとは言いがたく、
上手いなんてお世辞すら言えない踊りだった。
ただ、そこには忘れていた……いやあの日においてきた、情熱がそこにはあったんだ。
不覚ながらも私は、心を動かされちゃったんだ。穂乃果たちに。
にこ「情けないわねぇ……」
夢を捨てないって思いながら、
遠ざけていたのは自分なんだから。
- 28: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 23:24:16.67 ID:ri2X+f200
穂乃果「に、にこちゃん!」
にこ「あーもう逃げないから安心して」
穂乃果「じゃあ教えてもらうよ……!」
にこ「質問を質問で返すけど……」
聞かずにはいられない。
にこ「にこのこと、どう思ってる?」
私が本当にここに居ていいかの確認。
部室が欲しかったから、なんて言われたら泣いちゃいそうだけど。
- 29: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 23:27:21.93 ID:ri2X+f200
穂乃果「一年生みたい!」
穂乃果「ちっちゃい!」
穂乃果「うーん! うーん……リトル!?」
にこ「ラブにこビンタ!」バシーン
穂乃果「いったぁ!?」
にこ「真面目に答えなさい!」
穂乃果「アイドルのお手本かなぁ」
にこ「……穂乃果にはそう見えてるの?」
穂乃果「うん、にこちゃんってアイドルのことなら誰よりも詳しいから!」
穂乃果「心構えとかすっごく参考になるなって!」
良かった。まずは一安心。認められるって嬉しいのね。
- 30: ◆S54RkZf7aI:2014/08/10(日) 23:36:31.03 ID:ri2X+f200
でもそのことを踏まえて。
にこ「ねぇ、穂乃果。μ’sをどうして作れたの?」
穂乃果「海未ちゃんやことりちゃんも一緒だったからかなぁ」
にこ「なんで……海未とことりは穂乃果と一緒にずっと居たの?」
私と一緒にライブをやった二人は離れていったのに。
穂乃果「そ、それは海未ちゃんとことりちゃんに聞かないと……」
納得が全然できない。知りたくて仕方ない。
にこ「どうして……どうしてなのよ!」
穂乃果「にこちゃん……?」
にこ「あの時は! 情熱だけなら穂乃果には負けてない! なのにどうして出来なかったのよ……!」
にこ「穂乃果にはどうして出来たのよ……」
感情が抑えきれない。理不尽すぎる怒りのぶつけ方だ。そんなことはわかってるけど聞きたいの。
穂乃果「穂乃果にはわからないよ……」
穂乃果「…………あ」
にこ「思い当たる節があるの……?」
穂乃果「……うん、とっても恥ずかしいけどあったよ」
- 45: ◆S54RkZf7aI:2014/08/13(水) 22:38:07.94 ID:mi+TObAKO
にこ「恥ずかしいって何よ……」
穂乃果がすっごい言いにくそうにしている。
穂乃果「えぇ~言わないとだめ……?」
にこ「当たり前でしょ!」
もったいぶらないで早く教えなさい!
穂乃果「それはー穂乃果が……」
穂乃果「何も出来ないからじゃないかな……?」
にこ「……はぁ?」
え、なに、それ。
- 46: ◆S54RkZf7aI:2014/08/13(水) 22:41:47.60 ID:mi+TObAKO
にこ「意味分かんない!」
穂乃果「おぉー真姫ちゃんみたい!」
にこコメント一覧
-
- 2014年08月14日 10:48
- まあ主役やなかったからとしか言いようがない
あとにこには学園内に幼馴染とかおらんしなー。生徒会コンビは気づいてたけどシカトしたと二期で言うとるし
-
- 2014年08月14日 11:45
- ※1
カリスマ性とか性格ってのは割と二人似てる気がするわ
やっぱり致命的に違うのって幼なじみ二人の存在な気がするわ
3話とか穂乃果一人だけだと心が折れてそう
-
- 2014年08月14日 11:51
- でもにこは小学生の時から地道に頑張ってたようだからコアなファンが多いかもしれない
-
- 2014年08月14日 11:56
- アイシールドでいうと穂乃果はアゴンタイプ。にこは雲水タイプ
-
- 2014年08月14日 13:39
- 穂乃果がヒル魔でにこが阿含とか葉柱のほうがしっくり来る気がする
-
- 2014年08月14日 13:51
- まあ主人公じゃなかったからこそにこは高校卒業すればアイドルとして大成しそうな雰囲気出してるしどっちもどっちだよなぁ
-
- 2014年08月14日 14:45
- 個性と行動力で周りをリードする穂乃果と強かで努力家なにこ
-
- 2014年08月14日 16:09
- 幼馴染みがいるかどうかが大きいよな
どっちも情熱度高いし、それを回りが受け止められるかどうかで
受け止められる幼馴染みがいたのが穂乃果で、受け止められずに回りがいなくなってしまったのがにこ
-
- 2014年08月14日 18:25
- にこに関してはキャラたってるから別にいいじゃん
花陽とかいう空気キャラもいるんだぜ…
-
- 2014年08月14日 19:05
- にこは自分一人だけで何とかしようとしたのが悪かったんじゃないかな
みんなで叶える物語って言ってるし、元部員の退部を引き止めるとか、のぞえりを強引にでも引き入れるとかしていれば変わってたと思うよ
-
- 2014年08月14日 20:09
- 海未かことりのどっちかがいなかったら何処かで詰んでたような気がするな。
にこは人に頼るのが苦手な感じがする。家族にも甘えてなさそうだし。そこが違いかなと思う。
-
- 2014年08月14日 23:08
- 穂乃果って、一期を見れば明らかだが、意外と周りを見れる子だからなぁ、そこが失敗したにことは大違い
そして、一期終盤では穂乃果は周りが見えなくなっていたから解散しかけた。
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それに加えて性格の違いも致命的、、