『月刊少年ガンガン』連載、「とある魔術の禁書目録」の84話
土御門とステイルを失うも(死んでないって)何とかオリアナを倒した当麻。さぁ後は『使途十字(クローチェディピエトロ)』を奪ってしまえばいいと見回すもどこにも無い。ならばオリアナに訊こうと思ったら別の声が聞えてきました。呪札を介して黒幕であるリドヴィアの登場です。その言葉に絶句する当麻たち！
　『使途十字』は現在学園都市にはありませんので

言葉の通りにリドヴィアは学園都市の外、1700mの位置に居ました。『使途十字』を使うにあたって学園都市を支配下に置くには、なにも都市の中で発動しなければならないわけではない。学園都市の外にありながら都市全体を巻き込むポイントがあればいいのですから。

過去に『使途十字』を発動させた中で最大の効果があったものは四万七〇〇〇平方キロメートルだったという。計算したところ約217km四方になります。つまり関東中心部のほぼ丸ごと全ての面積が一瞬にしてローマ正教の支配下になったということに。
　やられた…!!　オリアナは…最初から囮だったんだ!!
そう、オリアナは行動的にも悩まし気なスタイルからも絶好の囮だったのです。悪く言えば 捨て駒。けれどそれはオリアナ自らが望んだこと。献身的に務めたところで結果的に報われないことを知ってしまったオリアナは、"絶対の基準点"を作りたいために犠牲となってまでも『使途十字』を発動させたかったのだから！

勝ち誇ったようにリドヴィアは語る。
「我々は貴方達を受け入れます。学園都市の破壊はしません」
「この大覇星祭というくだらない祭典を"科学"が"教会"に屈するための素晴らしきデモンストレーションの場にする」
などと言いたい放題。ステイルは土御門を呼んでリドヴィアの位置を探ろうとしますがタイムリミットまで2分を切りました。今からではどうやっても間に合うわけがありません。絶望に沈むステイル。当麻も同じ気持ちながら最後の切り札を考えます。この状況をひっくり返す策を…

その中で何かを見出したようで携帯を取り出します。画面に出たのは大覇星祭のスケジュール表。リミットである6時半からのスケジュールを見てみれば──
あと四〇秒となって繰り返し勝ち誇った弁のリドヴィアに、当麻は言い返します。
　　確かにもう おしまいだな
　いくらテメェの幻想をぶち殺せたっつってもよ

6時半、夜空を明るく照らすナイトパレードの花火が一斉に幾重にも打ち上がります。これでは星の光を利用しての『使途十字』は起動しない！　逆に驚く立場になったリドヴィアです。
「くだらねぇ祭りだなんてバカにしてたけどな　お前はみんなが作り上げた光に負けたんだよ」
　大覇星祭の主役が誰なのか調べておくべきだったな──!!

失敗し追われる立場となったリドヴィア。『使途十字』を壊しさえすれば許すという当麻に対し、敬虔なローマ正教徒たる身からして無理とします。

ならば追撃するしかねーなと立ち上がる三人。土御門とステイルは満身創痍ながら、立場が逆になったからには殺る気満々！　次回は大覇星祭編 最終回。リドヴィアにドクロベエ並みのおしおきが待ってることは間違いないだろう。　つづく