広島市北部で20日未明に発生した土砂災害では、今も多くの住民らが行方不明になっている。
生存率が大幅に下がるとされる「発生から72時間」が迫る中、被災地では22日朝から雨が断続的に降り、捜索は何度も中断した。
「早く捜し出して」と焦りを募らせる不明者の家族ら。生存を信じて、兄弟の携帯電話を鳴らし続ける人もいた。
約40人が行方不明になっている安佐南区八木。土砂崩れで2階建てアパート「ルナハイツ」(4室)が1棟ごと流された現場では、
行方が分からない1階の住人、湯浅康弘さん(29)と妻みなみさん(28)の両親ら家族6人が雨の中で捜索を見守った。
家族らによると、2人は昨年10月に結婚し、今年11月に男の子が生まれる予定だった。康弘さんは元高校球児でマッサージや整体の仕事をしており、
将来は独立してみなみさんと店を持つのが夢だった。
弟の健治さん(26)は「今でもすっと元気な姿で出てくるんじゃないかと思ってしまう」。
父の吉彦さん(61)=広島県三次市=は「早く元気な姿が見たい」と話し、捜索が始まると涙を浮かべた。
みなみさんの父、若松順二さん(51)=香川県東かがわ市=は災害の発生直後、
避難所や病院を回った末に現場を目の当たりにし「建物が跡形もなくなっている」と絶句。「奇跡を信じて無事を祈りたい」と話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140822-00000137-mai-soci