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扇風機「そろそろ秋ですねぇ」【前編】【後編】
201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 02:21:17.76 ID:SW+67L61O
〜???〜
職員「着きましたよ。男さん」
男「・・・・・はい」
職員「この前お会いした時も思ったのですが、」
職員「あまり顔色がすぐれない様なのですが・・・・」
男「・・・・・」
職員「それも、この前よりずっと・・・・」
男「ただの風邪ですよ」
職員「・・・そうですか」
男「そうです」
206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 02:27:52.82 ID:SW+67L61O
男「それにしても、ずいぶん広いですね」
職員「もちろんです、」
職員「日本最大のゴミの埋め立て地ですからね」
男「ほう、ここがそうなのですか」
職員「そうなのです。もしここで見つからなければ、」
職員「日本中を探しても見つからないと断言しますよ」
男「・・・では行きますか」
職員「はい行きましょう」
209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 02:40:18.92 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん…………………)
セン「ご主人様遅いな・・・・」
セン「・・・・・」
セン「ご主人様が元気な頃と同じ『時間』なのに・・・・・」
セン「どうして・・・・」
セン「こんなにも長く感じるのでしょうか・・・」
セン「不思議です・・・・」
212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 02:48:00.63 ID:SW+67L61O
〜某ゴミ埋め立て地〜
職員「見つかりませんね・・・」
男「そうですね」
職員「私が男の人ならもっと・・・」
男「職員さんのせいではありませんよ」
職員「・・・・・、」
職員「・・・・だいぶ日も落ちてきましたね」
男「もう少しだけだけ頑張ります」
職員「では私も頑張ります」
男「助かります」
職員「どういたしまして」
214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 02:56:23.18 ID:SW+67L61O
〜移動中、車内〜
職員「・・・・」
男「・・・・・」
職員「男さん・・・」
男「はい」
職員「帰り、男さんの家に上がらせていただいてよろしいですか?」
男「はい」
職員「男さんがこれ程大切に想われてる扇風機を、
一度見せてほしいのです」
男「もちろんです。ご飯も食べていって下さい」
職員「お世話になります」
男「いえいえ」
222: お待たせしました 2008/08/28(木) 03:25:13.30 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん…………………)
セン「・・・・・・」
(がちゃ)
男「ただいま」
職員「おじゃまします」
セン「おかえりなさいませ・・・
あれ?ご主人様、こちらの女性は・・・」
職員「へっ・・・?」
男「こちらは職員さんです」
セン「初めまして、センと申します」
職員「は、初めまして職員です・・・?」
男「あ、すみません職員さん。お話しするのを忘れてました」
職員「・・・??」
224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 03:31:47.10 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん…………………)
職員「それにしても驚きました」
男「すみません」
職員「いえいえ」
男「実はセンの声が自分にしか聞こえないのではないかと
悩んだ時期もあったのですが、」
男「これで安心しました」
セン「よかったですね、ご主人様」
男「よかったです」
226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 03:39:52.63 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん…………………)
男「セン」
セン「はいご主人様」
男「少しこっちを向いてくれないか」
セン「すみません、自分の力ではもう・・・」
男「・・・そうでしたね、すみません」
セン「気になさらずに」
(すっ・・・)
職員「・・・・・・」
職員「(本当に・・大切に想ってるんだなぁ・・・)」
職員「(お互いに・・・・・)」
229: >>227 おやすみなさい 2008/08/28(木) 03:46:35.18 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん…………………)
男「かきかき」
セン「・・・」
職員「・・・」
男「かきかき」
セン「ご主人様、何をされているのですか?」
男「センの絵を書いているのです」
セン「私のですか?」
男「私のです」
セン「そうですか」
男「かきかき」
男「かきかき」
232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 03:58:36.16 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
セン「ご主人様が絵を描かれるのも久しぶりですね」
男「そういえばそうですね。かきかき」
職員「以前はよく描かれてたのですか?」
男「はい、会社員になる前は画家として活動していたのです。かきかき」
職員「知りませんでした。すごいです」
男「いえいえ、無名の新人ですので。かきかき」
男「かきかき」
男「かきかき」
234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 04:05:13.00 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「下書きが完成しました」
セン「おつかれさまです」
男「いえいえ、これからです」
職員「少し休憩されますか?簡単なご飯なら作れますが」
男「いえ、このまま続きを、色塗りを始めます」
職員「そうですか、頑張ってください」
男「頑張ります」
男「ぬりぬり」
男「ぬりぬり」
236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 04:09:24.79 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「ぬりぬり」
男「ぬりぬり」
職員「聞きたいことがあるのですが」
男「なんでしょうか。ぬりぬり」
職員「どうして画家を辞めてしまったのですか?」
男「それはですね。ぬりぬり」
セン「実は私も気になってました」
男「そうですか。では描きながら話します。ぬりぬり」
237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 04:15:06.77 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「どんなに美しい風景を見ても」
(ぬりぬり・・)
男「どんなに美しい人を見ても」
(ぬりぬり・・)
男「どんなに美しい花を見ても」
(ぬりぬり・・)
男「描きたいと思えなくなってしまったのです」
(ぬりぬり・・)
セン「・・・・・」
職員「・・・・・」
241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 04:22:54.83 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
職員「絵が嫌いになってしまったのですか?」
男「いえ、今でも好きです。・・・ただ」
職員「ただ?」
男「描きたいと思えるものが、一つだけになってしまただけです」
職員「てはそれを描けばいいのでは?」
男「・・・・・」
男「扇風機しか描けない画家なんて、笑い話にもなりませんよ」
職員「・・・・・・!」
セン「・・・・・・・」
(ぬりぬり)
(ぬりぬり)
248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 04:33:29.68 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「よし、完成です」
職員「おつかれさまです」
セン「おつかれさまです」
男「いえいえ」
セン「さっそく見せて頂けますか?」
男「もちろんです。職員さんもご一緒にどうぞ」
職員「として楽しみです」
男「恐縮です。では・・・」
(すっ・・・)
252: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 04:40:52.28 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「どうでしょうか」
セン「とても・・とてもきれいです・・・」
職員「私もそう思います」
男「女性の絵を綺麗に描くのは画家の基本です」
セン「えっ・・・・?」
職員「センさんは女性だったのですね」
セン「・・・・・」
男「あれ?こちらが正解だと思ったのですが」
セン「・・・・・・」
255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 04:46:36.47 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
セン「それは・・・」
男「うんうん」
セン「それはまだ秘密です」
男「それは非常に残念です。
でもセン・・・・」
セン「はい」
男「・・・いえ、何でもないです」
職員「では休憩を入れますか」
男「・・・そうですね」
261: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:00:14.00 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
(とんとん)
(とんとん)
職員「卵を2つとって頂けますか」
男「了解です」
(とんとん)
男「料理、お上手なんですね」
職員「いえいえ」
男「いい奥さんになれますよ」
職員「いえいえ」
セン「・・・・・・」
(とんとん・・)
(とんとん・・)
266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:07:02.87 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
セン「(お二人の並んでる姿・・・)」
セン「(新婚さんみたいです・・・)」
セン「(・・・・・・・)」
セン「(扇風機が嫉妬なんて・・・)」
セン「(笑い話にもなりませんね・・・)」
セン「(それも、壊れかけの扇風機が・・・・)」
セン「・・・・・・・」
(とんとん)
(とんとん)
268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:11:50.60 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「ごちそうさまでした」
職員「おそまつさまです」
セン「・・・・・」
男「では失礼ながら少し席を外します」
職員「気にならさずに」
セン「・・・・・・」
270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:22:42.23 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「ごくごく」
職員「何を飲まれてるのですか?」
男「サプリメントです。ごくごく」
職員「健康を気にされるとは以外です」
男「若い内からのお肌のケアが重要なのです」
職員「勉強になります」
男「いえいえ」
セン「・・・・・・」
272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:25:33.87 ID:SW+67L61O
(ぶっ………………)
(ぶ〜ん……………………)
(ばたっ・・・・・)
274: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:27:01.50 ID:VsJllyVtO
( ゚д゚ )!!!!
275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:28:03.73 ID:FmrNOx22O
え? セン・・・・・
(´・ω・`)やだよぉ・・・
277: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:33:26.28 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
職員「男さん・・!男さん!!」
男「・・・・・あれ・・・半年は・・・持つって・・・」
職員「今救急車を呼びました!頑張ってください!!」
男「・・頑張り・・・ます・・・」
セン「ご主人様・・ご・・・ご主人様ぁ!!!!」
男「セン・・・・・・」
男「・・・セン・・・・・・・・」
男「・・・・・・セン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
280: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:37:07.97 ID:FmrNOx22O
(´;ω;`)センじゃなくてよかったと思いつつどちらにせよツラい
285: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:45:25.89 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「職員・・さん・・・・」
職員「・・・・・・」
男「・・少しだけ・・・・目をつぶって頂けますか・・・・・」
職員「・・・・・・」
男「・・泣きながら・・・扇風機に抱きつこうとしている男なんて・・・・、」
男「変態さんにしか・・・見えませんから・・・・・」
職員「そんなこと・・・ないです・・・・」
男「ありがとう・・・ございます・・・・・」
セン「・・・・・・・」
290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 05:58:32.61 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「セン・・・・・・」
セン「・・・・・はい」
職員「・・・・・・・」
男「・・たぶんこれから病院で・・・・」
セン「・・・・・はい」
男「・・手術を受ける・・・・ことになる・・・・」
セン「・・・・・はい」
男「・・たぶん成功率は・・・1割未満だ・・・・」
セン「・・・・・はい」
職員「・・・・・・・」
379: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 15:29:02.59 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「セン・・・・・」
セン「はい」
男「それでもお前は・・・・」
セン「はい」
男「私の帰りを・・待ってくれますか・・・・?」
セン「もちろんです。ご主人様の帰りを待つのは
家電製品の基本です」
男「センは優しいですね」
セン「この『優しさ』は・・・きっと、ご主人様から学んだことです」
男「そうですか」
セン「そうですよ」
382: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 15:36:10.40 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
(ピーポーピーポー…)
セン「救急車の音ですねぇ」
男「だねぇ」
セン「そろそろお別れですね」
男「だねぇ」
セン「寂しいですか?」
男「いや別に」
セン「そうですか、ではそんなに泣かないでください」
男「そちらこそ」
セン「私が泣けるはずなどありません」
男「いえいえ、泣いていますよ大泣きです」
セン「そうですか」
男「・・そうですよ・・・・・・・・」
386: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 15:50:20.14 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
セン「ご主人様」
男「なんでしょう」
セン「本当は病院までご一緒したいのですが・・」
男「・・・・・・」
セン「一度止まってしまうと、」
セン「おそらくもう二度と動けなくなってしまいます」
男「・・・そうですか」
職員「・・・・・」
職員「男さん。救急車が着いたようです」
男「・・・・・」
男「はい・・・・」
389: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 15:58:06.74 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
男「では行ってきます」
セン「いってらっしゃいませ」
男「少し・・帰りが遅くなりそうです」
セン「お待ちしております、」
セン「・・・ご主人様。最後に風鈴を、私の前につけてくれませんか?」
男「もちろんです」
セン「助かります」
男「いえいえ」
(チリン……チリン…………)
(チリン………………)
394: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 16:08:47.33 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
セン「ご主人様、私の秘密を話します」
男「どうぞどうぞ」
セン「私、『女性』がいいです」
男「センは『女性』というより『女の子』が似合いますね」
セン「そうですか」
男「はいそうです。・・ではまた・・・・」
セン「・・・・お気をつけて」
(がちゃ………)
(ばたん………)
397: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 16:19:32.55 ID:SW+67L61O
(ぶ〜ん……………………)
(チリン…………)
(チリン………………)
(チリン……………………)
(チリン……………………………………………………………………………)
399: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 16:25:30.96 ID:SW+67L61O
(ぶん………ぶん……………ぶん………………)
セン「・・・・・・」
セン「あれから何日たったのでしょうか・・・」
セン「・・・・・」
セン「ご主人様からいただいた風鈴も・・・・」
セン「鳴らせなくなって・・・しまいましたね・・・・・・」
セン「・・・・・・・」
(ぶん……………)
(ぶん………………………)
403: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 16:32:40.97 ID:Oruro8mfO
セン……セン……(´;ω;`)
404: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 16:37:06.26 ID:SW+67L61O
〜病室〜
職員「おはようございます」
男「・・・・・・」
職員「おはようったらおはようございます」
男「・・・・・・」
職員「・・・・・、」
職員「男さん・・・」
職員「いったい何日眠れば気がすむのですか・・・・・」
職員「・・・・・・」
職員「・・男さん・・・・」
男「・・・・・・・」
407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 16:45:06.87 ID:SW+67L61O
職員「あなたのお家で・・・・」
職員「あなたの帰りを待っている『大切な人』が・・・・」
職員「いるではないですか・・・・・」
職員「・・・・・・」
男「・・・・・・・」
(ぴくっ…………)
415: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 16:58:32.97 ID:SW+67L61O
職員「調子、良くなりましたね」
男「おかげさまで」
職員「顔色も、とてもよくなりました」
男「おかげさまで」
職員「ご自宅からパジャマを持ってきましたよ」
男「いたせりつくせりですね」
職員「いえいえ」
男「・・・・・・・」
職員「・・・・・・」
男「センは・・・どうしていましたか・・・・?」
職員「・・・・・・・」
421: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 17:12:03.35 ID:SW+67L61O
職員「『闘って』・・いました・・・」
男「・・・・・・」
職員「お声をかけてみたのですが・・・、」
職員「聞えないようでした・・・・」
男「・・・・・・」
職員「回って・・ましたよ・・・、」
職員「ものすごく頼りなく・・・でも、何よりも力強く・・・・」
男「・・・・・・・」
職員「『頑張れ・・・頑張れ・・・・』と、
ご自分に言い聞かせながら・・・・・・」
男「・・・・・・・」
424: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 17:15:12.42 ID:2SWRUnLE0
くそっ・・・扇風機に涙目にさせられるなんて・・・
430: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 17:19:34.32 ID:SW+67L61O
男「センに・・・・」
職員「・・・・・・」
男「センに会いたいです・・・・・・」
職員「男さん・・・・」
男「・・わかっています・・今会えないことは・・・、」
男「わかっているから・・・辛いのです・・・・」
職員「・・・・・、」
職員「リハビリ・・・頑張りましょう・・・・」
男「・・頑張ります・・・頑張りますとも・・・・・」
436: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 17:30:05.53 ID:SW+67L61O
(がっ…………がっ……………がっ………………)
セン「・・・・・・」
セン「もう羽も・・・回せないのですか・・・・・・・」
セン「情けない・・・」
セン「・・・・・・・」
セン「情けない・・・・・・・・・・・」
(がちゃ………)
441: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 17:37:22.98 ID:SW+67L61O
(がっ…………がっ……………がっ………………)
男「・・・ただいま」
セン「・・・・・?」
男「・・・ただいま」
セン「ご主人・・・様・・・・?」
男「・・・親愛なるご主人様ですよ」
セン「・・・・・・!」
セン「おかえりなさい・・・」
セン「おかえりなさい・・ませ・・・・!」
男「・・・うんうん」
職員「・・・・・・・」
449: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 17:49:26.76 ID:SW+67L61O
(がっ…………がっ………………がっ………………)
セン「ご主人様・・・私はもうすぐ止まります・・・・・」
男「そんなことないですよ。大丈夫です」
セン「・・『素直が一番』だと教えてくれたのは・・ご主人様ですよ・・・・・・・・?」
男「・・・・・・・・」
セン「私はもうすぐ・・・止まります・・・・」
男「・・・・・・・」
男「・・わかりたくはありませんが・・・・」
男「わかっています・・・・・」
セン「・・うんうん・・・・・・・」
451: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 17:54:36.60 ID:7DtVTwkcO
えぇい!まだ部品は見つからぬのか!!
453: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 17:55:51.36 ID:lCFp8IwIO
部品はまだかあああああああああああああ
456: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 17:57:21.81 ID:DFP0qcWnO
下町の部品工場を探せーい
458: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:01:04.73 ID:SW+67L61O
(がっ……………がっ……………………がっ……………………………………)
セン「・・ご主人様・・・・」
男「・・・・・・・」
男「・・・なんでしょうか・・」
セン「・・・・・・、」
セン「最後に・・・一つだけお願いをしても・・・・」
セン「・・よろしいでしょうか・・・・」
男「・・・なんなりと」
セン「・・くすくす・・・・・・・・・・」
464: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:12:31.22 ID:SW+67L61O
(がっ……………がっ………………………がっ……………………………………)
セン「・・私の前で・・風鈴を持ってほしいのです・・・・・」
男「・・・・・・」
セン「・・大丈夫です・・回ります・・・ご主人様が帰ってこられるまで・・・、」
セン「力を・・・温存していたのです・・・」
男「・・そのようには・・・見えません・・が・・・・・・」
セン「・・大丈夫ったら・・・・大丈夫なのです・・・・・」
男「・・・わかりました」
(すっ…………)
465: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:14:08.03 ID:7DtVTwkcO
まわれえええええぇぇぇぇっ
466: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:19:50.90 ID:WcixMrJB0
セン頑張れ(´;ω;`)
467: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:20:08.45 ID:XNCqOJRo0
がんばれがんばれ!!
468: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:20:35.23 ID:odg06ANg0
がんばれ!!!!!!せん!!!!!!
474: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:29:08.63 ID:SW+67L61O
(がっ………………がっ…………がっ……)
(…………………ぶん…………ぶん…………ぶん……)
(ぶん……ぶん…ぶんぶん)
(ぶ〜ん…………)
(ぶ〜ん……)
(ぶ〜ん)
(ぶ〜〜ん)
(チリンチリーン……)
(チリーン……)
477: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:30:38.69 ID:1g2xgX3EO
鳴った!
481: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:34:53.60 ID:SW+67L61O
(チリンチリーン……)
(チリーン………)
(チリンチリーン……)
(チリーン………)
(チリン……チリーン)
(チリーン……………)
(チリーン…………………)
(チリン………………………)
(……………………)
(………………………)
(…………………………)
486: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:38:35.15 ID:SawLRV8WO
まさか扇風機に泣かされると思わなかった。
人生って本当に分からないものだな
489: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:40:45.68 ID:TIhq1gDz0
日本だから、こんな話ができる
500: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:46:17.62 ID:1g2xgX3EO
扇風機と男のいる風景が浮かぶよ
ばぁちゃんの家にあった古い扇風機を思い出す。羽は青くて、錆びたカバーの。
502: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:46:48.45 ID:SW+67L61O
(…………………………)
(……………………)
(………………)
(…………)
(……)
510: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:52:39.46 ID:SW+67L61O
515: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 18:56:45.78 ID:SW+67L61O
??「・・・さま、」
??「お父様お父様」
525: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:07:40.28 ID:SW+67L61O
??「お父様ったらお父様」
男「ん?なんでしょう」
??「なんでしょうではありません、なんどもおよびしたのです」
男「それは失礼」
??「いえいえ、」
??「かんがえごとをされてたのですか?」
男「・・・はい、少しだけ昔のことを」
??「そうですか」
男「そうですよ」
532: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:12:23.07 ID:SW+67L61O
(こんこん)
女「入りますよ、男さん」
男「はいどうぞ」
女「では失礼」
(がちゃ)
??「にこにこ」
女「おや、こちらにいたのですね」
??「こちらにいたのです」
女「そうですか」
??「そうですよ」
539: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:17:35.22 ID:SW+67L61O
(ぎゅ……)
女「どうして腕にしがみつくのです?」
??「にこにこ」
女「まったく、閃(セン)は甘えん坊な娘さんですね」
閃「にこにこ」
544: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:23:32.10 ID:SW+67L61O
(とんとん)
(とんとん)
男「あいかわらず料理がお上手ですね」
女「いえいえ、」
女「いい奥さんにはなれましたか?」
男「もちろんです」
女「そうですか」
男「そうですよ」
閃「にこにこ」
女「男さん、卵を3つとって頂けますか」
男「了解です」
〜終わり〜
548: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:24:58.60 ID:uMo4aGlwO
>>1乙! 泣いたぜ!
550: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:25:06.52 ID:Xv/GN2kS0
乙。娘の名前はセンからとったのか
552: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:25:20.15 ID:2G+UtDOMO
なんと…
>>1乙
泣かせてもらった(´;ω;`)
558: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:26:19.59 ID:2SWRUnLE0
>>1超乙
最高だったぜ
559: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:26:19.26 ID:WkMzOY1KO
>>1ありがとう
マジで良い話だった
562: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:26:56.16 ID:ifnOIj26O
すばらしい良スレ
乙でした
570: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:29:40.01 ID:7yFKs0d+0
万物に神が宿るとされる神道がある国に産まれてよかった
579: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:34:47.32 ID:SW+67L61O
おつかれさまです
>>1です
真面目にSSを書かして頂いたのは実は今回が初めてです
保守などの支援をして頂いた方
真剣に読んで頂いた方
本当にありがとうございました
585: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 19:37:18.26 ID:5RcNVFuKO
やべ、冗談抜きで泣いた
631: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/28(木) 20:25:12.70 ID:JSDCSSxuO
>>1超乙
今読み終わったよ
年とると涙腺が弱くて困る・・・
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第一職員がそんなことのためにイチイチ時間割くわけないだろ、アホかwwwwwwwww
…泣いた