ネット画像をかき集めて見えた、オレンジ色に広がる世界
インターネットはオレンジ色?
ネット上には毎日、いや毎秒のように、さまざまな写真や画像、GIF動画なんかがアップロードされていますよね。そのひとつひとつを見ても誰かのFacebookアカウントのプロフィール写真だったり、日常の光景を切り取ったInstagramの写真だったりとなんの変哲も無いように思えます。
ディズニーのインタラクティブラボでアプリケーション開発のディレクターでありパズルが大好きなJim Bumgardnerさんは、そのなんの変哲も無い画像たちをいじっているうちに、インターネットの七不思議のひとつと言っても過言でもないような、とんでもない発見をしてしまいました。
Bumgardnerさんは画像共有サーヴィスのFlickrが誕生して間もない2005年ごろ、そこにアップロードされた写真、特に正方形の枠の中に円形に切り取られた写真が配置されているような画像を組み合わせたり、コラージュを作ったりして実験を行っていました。そんな時、いくつかの写真を1つの画像になるように平均を取って重ねあわせると、どんな写真を組み合わせてもぼんやりとしたオレンジ色が現れることを発見したんです。
「ブロンズ・シールド(Bronze Shields)」とよび、Flickrに投稿しました。
その後、Bumgardnerさんは写真だけでなく、合成で作られたデジタル画像などで同じ実験を試みたのですが、オレンジ色には変わりありませんでした。
また円形の画像に限らず、通常の長方形の写真を重ね合わせただけでもオレンジ色になるのですが、画像の中心の方がその効果が強いようです。
その原因はただ人間の錯覚なのか、桃色の肌の人が多いのか(少なくとも日本人は黄色人種ですが)、みんな夕日の写真が好きなのか、Instagramのフィルターの好みなのか。
この発見は約10年も前のことなのですが、実は今になってもその詳しい仕組みは解明されていないそうです。画像処理の論文にするには良いトピックかもしれませんね。より詳しく調べたい方はBumgardnerさんの論文を参照してみてください。
source: The Atlantic, Co.Design
(徳永智大)
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