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シーゲイトが世界初の8TB HDDを発表、サンプル出荷中。年内発売予定 - Engadget Japanese


Seagate が、世界初となる8TB版3.5インチHDDを発表しました。価格や型番、その他の仕様などは明らかにされていませんが、接続インターフェイスがシリアルATA 6Gbpsである点は公開されています。また出荷時期に関しては、現在は限定数量のサンプルを大口ユーザーへ出荷している状態で、第4四半期(10~12月)に出荷先を拡大すると発表しています。

ハードウェア系情報サイトvr-zoneでは、7月に開催された同社の決算発表において、CEOのStephen J. Luczo氏が主要顧客に向けて8TB版HDDのテストサンプルの出荷をしているとコメントした件を報じていますが、今回の発表はこれを追認した形です。

これまでシーゲイト製HDDで最大容量となるのは、4月に発表されたEnterprise Capacity 3.5 HDDの6TB版だったため、生産数に差はあるとはいえ、わずか4か月ほどで容量を2TB拡大したことになります。

さて謎なのは、プラッタの容量と枚数でしょう。今回のリリースでは未公表ですが、8TBという容量から想定できるのは、1.33TBプラッタx6枚か、1.2TBプラッタx7枚(この場合、余った0.4TB分の容量はファームウェア上で切り捨てます)といった構成です。なおEnterprise Capacity 3.5 HDDの6TB版は1TBプラッタx6枚構成。

ただしこれは両方とも、技術的な難度はかなり高いもの。前者の1.33TBプラッタ採用説の場合、非常に高精度なプラッタ製造技術や、読み書きヘッドの制御技術が必要になります。



対して7枚プラッタ説の場合、組み立て精度の向上や、内部の高密度化による冷却への安定性などが大きな壁となります。他社製HDDで7枚プラッタを採用しているのは、内部に空気の代わりにヘリウムを充填したHGSTのUltrastar He6がありますが、HGSTはヘリウム充填だからこそ7枚プラッタ構成を実現できたという旨をアピールしています。

上図下側はHe6の7枚プラッタ内部写真ですが、5枚プラッタ品と比べてこれだけの密度向上が必要になります。

(ちなみに意地悪く考えると、2.5インチHDDにおける12.5mm厚のように、物理的な厚みを増やすという手段もないわけではありませんが、プレスリリースには「single drive slot」や「the drive delivers maximum rack density」とも記載されていることから、可能性は少なそうです)

このように、現時点で技術的には謎の多い製品ではありますが、3.5インチHDDの容量が更新されるというのは、より小容量な製品の価格水準を引き下げるという点でもユーザーにとって朗報でしょう。

以下余談。先ほど出てきたEnterprise Capacity 3.5 HDDというシリーズ名を疑問に思われた方もいるでしょうが、シーゲイトでは昨年あたりから、それまで使っていたBarracuda(バラクーダ)やCheetah(チーター)といったシリーズ名をとりやめ、製品の用途をほぼそのままシリーズ名に使っています。

例えばデスクトップPC向けHDDは、2013年2月からDesktop HDDというド直球なシリーズ名へと変更され、ほかにもレコーダー用3.5インチHDDはVideo 3.5 HDD、ノートPC用はLaptop HDDといった名称になっています。最近同社のHDDを使っていなかった方は留意しておくと、驚かずに済むはずです。
シーゲイトが世界初の8TB HDDを発表、サンプル出荷中。年内発売予定

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