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タカラトミー「トランスフォーマー」開発者が語る玩具デザイン:「世界に行けばいくほど広がっていく」 : ギズモード・ジャパン

タカラトミー「トランスフォーマー」開発者が語る玩具デザイン:「世界に行けばいくほど広がっていく」

2014.08.28 20:30
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マイケル・ベイ監督による新作ロボット映画「トランスフォーマー/ロストエイジ」がパワーアップして戻ってきました。毎回これでもかというくらいのVFXが満載の中、「トランスフォーマー」の特徴でもあるロボットへの変形も多くのシーンも随所に盛り込まれています。玩具の代名詞とも言えるロボット+クルマの組み合わせで世界中の子どもたちを魅了し、独特の変形サウンドで大人をノスタルジックな気分にさせてくれる「トランスフォーマー」。今回ギズモードでは映画新作公開に併せて、タカラトミーの開発者さんに玩具の開発プロセスや映画化について話を聞いてみました。

ギズモードに説明してくださったのは、日本の玩具メーカーとしてお馴染みのタカラトミーで、長年トランスフォーマーの開発を手がけている大野光仁さんと、海外向けトランスフォーマー開発担当の三宅智也さん。特に大野さんは「トランスフォーマー」の前身「ダイアクロン」の頃から企画開発を担当してきた、トランスフォーマーを長年支えてきた玩具デザイナーです。


「トランスフォーマー」の始まり


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「トランスフォーマー」誕生のキッカケは、フィギュアとマシンを組み合わせて玩具の世界観を作れないかと始めたのが、「ダイアクロン」でした。その中でクルマとロボットが変形して子供が楽しめるものとして誕生したのが「トランスフォーマー」。誰もが知っているパトカーなど日常的に存在するクルマが見たこともないロボットに変形することが当時は珍しく、遊んで「2度おいしい」玩具だったことが人気を集めていったそうです。


当時は変身サイボーグや、ミクロマンやオリジナルものをやっていたので、それが強みなんじゃないかと思っています。自らのストーリーも作り、おもちゃ展開をやっていくという流れですね。それがトランスフォーマーに生まれ変わったということが、更にパワーアップした感じになりました。

世界に行けばいくほど広がっていく形になりまして、最初はアニメをハズブロさんが取り上げて、一緒にやっていこうという形になって、それが第一ステップだったんですね。

そこでもすでにグローバルではあったのですが、ただそれがこのハリウッド映画になったということで、更にそれが広がり、その過程には時代もあって、スピルバーグの娘さんが興味を示したという話もあり、時代の流れによって、二世代三世代になって、そこで時代の受け継ぎみたいなものがあったのではないかと思っています。


また数ある玩具メーカーの中でも、タカラトミーが長年トランスフォーマーが世界レベルで継続して開発できた理由の一つに、他では真似できないノウハウの蓄積が重要だったと三宅さんは言います。


うちとハズブロはずっと一緒にトランスフォーマーをやってきて、その中で真似できないような売り方だとか、世界中の子どもが好きなものを作るスキルやテクニックが積み重ねられていくのは間違いなくて、それが他ではマネできないし、その積み重ねのおかげでちゃんと毎年毎年どんどんグレードアップしたものを生み出せるのかなと思いますね。


「トランスフォーマー」映画版を見た開発者の感想



映画シリーズが作られる中で、玩具を開発し製品化してきた開発者はどう思っているのでしょうか? 例えば自分が設計したロボットがもっと見たいとか、気になったりしそうですけれど...。

大野さんは、今回の「トランスフォーマー/ロストエイジ」の中で、ダイナボットのグリムロックがメインコンセプトとなって現代のデザインとして解釈されて描かれたことに、開発者の一人として感動する時があると言います。

映画の中に昔のキャラクターが結構出てくるので、ファンとしてもすごく楽しいところでもあるし、我々作ったものとしても「私の作ったアレがこんな活躍してるの?」みたいなね。ああいうデザインで、こういう活躍っていうのはすごく感動するんですよ。

「トランスフォーマー/リベンジ」でもデバステーターというんですけれども(商品ではデバスター)、デザインはちょっと違いますが、建設車が合体するというコンセプトは残して、映画に登場して、ドカンと巨大感のある感じに描いてもらえたのは感動しましたね


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それからちょっと気になっていたことなのですが、映画に出てくるキャラとアニメシリーズのキャラが違い過ぎてる時が多いなと思っていました(メガトロンとか)。三宅さんは、そのデザインの違いを次のように説明しています


我々が何かを作ってそれを映画にしているというよりも、映画としてどうしたら面白いかというのを映画のスタッフさんは考えるんですよね。その中でトランスフォーマーっていうコンテンツはどうしても玩具とは切っても切れないものなので、我々としてもこんなキャラクターにしてくれたらこんな感じにできますよということは、ハズブロのメンバーと一緒にスタジオで映画のスタッフに紹介したりすることはあります。


映像制作側にもアドバイス


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タカラトミーは、シリーズの玩具開発を担当するサイドとして、ハリウッドの映画制作にも協力しているそうです。そこで重要になってくるのが、「トランスフォーマー」シリーズで長年協力関係にある、アメリカの玩具メーカー、ハズブロの存在。アニメ化や映画化においては、タカラトミーとハズブロがシリーズの世界観を作るためのハブの役割を果たしながら、作品にアイデアを提供していっているそうです。

例えば「トランスフォーマー/リベンジ」にも携わっていた大野さんは、ハズブロを通じて映画スタッフにもアイデアを出していたと説明します。


元々映画のスタッフに一緒に入って作り込んでいるというわけではなくて、あくまでトイとしての原作があって、それらを使って映画のスタッフ・クリエイターたちがどういう風にやるのかという感じです。

一応オプティマスの最終デザインがきたりしまして、立体物を作って本当はこうなんだけど、といったやりとりは初期にしていましたね。ただし、クリエイターさんがいかに面白く作るかだとかはあるので、トイの原作をいかに魅力的に見せるかというのはやっぱりハリウッドさんたちに任せたいところですね。

映画のほうも最初は足を連動させるとムニュっと動いて連動して変形ができるとか、メックアライブっていう生きてるかのごとく、ガッと胸の部分が開いたり、武器が一瞬で変形するものだとか、我々が得意なギミックとかは提案していますね。


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三宅さんはアニメシリーズ化や映画化では、ハズブロとは一体感ある関係ができているといいます。その上で、日本のデザインとアメリカ人が好むデザインのこだわりがあり、そこが作品化では顕著に現れていると説明します。


今回の映画の恐竜たちはロボット時に騎士みたいなイメージなんですね。もともと騎士イメージのデザインがスタジオ側からあがってきていたので、騎士っぽくということでハズブロの現場の玩具デザイナーと我々とで、「騎士だったらこんな武器持ってるよね」とかは、実際の映像にはなかったりしても考えたりしましたね。

アニメの内容にまで入っていくというときには、「こんな立体にしたら面白いよね」っていうのは提案しますね。実際の内容やキャラクターの選定に関しても、ディスカッションすることもあるし、ハズブロとはかなり密に一緒にやっているという感じはありますね。アニメの制作陣がコンセプトワークのもっと初期の段階をやって、ハズブロのデザイナーはかっこいいアメリカンヒーロー的なデザインをやってたりしますね。


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左:三宅智也さん、右:大野光仁さん




テクノロジーの進化に併せてエンターテイメントも変化していきます。その変化の波に合わせながら、過去にとらわれることなく新しい表現方法での玩具デザインにチャレンジしていくことが、国境や世代を超えて支持される理由でした。意外性があり誰もが楽しめる製品を生み続けるタカラトミーの玩具デザインに対する情熱やこだわりが見えた気がしました。


source: トランスフォーマー/ロストエイジタカラトミー

(鴻上洋平)

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