※その1: 俺が実家に帰省したとき、飼い猫としゃべったことをただ書くわ
http://nekomemo.com/archives/40572103.html
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47: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)21:50:35 ID:i2Om6v8a5
俺「とにかく、さかり時期のおまえは勉強のジャマだったんだよ」
俺「しかも夏だと、毛をまきちらすし」
猫「それもしゃあない」
猫「ずっと同じ毛をまとっていては、不潔だ」
俺「おまえ、風呂に入らないもんな」
猫「誰があんな恐ろしいものに入るか」
猫「全身に水を浴びるなんて……身の毛がよだつ」
俺「12年生きてて風呂に入ったの、5回もないだろ」
俺「そういや。一回、洗ってやろうとしたオレを引っかきまくったよな」
猫「人間の生活習慣を猫におしつけようとしたバツだ」
48: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)21:53:39 ID:i2Om6v8a5
俺「トイレとかは数回でおぼえて、感心したのになあ」
猫「それとこれとはべつだ」
俺「ていうか、我が家に来たときのこと、記憶にある?」
猫「うっすらとなら」
俺「すごかったなあ、あのときのおまえ」
俺「もうずっとリビングの中を走りまわってさ」
俺「猫って、こんなに元気な生き物なんだってビックリしちゃったよ」
猫「ずっと狭いケージの中にいたんだ」
猫「子どもだったわたしは、いきなりの広い空間に興奮したんだろ」
俺「二時間ぐらい、転げまわるように暴れてたもんな」
51: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)21:58:49 ID:fh8KkeL1O
いいなあ
52: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:00:01 ID:i2Om6v8a5
猫「そっちこそ、おぼえてるのか」
俺「なにを?」
猫「子どものわたしに、たえずベッタリだったこと」
俺「忘れてないよ」
猫「眠りからさめて目をあけると、かならずおぬしの顔が目の前にあったからな」
俺「だって当時のおまえって、メチャクチャかわいかったんだもん」
猫「今は? ……まあいいや」
猫「おぬしはすぐに目をのぞきこんでくるからな。
それもうっとうしかった」
俺「目があうと絶対顔をそらすよな、おまえ」
猫「目をあわせるのは好きじゃない」
猫「そうじゃなくても、おまえは存在そのものがやかましい」
俺「なんだよ、存在がやかましいって」
53: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:07:40 ID:i2Om6v8a5
俺「まあでも、おまえって子どもキライだよな」
俺「イトコたちが来ると、すぐどっかに隠れちゃうもんな」
猫「あの双子のガキんちょか」
猫「来客が子どもだと、家に入ってくる前にわかる」
俺「どうして?」
猫「子どもの足音は耳が痛くなるから」
俺「なるほど。あいつらドタドタ歩くもんな」
猫「おぬしの足音は、ここ数年でだいぶマシになったな」
俺「オレも成長するんだよ」
猫「からだはちっこいままに見えるが」
俺「うるせー」
54: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:11:48 ID:6eiH3mAbB
猫かわいい
55: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:16:01 ID:i2Om6v8a5
俺「ていうか、おまえって一番母さんになついてるじゃん」
俺「なんで母さんなの?」
猫「愚問だ。お母さんがわたしの世話を一番してくれるからな」
俺「オレだってするじゃん」
猫「どこがだ。エサやりだってときどきしかしない」
猫「シモの世話はまずしない」
猫「気をきかせて、暖房をつけることもしない」
俺「……」
猫「その点、お母さんはおまえとは真逆だ」
猫「よく気がつき、よく気が利く」
猫「どちらになつくか、考えるまでもない」
56: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:19:35 ID:i2Om6v8a5
猫「なにより、お母さんの足音は静かだ」
俺「はいはい。おまえは世話してくれて、静かな人間が好き、と」
俺「あれ? でも、オレが寝てるときはおまえって、
オレの上にのってくるよな」
猫「おぬしは体温が高くて、寝床にはちょうどいいからな」
俺「うるさいんじゃないのかよ」
猫「寝てるおぬしがたてるのは、寝息だけだからな」
俺「ふーん」
猫「ただし、春のおまえは寝てるときもやかましいな」
俺「春は花粉症で、鼻がつまってるんだよ」
57: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:29:14 ID:i2Om6v8a5
猫「ところで。さっきから誰と比べてる?」
俺「え?」
猫「あきらかに誰かとわたしを比較してるだろ」
猫「トイレの話やわたしが家にきたときに、
こんなに猫って元気なんだなって言葉でわかった」
俺「……」
猫「おそらく、前に飼ってた猫のことを言ってるんだろ」
俺「おまえ、あたまいいな。猫のくせに」
猫「おぬしはあたまわるいな。人間のくせに」
58: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:34:22 ID:G5vBOOjG6
なんと
59: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:38:43 ID:i2Om6v8a5
俺「まあ、そのとおりなんだけど」
俺「おまえの前にも、いっしょに住んでた猫がいたんだよ」
猫「それで?」
俺「そいつはミルクって名前なんだけど」
俺「野良猫だったんだよ」
猫「誰かからもらったのか?」
俺「ううん。ついてきた」
猫「ついてきた? 野良猫が?」
俺「そう。まだ8歳のときだよ」
俺「学校帰りだったんだけど。
たまたま歩いてるあいつと、目があったんだよ」
俺「そしたら、家までついてきた」
60: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:50:47 ID:i2Om6v8a5
猫「めずらしいこともあるんだな」
俺「母さんとオレの予想では、たぶん本当によわってたから……かな」
俺「どうしようもなくて、人間にすがるしかなかったんだと思う」
猫「そのすがる相手が、たまたまおぬしだったと」
俺「そういうこと」
俺「真っ白な猫でさ。目の色が左右でちがったんだよ」
猫「ふーん」
俺「おまえもちっさいけど、あいつはもっとちっこかったんだよな」
62: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)22:57:17 ID:i2Om6v8a5
猫「そいつはどうなった?」
俺「いなくなった」
猫「……」
俺「うちで育てるようになってから、一ヶ月後にきえた」
俺「もともとおまえとちがって、夜以外は放し飼いにしてたんだ」
猫「だからさっき聞いたんだな、猫が消える理由」
俺「うん。ずっと気になってたんだよ」
俺「もちろん思い当たる場所は全部探したけどさ、見つからないし」
俺「あのときは放し飼いにしてたこと公開して、しばらくは泣いてたな」
63: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:02:02 ID:i2Om6v8a5
猫「聞く相手をまちがえたな」
俺「かもね」
猫「……」
俺「……」
猫「で、そのあとわたしと会ったわけだ」
俺「そう。なんとなくペットショップに寄ったら、たまたまな」
猫「なんでわたしを飼いたいと思った?」
俺「直感、かな」
猫「もっと具体的な理由はないのか」
64: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:06:11 ID:i2Om6v8a5
猫「毛並みが美しかったから、とか。
目がくりくりしててかわいかったから、とか」
猫「以前飼ってた猫と似ていた、とか」
俺「真っ白なあいつと、アメショーのおまえは似ても似つかんわ」
猫「それもそうか」
俺「まあでも、なんかいっしょに住みたいな、って思ったんだろうな」
猫「ひと事みたいに言うんだな」
俺「昔の自分のことって、案外わかんないんだもん」
猫「いいかげんなヤツ」
俺「まあね」
猫「……そういえば、わたしもずっと気になっていたことがある」
俺「ん?」
猫「わたしの名前」
65: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:12:12 ID:i2Om6v8a5
猫「なんであんな名前にしたんだ」
俺「へえ。おまえも自分の名前の由来が気になるのか」
猫「すこし」
俺「……ミルクは、真っ白だったこと。
はじめてあげたのが、牛乳だったからその名前にしたんだ」
俺「ほんとは猫に牛乳ってあんまりよくないらしいけどな」
猫「それが名前の由来なのか。ガッカリだ」
俺「10歳にもなっていないガキんちょが考えたんだぞ」
猫「で、わたしの名前は?」
俺「……おまえの名前かあ」
猫「てきとうに考えたのか?」
俺「まさか」
66: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:17:56 ID:i2Om6v8a5
俺「なぜかおまえを見てたら、おジャ魔女ドレミってアニメを思い出してさ」
猫「アニメ?」
俺「だから、最初はおまえの名前を『ドレミ』にしようかと思ってた」
猫「ほとんど考えてないじゃないか」
俺「でもそれだと、安直すぎるからさ」
俺「あたまの文字をいろいろ入れかえてみたんだよ」
俺「『ファレミ』とか『ミレミ』とか『ソレミ』とか」
猫「で、最終的に今の名前になったわけか」
俺「うん。三文字ってうっとうしいからな」
俺「それに、その名前だと漢字をあてれたからな」
猫「なるほど」
67: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:19:00 ID:6MHQeax6q
おジャ魔女どれみとか懐かしいなww
68: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:24:13 ID:g2SMFtHaF
レミィィィィィィィ
69: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:25:20 ID:0wdKgm7z7
ミレだと予想
70: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:27:58 ID:i2Om6v8a5
猫「よし、もう気になったことも知れたし帰っていいぞ」
俺「ゲンキンなヤツ」
猫「おまえの帰りのバスの心配をしてるんだ」
俺「まだ大丈夫だよ。
ていうか、気づかいとかできるんだな」
猫「ふん。おまえといると疲れるからな、さっさと帰ってほしいだけだ」
俺「しんらつだなあ」
猫「……実際、あまりよくないんだ」
俺「……」
猫「昔に比べると、食欲も減った」
猫「出る小便の量も減った」
猫「階段の手すりにのぼるのを、失敗するようになった」
俺「……」
71: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:31:30 ID:0mSdhXDFD
うちの子は2歳と3歳、いつかこんな日がくるんだよな
72: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:35:17 ID:8YHCq5cvL
なんかじんわりと来るな
73: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:36:52 ID:i2Om6v8a5
俺「……なにかあったら、きちんと言えよ」
俺「オレでも、母さんでも、オヤジでもいいからさ」
猫「おバカなおぬしの前だから、こうしてしゃべってるが」
猫「口は災いのもと。
ふつうの人間の前で、口を開こうとは思わんな」
俺「フツーじゃないのか、オレは」
猫「それに。安心しろ、まだまだ死んでやらないから」
俺「あたりまえだろ」
猫「……前のヤツが疾走したとき、おぬしは泣いたんだったな?」
俺「うん? そうだけど?」
74: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:45:43 ID:i2Om6v8a5
猫「もし……もし、わたしが死んだら、また泣く?」
俺「……」
猫「なぜ黙る」
俺「いや、そういうのって考えたくないから」
猫「考えろ。考えて、想像して」
俺「…………まあ……泣く、かなあ」
猫「ふーん。満足に世話もしないくせに?」
俺「それとこれとはまたべつだろ」
俺「でも、できりゃ泣かせてほしくないな」
猫「安心しろって言っただろ。そう簡単にはくたばらない」
75: 名無しさん@おーぷん 2014/08/29(金)23:56:52 ID:i2Om6v8a5
猫「猫が死ぬ直前に消える、理由」
猫「すこし考えたら、予想がついた」
俺「え? わかるの?」
猫「あくまでわたしの予想だ」
猫「自分が弱っているときに、敵に襲われたらどうする?」
俺「オレに聞かれても」
猫「ふつうに考えれば、すぐに答えは出るだろ」
俺「困るだろうな。弱ってたら反撃もできないし」
猫「それが、そのまま答えにつながる」
猫「死の直前ということは、当然弱っているってことだ」
猫「だったら、身を隠すのが最善の策だろう」
76: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:01:02 ID:a4GZ92NzZ
なるほどね
78: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:02:56 ID:6RHahQcJM
俺「そういうことなの?」
猫「猫のわたしが言うんだ、まちがいない」
俺「……」
猫「どうした?」
俺「もし、だよ。おまえの言ってることが本当だったらさ」
俺「ミルクは、オレや母さんを敵だと思って消えたってことになるでしょ」
俺「それに、もしかしたらおまえも……」
猫「わたしは最期までここにいたい。そう思ってる」
猫「それに、ミルクは野良猫だったんだろ」
猫「野生は野生に帰る。ただ、それだけのこと」
79: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:07:34 ID:a4GZ92NzZ
イイハナシだなー
80: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:07:38 ID:hYptAri7F
うん..
81: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:09:51 ID:6RHahQcJM
猫「ミルクはおぬしに感謝している。絶対に」
俺「断言するんだな」
猫「だって、わたしもそう思ってるから」
俺「おまえ……」
猫「わたしはとっても恵まれてる」
猫「それぐらいは飼い猫のわたしでも、よくわかる」
猫「野良猫だったミルクはわたし以上に、
おぬしやお母さんの施しが身にしみたはずだ」
俺「……そっか」
82: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:16:17 ID:tVYTeIECq
(T_T)
83: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:16:21 ID:6RHahQcJM
俺「あー、なんか、うん。すっきりしたよ」
俺「そろそろ行くよ、バスに間に合わなくなるといかないしな」
猫「待て」
俺「ん?」
猫「せっかく知りたいことを教えてやったんだ」
猫「ジャーキーの一本ぐらい、よこしてけ」
俺「へいへい」
86: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:21:47 ID:6RHahQcJM
俺「……じゃあ、そろそろ本当に行くわ」
猫「次に帰ってくるのはいつになりそう?」
俺「んー、次はやっぱりコタツがリビングに出るころかなあ」
猫「じゃあ、それまでは静かなわけだ」
俺「本当は寂しいんだろ。強がらなくていいぞ」
猫「わたしは本気でおまえをうっとうしいと思っている」
俺「傷つくなあ」
猫「だけど。おぬしがいつ帰ってきも、わたしは確実にここにいる」
俺「おう」
87: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:23:04 ID:6RHahQcJM
俺「また帰ってくるからな。いってきます」
猫「待っててやる。いってらっしゃい」
84: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:16:30 ID:hR20SXCLF
号泣
85: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:20:56 ID:hYptAri7F
あかん
89: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:24:11 ID:6RHahQcJM
おわり
ここまで読んでくれてありがとうございました
92: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:26:18 ID:XqVPM1863
猫系の話ってたいてい猫がご主人様ーとか言ってなついてるけどこの猫はいかにも猫って感じですね
よかったよ
よかったよ
96: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:40:43 ID:hR20SXCLF
私もうちの猫と人間語で話してみたい
94: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:30:22 ID:kaJB2RPH0
猫の名前はれみであってるんよな?
98: >>1スマホから 2014/08/30(土)00:50:47 ID:bABSFS060
102: 猫大魔神 2014/08/30(土)01:17:28 ID:PvhQHtWVV
>>98可愛すぎワロタ
99: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)00:53:39 ID:kthxoZGiH
うちの猫もこんな風に思ってくれたらいいなあ
そしてレミ可愛いいイィ!!
そしてレミ可愛いいイィ!!
100: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)01:02:42 ID:xyOBi2Jtw
深い話だ
うちもずっと猫がいる家庭だから
実家に帰りたくなりました
ありがとう
うちもずっと猫がいる家庭だから
実家に帰りたくなりました
ありがとう
101: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)01:10:43 ID:5tJA7OoBO
台詞回しが独特で内容に引き込まれたよ
もちろん画像は保存させてもらった
乙
もちろん画像は保存させてもらった
乙
104: 名無しさん@おーぷん 2014/08/30(土)02:07:10 ID:n4EaficJN
やべぇもっと釜ってあげよ
引用元:俺が実家に帰省したとき、飼い猫としゃべったことをただ書くわ
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1409236779/
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