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http://ggsoku.com/tech/academist-kyoto-university-smart-crowdfunding/

京都大学大学院附属天文台の柴田一成教授による、施設存続のための出資募集プロジェクトが、クラウドファンディングサイト「academist」上にて公開されています。

「宇宙の爆発」の謎解明に挑む

柴田教授は、太陽フレアの発生メカニズムに関する研究を長年にわたって行っている、太陽研究の分野の第一人者です。

太陽の表面では、”フレア” と呼ばれる爆発現象が高い頻度で発生しており、ひとたび太陽フレアが発生すると、強力な電磁波や高エネルギーの粒子が放出される「宇宙嵐」が起こります。

こうした宇宙線は、地球上の通信ネットワークや電力網に大きな影響を及ぼすため、宇宙嵐の地球への到来を事前に予測し、被害を最小限に留める技術が求められています。しかし、フレアがどのようなメカニズムで発生しているのか、詳しいことは未だに明らかになっておらず、京都大学を始めとして世界中で研究が進められています。

また、太陽フレアのような爆発現象は、太陽のみならず宇宙の至るところで観測されており、様々な天体の形成・進化に大きく関係しているものと考えられています。もし、太陽フレアをモデルとして、そうした爆発の詳しい仕組みを解明することが出来れば、星雲や恒星などの形成メカニズムを解き明かすことが可能になるかもしれない、というわけです。

存続の危機に立つ「SMART」

京都大学では2003年、岐阜県の飛騨に、太陽表面の活動を詳細に観察することが出来る「太陽磁場活動望遠鏡(Solar Magnetic Activity Research Telescope, SMART)」を設置。

SMARTは、Hα線と磁場測定に対応したな4本の望遠鏡が組み合わされた構造となっており、世界最高レベルの分解能で太陽表面の活動をモニタリングをすることが可能となっています。柴田教授らは、これまでSMARTの観測データを基に革新的な研究成果を数多く発表してきています(SMART関連研究成果)。

しかし現在、設置から10年が経過したSMARTは国からのサポートが終了。今後も、SMARTを使用して太陽観測を行っていく上で必要となる人件費や維持費の調達のために、今回の募集を決めたとのことです。

Credit: 京都大学

リワードには天体観測ツアーも

academistのプロジェクトページでは、目標額として350万円が設定されており、1,000円以上の出資者を対象に様々なリワードを用意。

例えば5,000円の出資では、お礼メッセージと学会資料のほか、太陽表面から噴出している巨大ジェットや大フレアの観測写真がプリントされたTシャツを入手可能。また、5万円以上の出資では、京都大学の花山天文台で開催される特別ツアーに参加することが可能となっています。

普段の生活の中ではなかなか関わる機会がない宇宙の先端研究ですが、こうした機会にパトロンとして名前を残してみるのも、何かの記念になるかもしれませんね。

[academist]
アイキャッチ画像は、NPO法人花山星空ネットワーク様のサイトより引用致しました。