勇者「魔王マジ殺す」魔王「勇者マジ殺す」
- 1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:11:10 ID:XEfpB4/s
- ~~とある王国
王「我が息子よ…本当に行くんだな?」
王子「はい」
王「…今やお前は剣術・魔法、共にこの大陸一番の使い手だ」
王「それにお前は真実を知っている……だからこうなる事は分かっていた」
王子「………」
王「息子よ…いや、勇者よ。魔王を倒してくるんだ」
王子(以下勇者)「かしこまりました王様」 - 2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:11:40 ID:XEfpB4/s
- ―――
――
―
騎士隊長「王子…本当に魔王城へ行くんですか?」
勇者「ああ」
騎士隊長「でしたら私達も――」
勇者「いや、俺一人で行く」
騎士「お、お一人なんて無茶です!我が王国以外の国は全て魔王の支配化にあるんですよ!?」
騎士隊長「騎士の言うとおりです。私達も微力ながら協力させてください」
勇者「もちろん協力はしてもらう。さすがに一人では出来ない事もあるからな」
騎士隊長「では私達は何をすればよろしいのですか?」
勇者「まず一つは今まで通りこの王国の防衛。そしてもう一つは――」 - 3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:12:11 ID:XEfpB4/s
- ―――
――
―
勇者(よし、これで下準備は終わった)
騎士隊長「王子、馬の準備が出来ました」
騎士隊長「この馬なら古ぼけた村まで一日で着くと思います」
勇者「色々してくれてありがとな」
騎士隊長「いえ。それと外に出ればすぐに王子のことが魔王にバレます…どうかお気をつけてください」
勇者「ああ、分かってる…そうでないと意味が無いからな」
騎士隊長「えっ?」 - 4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:13:05 ID:XEfpB4/s
- ~~魔王城
側近「魔王様、東を統べる王国を見張っていた者から連絡がありました」
魔王「何だ?」
側近「勇者が現れたそうです。しかもその勇者は王国の王族との情報も…」
魔王「っ……そうか」
魔王「全ての魔物に伝えよ。『全力で勇者を殺せ』と…」
側近「かしこまりました」
魔王「勇者……私は貴様を…必ず殺す」 - 5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:13:48 ID:XEfpB4/s
- ~~古ぼけた村
オーク「おら!さっさと働け!」ビシッ
村人「ぐっ!」
オーク「ったく…魔王様も魔王様だよなぁ。こんな奴ら奴隷にしないで殺しちまえばいいのに…」
オーク「つーか魔王様こうやって危害を加えるのさえ許してくれねぇからなぁ。こんなとこをボスに見つかったら…」
ガーゴイル「減給+一週間牢獄生活だな…」バサッ
オーク「ボ、ボスぅぅぅ!?」 - 6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:14:28 ID:XEfpB4/s
- オーク「お、おかえりっす!さささささ、さっきのはただのスキンシップっすよ!?」アセアセ
ガーゴイル「まぁいい、見逃してやる。今は急を要するからな」
オーク「へ?王国にでも攻め入るんすか?」
ガーゴイル「いや…勇者が現れたそうだ」
オーク「勇者?」
ガーゴイル「お前はまだ若いから分からないのか。勇者は定期的に現れる魔王様を狙う敵だ」
ガーゴイル「そいつがこの村に近づいてるらしい」
オーク「強いんすか?」
ガーゴイル「さあな。いつもなら魔王様直々に殺してるそうだが…今回は魔王様から勇者を殺せと指示が出ている」
ガーゴイル「しかも『全力で』だ……そいつがかなりの実力者か、もしくは魔王様にとって特別な存在なのかもしれない…」 - 7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:15:07 ID:XEfpB4/s
- ガーゴイル「…兎に角、他の奴らを呼んで来い。作戦を立てる」
オーク「了解っす!」
勇者「呼ぶ必要は無い」
ガーゴイル・オーク「!?」バッ
勇者「俺がその勇者だ。お前達を…殺しに来た」
オーク「へっ、たった一人でか?笑わせるな!!」ダッ
ガーゴイル「ま、待て!」
ザシュッ
勇者「……次」キンッ
オーク「」 - 8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:15:37 ID:XEfpB4/s
- ガーゴイル(くっ…やはりかなりの実力者!ここは…空から攻めるしかない!)バサッ
勇者「…雷魔法」チリッ…
バリバリバリバリ!
ガーゴイル「ぐあああああああああああああああああああ!!」
ドサッ
ガーゴイル「」プスプス…
村人「あ…」ガクガク
勇者「……大丈夫です。すぐにこの村に居る魔物を全滅させますので安心してください」 - 9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:16:17 ID:XEfpB4/s
- ___
__
_
村長「あ、ありがとうございます!まさか王国の王子様自ら私達を助けてくださるとは…何とお礼を言ったらよいか…」
勇者「いえ。当たり前のことをしたまでです。お気になさらずに」
村人「…だ、だがどうせすぐに他の魔物達が来て、俺達はまた奴隷になる。こんなことしても無駄だ!」
村長「お、おい!無礼者!」
勇者「心配いりません。我が王国の騎士達をここの護衛として呼んでいますので」
村人「えっ?」
勇者「明日にはここに到着するよう命令しておきました。ご安心を」
勇者「それに……きっと魔物達は全力で俺の命を狙うのでそんな暇無いと思います」
村人「あ、あなたは一体…何者なんだ?」
勇者「…俺は勇者。魔王を倒す者です」 - 10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:17:28 ID:XEfpB4/s
- ~~魔王城
側近「魔王様、今度は西国を奪われました」
魔王「…今回の勇者はかなりの実力者のようだな」
側近「それに頭もキレます。魔王城から人間の国々への経路を王国の騎士団を使って塞いでいます」
側近「そしてその間に我々の支配下にあった西国と南国を奪い、さらにその国の兵士達を使って周辺の村・町を護衛しているそうです」
側近「しかし一つだけ勇者もミスをしています」
側近「基本的に村・町の中で戦闘を行うので、助けられたにも関わらず村人達は圧倒的な強さを見せる勇者に畏怖しております」
側近「付け入るのであればそこから…」
魔王「…いや、恐らくそれも奴の狙いだ」
側近「えっ?」
魔王「…側近よ、ドラゴンを北国に向かわせろ。そして町中ではなく山で勇者を討て」
魔王「あと他の者は皆この魔王城に退却させろ」
側近「か、かしこまりました…」 - 11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:18:46 ID:XEfpB4/s
- ~~北国
勇者「ドラゴンが雪山に?」
北国の騎士「はい。元々この町に駐在していた魔物達は退却したらしいのですが…」
勇者「…そうきたか」
騎士隊長「王子!」
勇者「騎士隊長、どうしてここに?」
騎士隊長「王様の命令で北国と平和条約を結びに来ました」
勇者「…ちょうどいい。北国の兵士達よ、俺はこれからドラゴンを討ちに雪山へ向かいます」
勇者「しかしさすがの俺も土地勘が無くてはドラゴンの下まで辿り着けません」
勇者「なるべく早く討伐したいので兵士の他に山に詳しい者も連れて行きたいと思ってます。出来ますか?」
北国の騎士「わかりました。すぐに準備致します」 - 12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:19:38 ID:XEfpB4/s
- 騎士隊長「王子、今度こそ私もお供します」
勇者「最初からそのつもりさ。騎士隊長は北国の兵士達と一緒に護衛に回ってくれ」
騎士隊長「はい!」
騎士隊長「……はい!?ド、ドラゴンはどうするんですか!?」
勇者「ドラゴンは…俺一人で倒す」 - 13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:20:29 ID:XEfpB4/s
- ――雪山
ドラゴン「よく来たな、人間よ」
北国の騎士「こ、これがドラゴン……デ、デカイ!」
町人「ひぃぃ!」ガクガク
勇者「…騎士隊長、皆を少し下がらせてくれ」
騎士隊長「は、はい!」 - 14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:21:34 ID:XEfpB4/s
- ドラゴン「貴様が勇者か?」
勇者「ああ」
ドラゴン「ふむ…その顔、王国の王族だな」
勇者「っ……一つ訊いていいか?」
ドラゴン「何だ?」
勇者「竜族は長命と聞く…お前はどれくらい生きたんだ?」
ドラゴン「…答えにはなっていないがお前にはこれで十分だろう」
ドラゴン「我と魔王は親しき友。そして貴様の先祖をよく知っている」
勇者「……そうか」 - 15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:22:37 ID:XEfpB4/s
- ドラゴン「その質問、反応を見る限り…貴様は真実を知っているのだな?」
勇者「ああ…」
ドラゴン「全てを知りし者よ……貴様に魔王が倒せるのか?」
勇者「もちろんだ…その為に死に物狂いで得た力だ」
ドラゴン「そうか…ならば我を倒していくがよい!」
勇者「……うおおおおおお!!」 - 16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:23:15 ID:XEfpB4/s
- ___
__
_
騎士隊長「お、王子!大丈夫ですか!?」
勇者「……ああ」
北国の騎士「し、信じられない。あのドラゴンを一人で倒すなんて…しかも圧倒的強さだ…」
町人「そ、その手に持っている物は…?」
勇者「…ドラゴンの牙です。戦利品として貰ってきました」
北国の騎士(紅に染まりながらドラゴンの牙を持つ勇者様はまさに…悪魔のようだ)ゾクッ
町人(こ、怖い…あのドラゴンよりもずっと…)ガクガク
騎士隊長「………」 - 17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:24:22 ID:XEfpB4/s
- ――北国の酒場
騎士隊長「王子、少しいいですか?」
勇者「何だ?」
騎士隊長「何故今回は戦利品を取ったりしたんですか?殺した魔物の死体はいつも供養するみたいに丁寧に燃やすのに…」
勇者「……あいつの生きた証を残しておきたくてな」
騎士隊長「は、はぁ…生きた証ですか」
勇者「…この話はこれでお終いだ」 - 18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:25:53 ID:XEfpB4/s
- 騎士隊長「でしたらもう一つ…町の中での戦闘なら兎も角、今回はこの国の民にあんな残虐なところを見せ付ける必要がありませんでした」
騎士隊長「我々は小さい頃から王子の寛大な優しさに触れてきた故、どんなことがあっても王子を怖がったりしません」
騎士隊長「ですが我々以外は別です。何故王子はワザと他の国の民を怖がらせたりするのですか?教えてください」
勇者「………魔王が現れる以前、我々人間は国と国とで争っていた」
勇者「苦肉にもそれを終わらせたのは魔王だ。これは騎士隊長も知ってる事だろ?」
騎士隊長「はい。魔王が武力を用いて次々と国を支配し、人間同士の争いをしている場合では無くなった…ですよね?」
勇者「ああ。魔王は人間を奴隷とすることで世界を平和にしたと言えるな」 - 19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/06(土) 13:26:35 ID:XEfpB4/s
- 騎士隊長「お、王子!あいつのせいで今まで多くの人間が苦しめられてきたんですよ!?」
勇者「…もちろん魔王がやっていることは正しいとは言えない。でも間違いではないと俺は思うんコメント一覧
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- 2014年09月06日 21:56
- なかなか
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- 2014年09月06日 22:08
- コードギアスもう何年前だっけな
よくあるネタだけど、もうこういうので同じネタが出る程度には古くなったんだなあ
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- 2014年09月06日 22:11
- 面白かったがもう少しよいスレタイはなかったものか
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- 2014年09月06日 22:17
- 果たしてこの後世界が平和になるかどうかは、甚だ疑問だがな……。
平和な世界は正常な世界ではない。正常な世界では大なり小なり戦争は起きてしまうものなのだ。
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- 2014年09月06日 22:28
- そして勇者が死んだ後、猫のいなくなった真の混沌の時代がやってくるわけだ。
ネズミを過信しすぎた哀れな勇者と魔王の物語。
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- 2014年09月06日 22:31
- 勇者が機械の神獣とフュージョンしてない。やり直し。
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- 2014年09月06日 22:35
- ネズミさんはまた繰り返しそうだな…。
短くまとまっていて良かった(こなみ)
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- 2014年09月06日 23:26
- スレタイがなあ
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