"子供に見せる"ということは、つまり親が許すということ。
それを親が認識するということは、親が入口になるということです。
そこから「大人が観る必要はないから」と言われると、
「えっ? どういうものなんだろう?」って気にはなるでしょ?
>――『G-レコ』に期待している大人たちについてどうでしょう。これまで「大人たちには観るな」とおっしゃっていましたが。
僕は『G-レコ』について「大人たちは観る必要がない、子供に見せてくれ」という言い方はしていますけど
"子供に見せる"ということは、つまり親が許すということ。それを親が認識するということは、親が入口になるということです。
これは、過去の「ガンダムシリーズ」のように無制限に見てくださいと言わないアピールの仕方もあるのではないか――
ということも実はかなり意識しています。
営業が絶対に理解してくれないんだけれども(笑)。もちろん、子供たちに観てもらいたいのは前提。
そこから「大人が観る必要はないから」と言われると、「えっ? どういうものなんだろう?」って気にはなるでしょ?
――(笑)。完全に富野監督の術中にはまっていますよ。ガンダムファンは(笑)。
これはものすごく重要な構造です(笑)。
子供に聞かれた時のために真剣に観なければいけないということでもある。
もしかしたら、子供に「お父さんそれ違うよ。『G-レコ』で言いたいのは実はこういうことだよ」と言われ、
親が「ええっ!? 気がつかなかった!」と、もう一度観なければいけない(笑)。
もちろん理想的な形ではあるけれど、そういう作りになっています。
「お父さんロボットばかり見ていたらダメだよ。なんでモビルスーツの話ばかりするの?」なんて言われて、
逆に子供に怒られてしまうかもしれない(笑)。そうなるといいんだけど、見かけはそうじゃありません。
今までのガンダム以上に、おもちゃやグッズにマッチングしてます。これが『G-レコ』のとってもいやらしいところです。
――「おもちゃ」のお話になったところで、デザインについても聞かせてください。
特に形部一平さんのデザインは、視点やアングルによって形状がつかみにくく、ビビッドで、バラエティに富んで、
楽しくなるデザインです。形部さんのデザインについてはいかがでしょう。
「まったくやってくれたな!」と思っています。人選は間違っていないでしょう。
ただ、現場のことを考えると困ったことも起こっています。
画を描くという意味でとても面倒なキャラクターなので、アニメーターが(画から)逃げています(笑)。それが地獄です。
もちろん、バンダイの意識もしているから、従来の「ガンダムシリーズ」でやったように、
つまりガンダムの類型はちゃんと出していきます。
――特に動かしていて面白いモビルスーツはありますか?
冒頭で出てくるカット・シーっていうモビルスーツがあるでしょう? はじめ僕は嫌いだったの。
でも実際に動かしてみたら「こんなに面白いモビルスーツはない!」と感心しました。
形部さんにそういう仕事をやってもらわなかったら、結局当たり前のデザインで統一してしまう自分がいるわけですから……。
これまでのデザインが、いかにつまらないものだったのかということにも気づかされました。
最初はね、形部さんのキャラクターはおもちゃ的で、漫画的で嫌だな思う部分もありました。
だけど、実際に色がついて、動き始めたら、えっ……これは……化けるぞと信じています。
>――最後にメッセージをお願いいたします。
『G-レコ』で種を撒き、これを観て刺激された子供たちが2~3人は出てきてくれることを願っています。
今は種撒きの時期で、もしかしたら50年単位になるかもしれない。
そうした時に本当の意味で「ガンダムワールド」が豊かなものになっていくでしょう。
『機動戦士ガンダムUC』や『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』だけで終ってしまうならガンダムは一塊で終わり。
もう一歩踏み出していかなければいけない。そういう糸を掴むことはできたかもしれないし、
次の世代は『G-レコ』を観て育った子供たちでしょう。
大人たちには、とても重要なことがあります。子供たちに『G-レコ』を見せること。できれば一緒に観て欲しい。
任務や義務と捉えていただいてもいい。『G-レコ』には、ここまで語ってきた問題点を並べてあるので、
後は子供たちに託そう! お前ら頼む! って。そういう作品になっていると思います。(一部抜粋)
親から子供に作品を見せるその過程で、自分が子供にアニメを見せてるんだということを親自身が認識することに意味があるってことかな?
その過程を経ることで「子供に聞かれた時のために真剣に見なければいけなくなる」というのも面白いところ。
まあ自分には肝心の子どもがいませんけども!
「ガンダムの類型はちゃんと出す」とのことでG-セルフ以外にもガンダム系等の機体が登場するのは間違いなさそう。
読んでいくと監督はGのレコンギスタを次世代に続く作品になるようにと考えているのがひしひしと伝わってくる気がします。
「出来れば一緒に見てほしい」ってことを強く押していることを考えると、本当に子どもを楽しませるための内容になってそうかな?
グロエロとかの要素は低いと見てよさそう、多分。全文は結構長いので気になった方はソースサイトへ!
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