IFA 2014のHTCブースは、こじんまりとしたものでともすれば気づかずに通り過ぎてしまうかもしれません。ブースでは欧州で展開中のスマートフォンが並び、そうした端末よりも、HTCのテーブルサッカーゲームに興じる子どもの姿が目立ちます。
最新の展示こそありませんが、4日に発表したばかりの新モデル HTC Desire 820 を担当者が所持していたので見せてもらうことにしました。
HTC Desire 820
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10 枚
HTCには、金属ボディに背面デュアルカメラを搭載するなど、主に性能面での特徴を持たせたHTC One と、樹脂ボディを採用し価格と性能のバランスをとったボリュームゾーン向けのHTC Desireがあります。
国内ではauからHTC J butterflyシリーズが登場していますが、これは基本的には樹脂ボディにHTC Oneシリーズのようなフラッグシップの性能を持たせたもの。日本の市場性を汲んだモデルとなっており、日本では受けが悪いHTC One系の金属ボディを採用していません。HTC J butterflyはHTC butterflyシリーズとして、アジア圏などに提供しているモデルもあります。
今回のHTC Desire 820は、普及層向けのモデルとなりますが、これまでの製造プロセスを見直した新しいDesireシリーズとなっています。新たにボディの継ぎ目がないユニボディ設計を採用。5.5インチのHDディスプレイに、8コア 1.5GHz のクアルコム製 Snapdragon 615 チップセット、2GBメモリ、16GBストレージを搭載。
背面のカメラ位置が上部中央から、iPhoneのように端に変わっています。13MPのメインカメラに加え、8MPのフロントカメラを搭載。フロントカメラも裏面照射型のセンサーを採用し、F値2.2、レンズは35mmフィルムカメラ換算で28mm相当の広角レンズを備えます。
中国市場で非常に人気のある自分撮り Selfie を想定したモデルとなっており、欧州ではそこまでSelfie に注目は集まっていないものの、欧州はこれからといった見方もできます。
LTEは下り最大150MbpsのCategory 4をサポート。対応バンドはFDD 1/3/7/8、TDD 38/39/40/41となり、国内では各社の2GHz帯、ドコモやワイモバイルの1.7GHz帯、ソフトバンクの900MHz帯、TDDバンドはソフトバンクとUQコミュニケーションズの2.5GHz帯をサポートしています。メインは中国市場向けとなり、まず9月にも中国で販売を開始。ブースの担当者によれば、12月には欧州でも販売を計画しているそうです。
中国市場向けらしい仕様としては、側面部にnanoSIMスロットを2つ備え、microSDと一緒に3つのスロットが並んでいるところでしょう。2600mAhのバッテリーを搭載。大きさは157.7 x 78.74 x 7.74mmで、重さは155g。価格は提供地域によって異なるそうで、欧州では329ユーロ(約4万5000円)。