男「……なにあれ」トカゲ娘「……」
- 2014年09月10日 21:10
- SS、神話・民話・不思議な話
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- 1 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/20(水) 22:04:46 ID:FX32E6D.
- トカゲ娘「……」じぃっ
男「……」
男(めっちゃ見られてる)
男(参ったな。この森、亜人が住んでたのか)
男(見た感じ子供みたいだし、親も近くにいるだろう)
男(……集落もあるのかな。その辺も考えると敵対はしたくない)
トカゲ娘「……」ふしゅー
男(生態とか勉強しとくべきだったなあ。威嚇かこれ?) - 2 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/20(水) 22:11:48 ID:FX32E6D.
- 男(ずっと睨み合っているわけにもいかないからな……)ごそごそ
トカゲ娘「!」ぴくっ
男(すっげえ警戒されてる)
男「……」すすっ
男(一応、大きい葉っぱの上に持ち込んだ干し肉を置いて)
男(トカゲ娘のほうに差し出してはみたけど)
トカゲ娘「……」じぃっ
男「……」
男(……あれ、雑食、だよな?)
トカゲ娘「……」そわそわ そわそわ
男(あ、でも興味はあるみたいだ)
男(じゃあ俺も、ゆっくり、離れて)すっ - 4 :人外娘とかモン娘みたいな ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/20(水) 23:12:43 ID:FX32E6D.
- トカゲ娘「……」にじり にじり
男(四つん這い……というか、この亜人にとっての警戒姿勢かな。さっき中腰だったし)
トカゲ娘「っ」ばしっ ばばっ
男(おお、肉とって、逃げた)
男「……身のこなし、すごいな」
男(もう木々の向こうに消えて見えなくなってるし。さすが亜人)
男「……とりあえず、しばらくは敵意が無いことを示すとして」
男「今日はいったん帰るか。仕方ない」 - 5 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/20(水) 23:37:07 ID:FX32E6D.
- ――翌日――
男「……っと」
トカゲ娘「……」じぃっ
男(干し肉、干し肉)ごそごそ
男(今日は自分の分と、あの子の分、加えて他の亜人に遭遇したときのための予備もあるからな)ひょい
男(これをあげても、散策を続けられる――って)
トカゲ娘「……」そわそわ
男(既にちょっと近づいてきている。昨日よりは警戒されていないってことか)
男(それじゃ、昨日と同様に葉っぱにおいて、と)すすっ
トカゲ娘「……」がさがさ ひょいっ
男(今日はこっちを見ながら、歩いてきた)
男(……よし、問題ないだろう)
男(それじゃあ、先に進ませてもらおうか)ざっ ざっ - 6 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/20(水) 23:56:14 ID:FX32E6D.
- 男「……」ざっ ざっ
がさがさ
男「……」くるっ
トカゲ娘「……」じぃっ
男(ずっとついて来てる)
男(肉がほしいのかとも思ったけど、まださっきあげた干し肉は残ってるようだし)
男(……単に、よそ者に興味があるのかな) ざっ ざっ
トカゲ娘「……」がさがさ
男(まあそれはともかくとして、この森はやっぱりいい)
男(食料になりそうなものも、薬になりそうなものもある)
男(さっき遠くに鹿も見えたから、狩猟もできそうだ)
男(亜人とも仲良くやれそうだし、ここに来てよかった) - 11 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/21(木) 09:52:51 ID:sqPX5YMQ
- ……
トカゲ娘「っ!」がささっ!
男「うぉっ!」
男(いきなり前に飛び出てきた!)
トカゲ娘「……」ふしゅぅぅぅぅ
男「……ええと」
男(この子の、向こう側。……大木、いや、その洞か?)
男「……ここには近づいてほしくないんだね?」
トカゲ娘「……」こくり
男(おお、言葉が通じている)
男(……もしかして、ここに住んでいるのだろうか)
男(だとしたら、集落はこの辺には無いのか?) - 13 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/22(金) 12:39:48 ID:lCmLKfq2
- トカゲ娘「……」しゅぅぅぅ
男「あー、と。悪かった。離れるから」
男(相手の顔を見ながら、ゆっくり、あとずさり)
男(野生動物に対するものだけど、まあ大丈夫だろ)じり じり
トカゲ娘「……」
男(小柄だけど身体能力は高いみたいだからな)
男(なるだけ刺激はしたくない)
トカゲ娘「……」すっ
男(立ち上がった。ってことは、警戒は解いてくれたのかな)
男(とりあえずここは覚えておいて、近寄らないようにしよう)ざっざっ - 14 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/22(金) 20:48:53 ID:lCmLKfq2
- ――数日後、廃屋――
男「んー……」ごそごそ
男(持ってきた食料が底をつきそうだ)
男(ちょくちょく採取したものも食べてるけど、野草だけじゃ味気ない)
男(……いや、恋しく無いぞ。実家が恋しいなんてことは断じて無い)
男(……イモ類。適当に植えたら育ったりしないかな)ごそごそ
男(仮に育ったとしても、肉はどうしようもない)
男(自分で食べる用にも、あの子用にも必要)
男「……仕方ない。いよいよ狩りだな」はぁ - 15 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/22(金) 21:06:59 ID:lCmLKfq2
- ……
男(……さて)
男(原始的ではあるが、投石で狩りをすることにしたが)
男(……当たるのかこれ。そして当たったとしても威力は足りてるのか?)
男(くそ、もう少し計画を練ってからこの生活を始めるべきだった)がさがさ
トカゲ娘「……」がさっ
男(……あ)
男「ごめん。まだ干し肉はあげられないよ」
トカゲ娘「……?」
男「肉を切らしてね。これから狩るところだからもう何日か待ってて」
トカゲ娘「……」
男(……あ、香辛料も限りがあるからそれも考えなきゃいけないな)むむむ - 16 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/22(金) 21:51:18 ID:lCmLKfq2
- ……
男(……ああ、これ無理だ)
男(スリングつかっても無理だ)
男(気づかれれば逃げられるし、気づかれなかったとしても)
男(石が大きければ届かないし、小さければ威力が足りなくてしとめられない)
男(……どうしたものか)
ガサッ バキバキバキ ドサァッ
男「っ!」ばっ
男(とっさに身をかがめたけど)
男(……あれ、あの子だ)
トカゲ娘「……」 - 17 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/22(金) 21:55:12 ID:lCmLKfq2
- ガサッ ガササッ
男(……で、あの子の、下)
男(首を変な方向に曲げて痙攣してる、鹿)
男(……うわぁ、流石亜人。一瞬だよ)
トカゲ娘「……」ずるっ ずるっ
トカゲ娘「……」ぽーん どさぁっ
男「うぉわっ!」
男(目の前に持ってこられると結構でかいなこの鹿!)
トカゲ娘「……もってけ」ぼそっ
男「……へ?」
トカゲ娘「……」ばばっ
男(あ、また消えていった) - 18 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/22(金) 22:16:18 ID:lCmLKfq2
- ずるっ ずるっ
男(とりあえず持ってた縄で縛って引きずってるけど)
男(なんでくれたんだろ、あの子)
男(いつもの干し肉のお礼か、あるいはこれを調理してよこせってことか)
男(……まさかとは思うが、狩りができない俺を哀れに思って恵んだとかか)
トカゲ娘「……」じぃっ
男(まだ遠くで見てるし。そんなに心配か。君たぶん僕より若いだろう)
男(くそ、なんかそう考えると情けない気がしてきた)はぁ - 23 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/26(火) 00:16:38 ID:cKsl6ijI
- ……
がさがさ
トカゲ娘「……」ひょこっ
男「来たか……」
男(鹿を引きずって帰った先日、目を皿のようにしてハーブ類を探し)
男(それに残っていた香辛料を加えて調理したこの一皿)
男「……」すっ コトッ
男(これで、鹿肉の借りを返す!)
トカゲ娘「……?」
男(いつもと違うことを感じ取ったようだな。……さあ、思い知れ) - 24 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/26(火) 00:23:40 ID:cKsl6ijI
- ふわぁっ
トカゲ娘「……っ!」ぴくっ
男(香りが届いたようだな)
男(香辛料が口に合うか、なんて、干し肉を喜んで食べていた時点で明白だ)
トカゲ娘「……」ざっ ざっ
男(ふらふらとこちらに寄ってきているな。口をきっちりと閉じているが、唇の向こうはどうなっていることやら)
トカゲ娘「……」ざっ
男(さて、料理の目の前まで来て……)
トカゲ娘「っ」がぱぁ がぶっ
男(口いっぱいに溜まった唾液を! こぼしながら! かぶりついた!) - 25 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/26(火) 00:29:55 ID:cKsl6ijI
- トカゲ娘「……!!」がつがつがつがつ
男(ふふふ、夢中で食いついているな)
男(……そういえば、なんか、妙に近くにいるように見えるような)
男(……って、あ。皿を置いてから距離とってないや、今回)
トカゲ娘「♪」がつがつ
男(道理でこんなうっとりした表情がよく見える)
男「……、ん?」
男(今まで遠かったり、茂みに隠れていたりで分からなかったけど、足首に――)
トカゲ娘「……?」ぴくっ
男「あ」
トカゲ娘「……!?」ばばっ - 27 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/26(火) 00:45:38 ID:cKsl6ijI
- トカゲ娘「……」ふしゅるるるる
男「……いや。威嚇してるけど近づいて来たの君だからな」
トカゲ娘「……」
トカゲ娘「っ」ぷいっ
男(恥ずかしがっている、のか?)
男(……さておき、この子の、足首にあったやつ)
男(くすんで、傷だらけで、輝きを失った金属)
男(足枷、だよな) - 31 :人:外の比率は任せる ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/27(水) 09:45:56 ID:C8Qa/SFE
- ――数日後、廃屋
男(野草はその日使う分だけその都度とれば十分かな)
男(すぐそこに植えておいたイモも、土がいいからかすくすく育っている)
男(案外暮らせるものだなあ。これ)
コンコンコン
男「……っ」
男(来客。通りかかった商人か。あるいは――)ぎりっ
男(……大丈夫。俺が出ようが、そうでなかろうが、あいつらなら押し入ってくる)
男(なら、出てもいい)ぎぃっ
細身の女「おや、人がいたのですか」
細身の女「突然申し訳ございません。私、行商を行っておりまして」 - 34 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/27(水) 23:04:35 ID:C8Qa/SFE
- 男「……、へぇ」
男(この女、よりも、後ろで荷物を引いているやつ)
トロール「……」ゴフーッ ゴフーッ
男(荷物持ち、兼用心棒ってところか)
男「……何の用で?」
細身の女「そこの森で商品に使えそうなものを採取させていただきたいのですが、よろしいでしょうか」
男「いいも何も、俺の土地ってわけじゃあありませんからね」
細身の女「ああ、つまり所有者がいるわけではない、ということで」
男「まあ、そうだと思います」 - 35 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/27(水) 23:12:26 ID:C8Qa/SFE
- 細身の女「それと、何か注意すべきような、危険なことはございますでしょうか」
男(……)
男「と、いいますと?」
細身の女「例えば、そう」
細身の女「亜人が住んでいる、とか」
男(! ……いや、ここは)
男「特に危険なことはありませんよ。精々足元に注意するくらいで」
細身の女「そうですか。ありがとうございます」ぺこり
細身の女「いきましょう、トロール」
トロール「……」こくり
男「……」 - 37 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/28(木) 14:09:27 ID:QKgKeh.Y
- ……
細身の女「……」
トロール「……」ゴフッ
男「……」
男(結局、尾行しているが)
男(流石に心配しすぎだろうか。本当に、ただ商品になるものを採りにきただけかもしれない)
男(けれど、亜人の奴隷は、結構高い)
男(そして、あの子には足枷がついていた)
男(鎖は切れていたけど、重そうな鉄の輪が、両足に)
男(……警戒する必要はある)
細身の女「……、居ましたね」ぼそっ
男「……!」 - 38 : ◆wKJ4P6pC3k 2014/08/28(木) 14:18:00 ID:QKgKeh.Y
コメント一覧
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- 2014年09月10日 21:24
- 低俗かつ情緒に欠けている。
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- 2014年09月10日 21:26
- とかげは新しいなぁ。
真冬とかどうするんだろ。
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- 2014年09月10日 21:34
- これ位の淡々とした空気はSSとして丁度良いと思うけどな
テンプレキャラのイチャイチャを延々とするSSに比べれば
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- 2014年09月10日 21:35
- 良いね
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- 2014年09月10日 21:35
- ドロヘドロかな?
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- 2014年09月10日 21:40
- これはきれいな我那覇くん
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- 2014年09月10日 22:00
- 自給自足物は面白いな。
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- 2014年09月10日 22:03
- 若い命が真っ赤に燃えて~♪
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- 2014年09月10日 22:31
- 爬虫類はないなー
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- 2014年09月10日 22:39
- 急展開杉
面倒になって投げたな
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- 2014年09月10日 22:59
- 変にグチョグチョなエロ書かれるよりこういう淡々としたのでいいんすよ
読みやすいし
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- 2014年09月10日 23:12
- ワイはすきやで
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- 2014年09月10日 23:20
- 次回作待ってる
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- 2014年09月10日 23:21
- トカゲのおっさんしか思い浮かばなかった
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- 2014年09月10日 23:54
- イグアナの娘と聞いて
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- 2014年09月11日 00:03
- 俺は好きよ