カンフー真紅 ~悪寒と頭痛と、時々、嘔吐~
- 639 :名無しさん@避難中:2014/09/09(火) 20:45:21 ID:323Clv1Y0
- §桜田家の庭
真紅「アチョーーーーッ!!! ハイッ! ハイッ! ハイヤーーーー!!!」
ジュン「何やってんだ真紅…? 朝っぱらから庭で大きな声を出して」
真紅「あらジュン? これはね、見てのとおり修行よ。カンフーよ」
ジュン「カンフー? 見る限りその変な木人相手に殴る蹴るを繰り返していたようにしか…」
真紅「私は最近の自分を見つめなおした結果、あまりにアリスとして腑抜けていたことに気付いた。
まあ、もともと人形だから最初から臓腑とか無いんだけれども」
ジュン「ほう?」
真紅「アリスの名の上に胡坐し、日々を欲望のままに溺れ、ジュンとの爛れた生活を送っていた自分が恥ずかしい」
ジュン「爛れてないっつーの。僕までお前の堕落しきった『食っちゃ寝生活』の原因みたいに言うな」
真紅「この生活態度を改め、貴族的精神を取り戻すためのカンフーというわけよ」
ジュン「……」
真紅「無心でこの木人を打ち据えるうちに自らの精神性が研ぎ澄まされ、浄化されていく。
ノーカンフー・ノーアリスの悟りを私は拓いたのだわ。すごいね人体」
ジュン「へぇー」
真紅「アイヤーーーーーッ! ハイッ! ハイッ! ソイヤッサ!!! チョリソーーーッ!!」
ジュン「何をしようが真紅の勝手だが、あんまり大声出すなよ。近所迷惑だからな」
真紅「シャウトなくして開放のカタルシスは有り得ないわジュン」
ジュン「お前はカタルシスでも、他人はフラストレーションだっつーの」
- 641 :名無しさん@避難中:2014/09/09(火) 20:51:11 ID:323Clv1Y0
- §それから数時間後・桜田家のリビング
のり「あれ? もうお昼の時間なのにヒナちゃんも真紅ちゃんも翠星石ちゃんもいないわ」
ジュン「そうだな」
のり「ジュン君、何か聞いている? 三人とも遊びに行っちゃってるのかしら」
ジュン「さあ。雛苺と翠星石の行方は全然分からないけど真紅は…、てアイツまだ庭でカンフーやってるのか?」
のり「もし、そうだったらジュン君、真紅ちゃんだけでも呼んできて~」
ジュン「はいはい…」
- 640 :名無しさん@避難中:2014/09/09(火) 20:49:40 ID:323Clv1Y0
- §再び桜田家の庭
真紅「キエーーーッ!!!」
ジュン「うわっ、すっげ! まだやってる。木人ボロボロじゃん真紅。それより、もう昼飯の時間だぞ」
真紅「ふぅーーーっ! 私としたことがついつい没我の境地に達してしまったわ。そしてついに極めた」
ジュン「ずっと修行していたのは感心だが、半日足らずで極められるものじゃないだろ…カンフー」
真紅「いえ、私が極めたのは最早カンフーではない」
ジュン「はい?」
真紅「私が極意を得たのはショーリンケン、カンフー…つまり東洋の神秘の格闘技カラテ!!」
ジュン「何故そうなる」
真紅「一を知り十を極める乙女である真紅様にとって、この程度のことは朝飯前…いえ、昼飯前よ」
ジュン「上手いこと言ったつもりか」
真紅「見なさいジュン! これこそが私のファイナルカラテアーツ! アリス突きよ!!! あちょーっ!」ズドッ
ジュン「おおっ! 真紅の正拳突きで木人が木っ端微塵に!!?」
真紅「こおおおおおおお」プルプルプル
ジュン「…気持ちよく残心を決めているところ悪いが、この技って結局いつもの真紅の
パンチのインパクトの瞬間にローズテイルも撃ってダメージを超アップさせるってやつだろ?」
真紅「ふ、流石ねジュン。よくぞ見抜いたわ」
ジュン「だったら修行カンケーないじゃん」
真紅「前言撤回、とんだフシアナねジュン。たとえ同じ技であろうとも、カンフーの奥義を得た
この真紅様のファイナルカラテアーツは以前の真紅フィンガーの威力をはるかに底上げしている」
ジュン「……」
真紅「よく確かめてみなさいジュン、この木人の残骸を」
ジュン「ああっ! 木人の胴体の中心には鋼鉄の芯が入っていたのか!!?」
真紅「これで私の力の成長ぶりも分かったはず」
- 642 :名無しさん@避難中:2014/09/09(火) 20:52:54 ID:323Clv1Y0
- ジュン「一体全体なんなんだッ!? 何がそこまで真紅を荒ぶらせていると言うんだッッ!!?」
真紅「全ては来たるべき真・アリスゲーム…いえ、真紅ゲームのためによ」
ジュン「し、真紅ゲーム!!!!?」
真紅「私はアリスゲームを制し、アリスとなったわ。けど私は実際にはアリスすら
一段飛びに越え、超真紅となっていた。これはお父様も認めているところ」
ジュン「そ、そう言われれば確かに…っ!?」
真紅「いまや薔薇乙女ヒエラルキーは、超真紅>>(越えられない壁)>>アリス(笑)>>水銀燈、他姉妹>>薔薇水晶」
ジュン「薔薇水晶ディスるのはお約束なんですか真紅さん」
真紅「つまり、水銀燈とかが目指しているのはアリスなどという概念的存在ではなく、この真紅そのもの!」
ジュン「…!!!」
真紅「私を倒し、私のミスティカを吸収した者こそが次世代超真紅へと進化する。それが真紅ゲーム」
ジュン「マジか…!?」
真紅「ゆえに私はディフェンディングチャピオンとして心身ともに鍛えなおす必要があったというわけ」
ジュン「……」
真紅「今朝からまったく姿を見せない雛苺や翠星石もきっと何処かでその牙を砥いでいるに違いない」
ジュン「そうだったのか」
- 643 :名無しさん@避難中:2014/09/09(火) 20:53:13 ID:323Clv1Y0
- 翠星石「ふっふっふ! そのとーりです!」ジャンッ
雛苺「ヒナ達、チャンポンになるためにモートックンしたの!」ジャジャン
真紅「きたわね、マイシスターズ!」
ジュン「翠星石! 雛苺!」
翠星石「この真紅ゲームを制し翠星石こそが次世代真紅…いやさ、それをも超えた初代翠星石として君臨するのです!」
雛苺「うにゃにゃ! ヒナだって初代雛苺になって、たっくさん銅像を建ててもらうのー!」
真紅「くっくっく、い~い感じで野心で眼を燃やしているわね。薔薇乙女たる者すべからくそうでなければ」
翠星石「さあ早速勝負ですよ! 真紅ゲームの始まりですぅ!」
雛苺「始まりなのー!」
真紅「いいわ、どこからでもかかってきなさい」
翠星石「余裕ですね真紅。ですが、チビ人間の家の猫の額のような庭では勝負しづらいです!」
雛苺「いつもの空き地で勝負するの!」
真紅「よし、では空き地に行きましょう! でも、その前に!」
雛苺「その前に?」
真紅「お昼ご飯らしいから、食べてから真紅ゲームを始めましょう」
翠星石「それもそうですね」
雛苺「わぁい」
ジュン「……」
- 644 :名無しさん@避難中:2014/09/09(火) 20:54:07 ID:323Clv1Y0
- §昼食後・空き地にて
真紅「さて、かかってくるのはどっちから? 二人同時でもいいわよ」
翠星石「なめるなですよ真紅! 最初は翠星石が相手ですぅ!」
雛苺「翠星石、あいと! あいとーなの!」
蒼星石「翠星石! 今こそ特訓の成果を見せる時だ!」
オディール「ゲコクジョーですねー!」
巴「この勝負、一体どうなるのか。読めない…展開が全く」
ジュン「いつの間にか、ギャラリーが増えているんですけど、皆さんはどういうご関係で?」
蒼星石「あ、僕は翠星石のトレーナー兼セコンド」
オディール「私とトモエ=サンは雛苺のコーチです!」
ジュン「ああ、そう…」
- 645 :名無しさん@避難中:2014/09/09(火) 20:56:53 ID:323Clv1Y0
- 真紅「まずは翠星石、あなたと勝負というわけね。言っておくけど今の私はカラテマスターであり
カンフー真紅と呼んでもいいほどの武術の神様的存在よ。それでもいいのよね本当に」
翠星石「ふ、付け焼刃でカラテを修めた気になっている真紅なんぞ屁でもねーです!
翠星石だって午前中は蒼星石と血の滲むような特訓をしていたですぅ!」
蒼星石「僕達、人形だから実際は血が出ないけどね」
翠星石「そして翠星石がマスターしたスキルこそがこれです!」ジャララッ
雛苺「うにゃっ! 翠星石が武器を取り出したのよ」
巴「あれは鎖鎌だわ!」
オディール「ワオ…凶器…!」
真紅「それがあなたの真の武というわけ?」
翠星石「いかにもです! さあさあ、この翠星石の素早いクサリガマ捌き! かわせるですかぁ~?」ヒュンヒュン
ジュン「うわわわっ! めちゃくちゃに鎌を振り回し始めたぞアイツ!」
蒼星石「みんな危ない! 翠星石は手元がすっぽ抜けることがある、離れるんだ!」
ジュン「全然マスターできてないじゃないか! 付け焼刃なのはどう見ても翠星石の方…ッッ!」
蒼星石「まあ、今日の午前中だけの特訓だったからね。でも、僕もできるだけのインストラクションはしたよ!」
オディール「ど、どんなことを翠星石にレクチャーしたのです? 蒼星石!?」
蒼星石「とりあえず翠星石の使っている鎖鎌の鎌の部分は安全性を考えてゴム製になっている」
ジュン「それインストラクションじゃないだろ」
巴「でも至極まっとうな判断だと思うわ」
オディール「馬鹿とクレイジーに刃物はトテモ・アブナイですからね」
蒼星石「真紅のカンフーも、カンフーパンダ見て今朝からやり始めたことらしいし、これはいい見せも…勝負だ!」
ジュン「今、見せものって言いかけただろ」
- 646 :名無しさん@避難中:2014/09/09(火) 20:57:35 ID:323Clv1Y0
- 雛苺「うゆゆ! 翠星石が仕掛けたのよ!」
翠星石「ずおりゃーーー! くらえです真紅! クサリガマ奥義! オロチスプラッシューーーッッ!」
真紅「こ、これは…!?」
蒼星石「あれこそは究極奥義、オロチスプラッシュ!」
オディール「知っているのですか蒼星石!?」
蒼星石「勿論だとも! 適切に鎖鎌を振り回すことで、蛇のように予測不能なカマの軌跡が相手を襲う!」
ジュン「どうみても適切じゃなくて、テキトーにカマを投げつけているだけに見えるが」
雛苺「で、でも真紅の方は翠星石の前に手も足も出ないのよ!」
巴「ヒナの言うとおりね、真紅ちゃんは防戦一方」
ジュン「そりゃまあ、馬鹿が刃物振り回しているんだ危ないだろ(本当はゴムだけど)」
真紅「うぬぬ…」
翠星石「ふっふっふー! 紙一重でよ~く避けているですね真紅! ですが、いつまで続くですかーっ!」
巴「危ないわ、刃物に慣れていない人が振り回す刃物は…それゆえに危険!」
オディール「とらぬラクーンの皮算用とは正にこのことですねッ!」
ジュン「全然違うよ」
- 647 :名無しさん@避難中:2014/09/09(火) 20:58:35 ID:323Clv1Y0
- 翠星石「がはははははは! 大口叩いていたわりに手も足も出んですか真紅!
がーはっはっははははは! がーはははっはっはっはっはっはっは!!!」
真紅「く…」
ジュン「出たよ、翠星石の馬鹿笑い」
雛苺「久しぶりに聞いたのよ」
蒼星石「だが翠星石は絶好調だ! 今のところ鎖鎌がすっぽ抜ける兆しもない!」
巴「この空き地はドラえもんに出てくる空き地とほとんど同じ構成。
ジャングルジムとかを使って鎖鎌を封じることもできないわ」
オディール「万事リラックスですか…!」
ジュン「唯一、逃げ込めそうな場所は横に積まれている土管の中だけだが…」
翠星石「ふっふっふー! 逃げ込んでみろです真紅ぅ! 狭い場所なら鎖鎌は使えないかもしれないですよ~」
真紅「…そうね! そうさせてもらうわ!」クルッ
翠星石「チャンス! 逃げ込むために背
- :-:2014/09/10(水) 18:46:29
- とうとうゲロがメインの話を作りやがった!
- :-:2014/09/10(水) 18:57:05
- 憎しみを生むゲロを、憎しみを育てるゲロを全て吐き出せ!
どうして薔薇乙女の使う拳法は内臓へのダメージに重点を置いているんだ・・・? 内臓ないのに
- :-:2014/09/10(水) 19:16:02
- ローゼンss内ですらポルナレフをディスる管理人に草不可避
薔薇乙女が頻繁に嘔吐する二次創作が読めるのはSLPYだけ!
- :-:2014/09/10(水) 19:35:25
- カンフー映画によくあるNGシーン集はないのかと思ったがよく考えたら全てNGシーンだった、起訴。
- :-:2014/09/10(水) 20:25:43
- こいつらいつもゲロ吐いてんな(褒め言葉)
- :-:2014/09/10(水) 21:34:26
- 少女として高みに昇るほどゲロを吐きやすくなるんですね
- :-:2014/09/10(水) 21:47:03
- さりげなくポルポルくんを貶すのはやめてさしあげろ
- :-:2014/09/10(水) 23:00:08
- ポルナレフは彫刻家として 十年修業を積んだのだ…
ほら、だから魔術師の赤がこんなにそっくり…!
- :-:2014/09/10(水) 23:01:16
- 蒼い子カワイソス
- :-:2014/09/10(水) 23:27:29
- 真紅、さすがにチョップ概念となるにはクンフーが足りなかったか・・・
カラテだ、カラテあるのみ
- :-:2014/09/10(水) 23:33:25
- 誰が元祖だかうっかり忘れてしまうくらいゲロに定評のある真紅になりかかってるな