福島第一原発事故をめぐり、政府が吉田昌郎(よしだまさお 享年58才)所長への聞き取り調査

をまとめた「吉田調書」について、朝日新聞が事実と異なる報道をしていたと謝罪しました。

画像:【吉田昌郎所長】
吉田昌郎所長
http://www.theaustralian.com.au/news/world/fukushima-boss-masao-yoshida-breaks-silence-on-disaster/story-fnb1brze-1226448211757?nk=854a18e59c14118d9533ea118457116e

朝日新聞は今年5月20日付けの朝刊で、「吉田調書を入手した」とするスクープ記事を掲載。

その中で

「東日本大震災から4日後の平成23年3月15日朝に、第1原発の所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ離れた福島第2原発へ撤退した」
「東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきた」
「葬られた命令違反」

と報じ、国内外に衝撃を与えました。

一方、産経新聞などが入手した情報では朝日新聞とは異なり、職員は吉田所長の指示通りに行動したとし、

意見が対立。

情報が錯綜する中、政府は9月中に「吉田調書」を公開すると発表。

朝日新聞内外からは政府が公表する前に事実関係を明らかにするべきだとの批判が寄せられていました。

そうこうしている内に11日、政府は公式サイトで「吉田調書」の全文を公開。

政府の公式サイト

菅義偉官房長官は記者会見で

「吉田元所長のヒアリング記録の一部のみ、断片的に取り上げられた記事が複数の新聞に掲載され、独り歩きとの本人の懸念が顕在化した」

と公開した理由を述べました。

また同日、朝日新聞は本社(東京都中央区)で会見を開き、「所長命令に違反、原発撤退」と報じた記事は

誤りだったと認め、謝罪しました。

木村伊量社長は

木村伊量社長
http://sankei.jp.msn.com/affairs/photos/140911/crm14091120440031-p1.htm

「吉田所長の発言を紹介して、過酷な事故の教訓を引き出し、政府に全文公開を求める内容でした。
しかし、その後の社内での精査の結果、吉田調書を読み解く過程で評価を誤り、命令違反で撤退という表現を使った結果、多くの東電社員らがその場から逃げ出したかのような印象を与える間違った記事だと判断致しました。
『命令違反で撤退』の表現を取り消すとともに、読者および東電のみなさまに深くおわびを申し上げます」

と語り、報道部門の最高責任者である杉浦信之編集担当取締役を職から解き、自らの進退については

「むろん経営トップとして私の責任も逃れません。
報道にとどまらず、朝日新聞に対する読者の信頼を大きく傷つけた危機だと重く受け止めており、私が先頭に立って、編集部門の抜本改革など、再生に向けておおよその道筋をつけた後、速やかに進退について決断します。その間は社長報酬を全額返納します」

とし、事実上、辞任するとみられています。

ただし、「吉田調書」の存在を同社が取り上げた意義はあったとし、

「吉田調書は朝日新聞が独自取材に基づいて報道しなければ、その内容が世に知らされることはなかったかもしれませんでした。
世に問うことの意義を大きく感じていたものであるだけに、誤った内容の報道になったことは痛恨の極みでございます」

としました。

福島第1原発の収束作業に従事した東電協力会社の30代社員は「吉田調書」の公開を受けて、次のよう

に語っています。

「普通の人が逃げるところに俺たちは行ったんだよ? そんな連中が吉田昌郎所長の命令に違反して逃げるわけがない。朝日新聞の報道は当初から誤報だと思って黙殺していた」

「無名でも、爆発が止められればいいと思ってきた。
ただ、今年5月、朝日新聞が「所長命令に違反」と報じたときは、東電社員のなかにも悔しがる人がいた」

「吉田さんは本当にいい人だった。朝日新聞がどう報じようが訂正しようが、俺たちの功績も変わらない」

(引用元:http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140911/crm14091120060029-n1.htm)

また木村社長は会見で「慰安婦問題」にも触れ、

「今日の会見は吉田調書に関してですが、この間ご指摘いただいている慰安婦報道についても説明させていただきます。(8月)5、6日に、慰安婦問題の吉田清治氏の証言は虚偽と判断し取り消しました」

「ただ、記事を取り消しながら謝罪がなく批判をいただきました。反省するとしましたが、事実を旨とする報道であるべきでした。誤った報道と謝罪が遅れたことにおわび申し上げます」

「PRC(朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」)と別に、ジャーナリストや歴史学者で第三者委員会を立ち上げ、特集紙面の妥当性と朝日の慰安婦報道が妥当だったか徹底して検証し、この結果を紙面でお知らせします」

「吉田調書のような調査報道や慰安婦のような報道は読者の信頼があってこそです。今回の事態を大きな教訓としつつ、さまざまな批判に耳を澄まします。初心で組織を再構築します。厳しく見守っていただければと思います。よろしくお願いいたします」

と語りました。

今回の件に【ネットの声】は・・

  • 情けない
  • 自社にケチつける他社に抗議してたよなぁ・・
  • 政府が公表した後に謝罪ね
  • 吉田証言を元に拡大解釈していたってこと?
  • 廃刊はよ
  • どのくらい部数減るのかな
  • 株価大丈夫か?
  • 大きな国益失って謝罪した位じゃ済まんよ
  • まぁ誤報のおかげで吉田調書公開にかぎつけたのは評価する
  • それにしては犠牲になる物が多すぎたな

などがあるようです。

「吉田調書」「慰安婦問題」と立て続けに誤報が報じられ、失態を重ねてしまった朝日新聞。

大きな信用を失いました。