上条「バレンタインをぶっ飛ばせ!」|エレファント速報:SSまとめブログ
上条「バレンタインをぶっ飛ばせ!」
- 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:04:43.28 ID:IvKslDLro
・スレタイ通り今更ネタ
・キャラ崩壊あり
・たぶんほのぼの
・特定カップリングのエンディングなし
- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:05:26.46 ID:IvKslDLro
青髪 「今日集まってもらった理由は分かってもらえてると思うんやけど、もう一回説明するわ」
上条 「土御門、マリオカートやろうぜ、マリオカート」
土御門「……カミやん、バイクしか使わないしにゃー」
上条 「いや、おまえらだってそうだろ? いいじゃん、マリオカート」
青髪 「きたる十四日! 二月の十四日の月曜日! 何の日かは言わずもがなって感じやけど……」
上条 「じゃあスマブラやろう。デラックスの方」
土御門「何で今更ゲームキューブの方なんだにゃー?」
上条 「俺、未だにジャンプの浮遊してる感じに慣れないんだよなぁ……」
青髪 「聞けや君たち」
- 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:05:56.98 ID:IvKslDLro
上条 「さっきから何だよ、青髪。二月十四日二月十四日って、そんなに二月十四日が大事かよ」
土御門「最近、耳にする回数が多すぎて、来てもいない二月十四日に食傷気味だぜい」
青髪 「……君らね、もうこういうやりとりするのも飽き飽きって感じやけど、二月十四日が何の日か知らないわけやないでしょ?」
上条 「グラハム・ベルが電話の特許を申請した日だろ? 『ワトソン君、用事がある。ちょっと来てくれたまえ』の人」
土御門「『夕焼け小焼け』を作曲した草川信の誕生日かにゃー」
上条 「夕焼ーけ小焼ーけーの、って奴?」
土御門「いんや。そっちは赤とんぼだぜい」
青髪 「ええねんそういうの……。
そういう『二月十四日って何の日?』って聞かれたときに核心から話題を逸らす為に用意しておいた答えはええねん……」
- 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:06:23.10 ID:IvKslDLro
上条 「……言えよ。聞いてやるよ。
ただ覚えておけよ青髪、それを言ったが最後、おまえの心も自分の言葉によって深く抉られるって事を……!」
青髪 「え、なに? そんなシリアスになるようなタイミング? ここ」
土御門「どっちも大袈裟だにゃー。たかだかバレンタインくらいで」
青髪 「え、話題避けた割に、あっさり言うてまうん?」
上条 「……ぐ、グググ、ぐォおオぉォ……ばれン……たいン……!」
青髪 「カミやんはカミやんで、何で呻いとるん……?」
土御門「バレンタインなんて、所詮チョコレート業界の策略だにゃー」
青髪 「本当は欲しいのにもらえない男子の定番の言い訳やないのそれ……」
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:06:49.39 ID:IvKslDLro
上条 「や、やめろよ! 男三人でバレンタイン前に集まって、チョコだとか何だとかそういう話しなくたっていいじゃねえか!」
青髪 「いや、まだ何も言うてないんやけど」
土御門「つってもにゃー。もらえないことが確定してると、イベント意識なんて逆に薄れちまうもんだぜい」
上条 「もらえないって言うな!」
青髪 「まあ、そんで、三日後に迫る十四日に向けて対策を取るために集まってもらったわけなんやけど……」
上条 「対策?」
土御門「対策……かにゃー?」
青髪 「そ、対策。男として生まれたからにはバレンタインがドキドキとワクワクと絶望の日なのは確定事項や」
上条 「……絶望って言うな、ホントに」
青髪 「すまんカミやん。話進まんから、ちょっちガマンしてな」
- 6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:07:15.55 ID:IvKslDLro
青髪 「それで、や。バレンタイン。ギャルゲーで一月か二月から物語が始まったら、確実にイベント起こる日やで」
上条 「こういう場合はギャルゲー脳って言うのか? 現実とごっちゃにするんじゃねえよ。何もないよ。ただの平日だよ」
土御門「なんつーか、カミやんはもうちょっと期待してもいいと思うんだけどにゃー」
上条 「ねえよ……なんだかんだでガックリ肩を落として家に帰ることになるんだよ。期待させんな土御門」
青髪 「カミやんが言った通り、今年のバレンタインは月曜、平日やね」
上条 「それが?」
青髪 「バレンタインが日曜だったりすると、結構めんどくさいわけですよ、予想が。
でも今年は月曜やから、その日に起こることが集中することが分かる。
日曜だと、当日のみならず、その前の金曜と次の月曜も含めて、計四日やから……」
土御門「計四日、期待しては裏切られ、を繰り返すはめになるってわけだにゃー」
上条 「一日で済む今年はだいぶ楽ってことだな……気分的に」
- 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:07:41.37 ID:IvKslDLro
青髪 「バレンタイン……この時期、憂鬱やねん。いや、いいのよ、どうせもらえないし、もらえても義理やから」
上条 「まぁ、そう……かな」
土御門「でも、十四日が近くなると、男子と女子の間に見えざる壁が出来るぜよ。男子も女子もソワソワしはじめるし」
青髪 「そう! 特に男子! 頼むから廊下に出るのはやめろや! 教室に居づらいねん!」
上条 「ああ、まぁ、それはあるよなぁ……」
土御門「……カミやん、さっきから反応が他人事みたいだにゃー」
上条 「えっ。あ、いや。どうせもらったこともないはずだし、他人事みたいなもんだろ、実際」
青髪 「……『はず』?」
上条 「いや、ホント何でもないから。大丈夫、続けて」
- 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:08:07.19 ID:IvKslDLro
青髪 「それで、一応、一応な。聞いとこう思うんやけど、君らふたり、チョコをもらえるアテは?」
上条 「…………」
土御門「どんなんだにゃー? カミやん」
上条 「お、俺?」
青髪 「他に誰がおるねん」
上条 「……俺は別に……」
上条 (禁書目録には期待できないだろうし……かと言って他にくれそうなアテもないし……)
上条 (小萌先生が義理でチロルチョコくれるかもってくらいかなぁ……そのときはみんなにだろうけど)
上条 「……うん。ないな」
青髪 「えっ」
上条 「えっ」
- 9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:08:59.78 ID:IvKslDLro
青髪 「……ないん?」
上条 「いや、ないよ。ホントに」
土御門「……にゃー」
青髪 「……なんか怪しい自己申告やけど、まぁおいとこか。つっちーはどうなん?」
土御門「義妹」
上条 「オーケイ、てめえは俺を怒らせた」
土御門「――からはもらえないんだにゃー。残念ながら」
上条 「えっ」
青髪 「え、なんで?」
- 10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:09:25.96 ID:IvKslDLro
土御門「……いや、舞夏の奴、今年はなんだか張り切ってたんだにゃー。「どんなのがいい?」とか聞いてくるくらい。
受け取る側にそんなの聞くなって言ったんだが、妙にひとりで盛り上がってたんだにゃー」
青髪 「……それで?」
土御門「そしたらな、カミやんにも渡すとかいいはじめたんだ」
上条 「は」
青髪 「……ん?」
土御門「……にゃー」
青髪 「……カミやん」
上条 「は、はい?」
青髪 「さっそくカミやんの自己申告の誤りが発覚したわけなんやけど」
上条 「ちょ、待て! ひとまず土御門の話の続きを聞こう!」
- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:09:52.40 ID:IvKslDLro
土御門「カミやんに渡すっていうんだぜい? 何で? って聞いたら、「なんとなく」って」
土御門「……なんとなくってなんだって言うんだにゃー」
上条 (……なんか怖え……)
土御門「気合入ってたし、楽しそうだったし、別にいいかとも思ったんだが、
カミやんに渡すのを考えてウキウキしてるんだと思うと……」
土御門「……殺してえ、と……」
青髪 「いや、怖すぎですよつっちー」
土御門「だから、「カミやんに渡すのはやめとけ」って言ったんだにゃー」
上条 「おい、オイ待て土御門、テメエなんてことしてくれてやがる」
土御門「テメエこそなに人の義妹たぶらかしてんだにゃー! 万死に値する!」
青髪 「いや、ええねん。とりあえず落ち着けや君たち。つっちー、続けて」
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:10:19.15 ID:IvKslDLro
土御門「そしたらめちゃくちゃ嫌な顔されて、それでも頼み込んでみたんだにゃー。カミやんにチョコはやめるんだーって」
上条 「……おまえと俺は相容れない関係なのかもな」
土御門「そんで、なんやかんやでカミやんにチョコを渡すのを阻止できたんだが、その影響で俺の分のチョコもナシにされ……」
青髪 「……得るものは何もない戦いやったんやね」
土御門「いやもうホントに」
上条 「……なんてことしやがる……チョコが……」
土御門「……俺もつらかったんだにゃー」
上条 「いや、そもそもおまえが余計なこと言わなきゃどっちも幸せだったろうが!」
土御門「男には、それでもやらなければならない瞬間ってものがあるんだぜい」
上条 「そういうキメっぽいセリフ吐くタイミングじゃないから、今」
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:10:45.79 ID:IvKslDLro
青髪 「……まぁ、ふたりともチョコもらう予定はないんやね」
土御門「未知の女性から告白を受ける可能性は、十四日が過ぎるまで消えないにゃー!」
上条 「……十四日の記憶を失ってしまうというのはどうだろう。
そうすればチョコをもらった可能性ともらわなかった可能性は量子論的には同時に存在できる……」
青髪「エセシュレディンガーの話はええから。絶対間違おとるし。とにかく、まぁボクら三人、非モテってことなんやけど」
上条 「や、やめろ! 明確な言葉にするのはやめてくれ……!」
土御門「俺は舞夏さえいればそれでいいにゃー」
青髪 「まぁ、義妹がいても非モテは非モテやね」
土御門「……」イラッ
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:11:11.94 ID:IvKslDLro
上条 「それで、青髪。結局おまえは何が言いたいんだよ」
青髪 「……ボクな、思うねん」
青髪 「『男』という字と……『恋』と言う字ほど不似合いな字はないって……」
土御門「…………」
上条 「…………」
上条 「……え、それが何?」
青髪 「あ、あれっ? 不似合いですよねっ?」
上条 「……いや、まぁ……」
青髪 「あれ? 何この空気! 反応薄ッ!」
- 15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/02/21(月) 08:11:38.90 ID:IvKslDLro
上条 「まぁ、確かに不似合いっつーか……気持ち悪い感じはするな。「男」と「恋」」
土御門「でも、それがなんだっていうんだにゃー?」
青髪 「な、なんだもなにもないでしょう! バレンタインだのなんだのにうつつを抜かす男なんて気持ち悪いじゃないですか!」
上条 「……なんか敬語になってる」
土御門「イントネーションは関西弁のままなのが不思議なところだぜい」
上条 「……まぁ、恋だの何だの言ってる男は気持ち悪い……かも知れない」
青髪 「ですよね?! ボク間違ってないですよね!?」
土御門「いや、だから、それがなんだっていうんだにゃー」
- 16:VIPにかわりま