薔薇乙女のうた『パジェロ・パジェロ・パジェロ』
- 663 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18:30:29 ID:MOeUDCwQ0
- §桜田ジュンの部屋
真紅「ねえ? どう? 歪んでない? 私のボンネット(帽子)、ちゃんと真っ直ぐになってる?」
翠星石「大丈夫です。パリッと決まってるですよ真紅」
雛苺「うにゃーっ! 翠星石に整えてもらったヒナのリボンがほどけたのー!」
翠星石「ああもう、何やってるんですか。もうすぐ出発の時間だと言うですのに! バカチビ~」
雛苺「だって、何だかゆるい気がして自分で付け直そうと思ったらぁ…」
翠星石「翠星石はこれから、できたてのスコーンを包まねばならんのですよ! リボンをやり直してる暇はないです」
雛苺「みゅぃ…」
真紅「仕方のない子ね、じゃあ今度は私がリボンを整えてあげる」
雛苺「ありがとうのなの~」
- 664 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18:32:53 ID:MOeUDCwQ0
- ジュン「…随分と慌てて、おめかししているようだが今日は何のイベントだ? 合コンか?」
真紅「つまらない冗談はよして頂戴ジュン」
雛苺「今日はお父様に会いに行く日なのよね!」
ジュン「え? ローゼンさんに?」
翠星石「そうです!」
真紅「最近はnのフィールドのあちこちに研究旅行だなんだと忙しいお父様が
今日は特別に私達とキャッキャウフフする時間を作ってくださったのだわ」
ジュン「あの人もアリスゲームの輪廻から解き放たれてフットワーク軽くなったもんだな」
雛苺「うぃ! シツメイの無いようにヒナ達は礼儀正しくするの!」
ジュン「シツメイ(失明)じゃなくて失礼の無いようにだ。まあ、目どころか顔がごっそり無いけどローゼン」
翠星石「最近、旅行先の土産物をあの顔の抉れたスペースに置くのがお気に入りらしいですよ」
真紅「そういえば白薔薇が偶然この間お父様に会った時はイセエビのフィギュアを置いてたらしいわ」
翠星石「マジですか。流行の最先端に立ち続けているですね、お父様は!」
雛苺「今日はどんな顔しているか楽しみなのよ!」
ジュン「……」
翠星石「うぉっと! チビ人間とくだらぬトークをしていたせいで、さらに時間が無くなって…!」
真紅「あらやだ! 本当に急がなくちゃ! 待ち合わせ時間に少しでも遅れたりしたら
水銀燈に半年ぐらいの間、顔あわせるたびに嫌味を言われるわよ!」
雛苺「水銀燈の人、ヒナ達が遅刻した時間を秒単位で数えてそうなのよね」
ジュン「待ち合わせってことは薔薇乙女全員集合して行くのか」
真紅「当然でしょ。ただし薔薇水晶テメーはダメだ」
ジュン「だから薔薇水晶ディスるなって。しかも本人いないところで」
翠星石「薔薇水晶の前でならディスってもいいんですか?」
ジュン「そういうわけじゃあ…」
雛苺「うにゃーっ! もう出発しなきゃなのよ! 真紅、翠星石!」
翠星石「うおっと! またもやチビ人間の時間泥棒ぶりにしてやられたですぅ!」
真紅「大丈夫! 走ればまだ間に合うわ! 行くわよ!」ドタバタ
雛苺「うぃー!」ダバダバ
翠星石「おー!」ズダダダ
ジュン「急ぎすぎて、こけるんじゃないぞー」
- 665 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18:34:58 ID:MOeUDCwQ0
- §nのフィールド・集合場所・予定時刻まであと二分
水銀燈「遅い…! 桜田家の三馬鹿、今日のこと忘れてるんじゃあないでしょうね」イライラ
蒼星石「まあまあ落ち着いて水銀燈。ほら、まだ集合時間前だし」
水銀燈「五分前集合が基本でしょ! 折角のお父様と会える日なのよ! 一秒たりとも
無駄にはできない。集合時間になったら、あの子達が来てなくても出発するからね」
蒼星石「だ、大丈夫だから。きっともうすぐ来るから翠星石達は…」
水銀燈「本当でしょうね?」
蒼星石「…うーん、こんな事なら桜田家に寄ってくれば良かったか」ボソッ
水銀燈「蒼星石、何か言ったぁ?」
蒼星石「あ、いや! 何でもない! えーと、気晴らしに金糸雀と雪華綺晶のトークに参加したら? 水銀燈」
水銀燈「は?」
蒼星石「面白そうなクイズを出し合っているみたいだよ、ほら」
水銀燈「……」チラリ
雪華綺晶「お父様は失った愛娘を取り戻すために七体の人形を作り戦わせました。何故?」
金糸雀「ゲイのサディストだから」
雪華綺晶「正解です」
水銀燈「正解なわけあるかーーーっ!!!」ビシュッ
雪華綺晶「く、黒薔薇のお姉様!?」
金糸雀「羽根を飛ばすのはやめてかしら!! ジョーダン! ジョーダンよ!」
雪華綺晶「そうですわ! ただ単に暇を持て余した…」
金糸雀「乙女達の…」
金&雪「「遊び」」
水銀燈「……」ビシュシュシュシュシュ
雪華綺晶「ですから羽根を撃つのをやめてくださいませ、お姉様…!」
金糸雀「痛い痛い! 無言で攻撃はやめて! 痛いかしら! 体も心もー!」
- 666 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18:35:51 ID:MOeUDCwQ0
- ???「おお~い! おお~い!」
水銀燈「…? この声は」
蒼星石「あ、見て! 来たよ! 翠星石達だ!」
翠星石「ふー、どうやらギリギリセーフのようですねぇ」
真紅「だから言ったでしょ。走れば間に合うって」
雛苺「みゅ~、でももうヘトヘトなの。これからお父様と遊べるのにぃ…」
雪華綺晶「これで全員そろいましたわね」
金糸雀「かしら」
水銀燈「けど、遅い。ギリギリセーフじゃなくてアウトよ、アウト。247秒の遅刻」
翠星石「うぐっ! そ、そんなの誤差の範囲じゃねーですか水銀燈」
真紅「やっぱり嫌みったらしくカウントしていたわね」
雛苺「ヒナ、水銀燈の人のそういうところチョー苦手なの」
水銀燈「うるっさい! あんたらが遅刻しなければいいだけの話でしょうが!」
雪華綺晶「どうどう、落ち着いて黒薔薇のお姉様」
蒼星石「こんなところで喧嘩していても、それこそ時間の無駄だ」
金糸雀「早くお父様のところへ行きましょう、みんな」
水銀燈「……」
翠星石「そうですそうですぅ! ほらほら急げです水銀燈」
真紅「まったく癇癪もちの長女のせいで余計なタイムロスだったわ」
雛苺「困っちゃうのよね」
水銀燈「……」
- 667 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18:41:35 ID:MOeUDCwQ0
- §nのフィールド某所・ローゼンの家
○o
゜._/\
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|| 田 ||
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| | -_ λλλλλλλ
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水銀燈「この家の中に…扉の向こうにお父様が…」
蒼星石「こうして全員でお父様と直接会うだなんて久しぶりじゃない?」
雪華綺晶「そうですね。確か忘年会の時も、お父様はビデオレターでしたし(※)」
※ 桜田ジュンの忘年『お父様は正義』 参照
- 668 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18:42:07 ID:MOeUDCwQ0
- 金糸雀「ということは、ミスティカの砕けた真紅がジュンのお陰で復活した時のお祭り以来かしら」
真紅「ああ、あの超真紅様復活祭ね」
翠星石「あれは楽しかったですぅ。三日三晩、みんなで歌って踊り狂い続けたですよ」
蒼星石「お父様も篠原ともえのウルトラリラックスを三回連続で歌って踊るほどテンションMAXだったよね」
金糸雀「水銀燈ですら、あんなことやそんなことまでしたのかしら」
水銀燈「はぁ? ちょっと金糸雀、何を言ってるのよ? あんなことやそんなことって…!?」
翠星石「ま、思い出話はそれぐらいにして早速インターホンを押すですぅ」♪チンコーン
雛苺「ああっ! 翠星石ずるいのよ! ヒナがピンポン押したかったのに!」
雪華綺晶「私も押したかった…」
翠星石「へっへーん。早い者勝ちでーす」
水銀燈「ほら、騒がない。もうすぐドアが開くわよ…」
- 669 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18:47:37 ID:MOeUDCwQ0
- ___
/⊂且∩
||. (・x・´..| < ああ、あなた達でしたか。
||oとY U |
|| |(__)J|
||/彡 ̄ ガチャ
真紅「ラプラスの魔!」
金糸雀「どうして、あなたがお父様の家に居るかしら!?」
ラプラス「居てはいけませんか? 私とお父様は仲良しですのに」
蒼星石「もしかしたら居るだろうとは思っていたけど…」
雛苺「これだと家族ミミズいらずが台無しなのよー!」
雪華綺晶「水入らずですわ、お姉様」
ラプラス「私めはペットのようなものですから。ほら、最近はペットも家族でしょ?」
真紅「出ていけと言っても無駄でしょうね。けど、今日のことはあなたも知っているの?」
ラプラス「勿論ですとも。さあ、お父様が中でお待ちですよ。どうぞお入りください」
雛苺「ヒナが最初に入るのー!」グイグイ
翠星石「うんにゃ! ここも早い者勝ちです!」グイグイ
金糸雀「いやいや、ここはカナが」グイグイ
ラプラス「玄関狭いんですから、そうグイグイ来ないでください」
雪華綺晶「では私は皆様を尻目に横の壁からすり抜けさせていただ…」ゴチン
- 670 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18:50:00 ID:MOeUDCwQ0
- 雪華綺晶「っつー…」プルプル
蒼星石「雪華綺晶、君はもう実体化しているんだから…」
ラプラス「昔みたいに壁抜けとかできなくなってるんですね、七番めのお嬢さんは」
真紅「けれど白薔薇、あなた実体になってから随分と日が経っているのに」
水銀燈「まだ、その癖なおってないようねぇ末妹」
雪華綺晶「迂闊でしたわ」ヒリヒリ
翠星石「いぇーい! この騒ぎに乗じて翠星石が一番槍ですぅ~!」グイン
雛苺「ああっ! ずるいのよ翠星石!」
翠星石「お父様~? どこですぅー! 翠星石が今朝焼いたばかりのスコーンを持って…」ドタタタ
ラプラス「あ、いけません! 三番めのお嬢さん! 廊下には…」
翠星石「ぎゃーーーーーーーっ!!!?」♪テレッテレッテテーン
水銀燈「何!? 落とし穴!? 翠星石の足元にいきなり穴が開いて、落ちたわ!」
蒼星石「しかもボッシュートの効果音付きだ!」
真紅「ということは、私が栄誉あるスーパーひとしくん!?」
金糸雀「いやいやいや」
- 671 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18:51:20 ID:MOeUDCwQ0
- 雪華綺晶「これは一体どういうことなのですかラプラスの魔?」
ラプラス「こほん、説明が遅れましたがお父様は久しぶりにあなた達と会えることが楽しみ楽しみで
仕方の無いあまり、このローゼンハウスをローゼンフレンドパークに改造されました」
真紅「ローゼン!!?」
雛苺「フレンド…!!?」
金糸雀「パークッッ!!?」
水銀燈「すっげー、ヤな予感」
ラプラス「この先、七つのトラップ…じゃなくてアクティビティーがあなた達を待ち受けます」
蒼星石「どうして、またそんなことを」
ラプラス「あなた達に楽しんでもらうためですよ勿論」
雛苺「そんなのよりも、ヒナ達はお父様とすぐに会うのが楽しみだったのよ~」
雪華綺晶「それを、このように…じらすとは」
金糸雀「やはりお父様はゲイのサディストかしら水銀燈」
水銀燈「違うと言い切れない気がしてきた…」
- 672 :名無しさん@避難中:2014/09/16(火) 18
- :-:2014/09/16(火) 20:55:25
- ローゼンはゲイサディだったのか…
ゲイサディな上に少女趣味 もうこれわかんねぇな
- :-:2014/09/16(火) 23:02:05
- 銀ちゃんのお父様への根深い愛と憎悪も今では昔の話か良い事だ。
黒い絵?なにそれ食えるの?で終わるだろうか・・・
お父様がゲイのサディストになった罪深き理由を知りたいと銀ちゃんが思っても不思議じゃない。
- :-:2014/09/16(火) 23:59:48
- あれ?なんか普通に終わったぞ…?まあいいか皆楽しそうだったし
それにしても真紅はナチュラルにゲロるなwまあいいか楽しそうだったし