アマゾンが本日Fire HDX 8.9を発表しました。同日に発表したFireシリーズ新製品のなかでも最上位となるモデルであり、Kindle Fire HDX 8.9(第3世代)の後継機という位置づけです。
本日から予約受付を開始し、発売日は2014年11月4日。価格は16GB版が4万980円、32GB版が4万7180円、64GB版が5万3280円。この価格は前モデルから据え置きです。
主な改良点はSoCにクアルコムのSnapdragon 805を搭載した点。前モデルでもSnapdragon 800と強力でしたが、GPUを中心に着実に性能を強化しました。Snapdragon 805の詳細な仕様は発表時の紹介記事をご参照ください。
CPUの動作クロックは最高2.5GHzで、前モデルの2.2GHzと比較して300MHzアップ。アマゾンによる前世代機との比較は「CPUは15%、画像処理は60%の性能アップ」と紹介しています。
さらに、Wi-Fiは新しく802.11ac対応となり、最高600Mbpsに高速化。前世代は11nまでだったことから、こちらは「4倍のスピード」とアピールします。
オーディオ関連に関しても機能が強化されており、ヘッドホン用として『ドルビーアトモス』を搭載します。映画館に導入されはじめている同名の技術とは異なり、ヘッドホン向けの仮想サラウンド技術ですが、従来のように5.1チャンネルや7.1チャンネルのシミュレーションではなく、天井からの音を含めた360度方向の音を再現できる点が特徴です。
加えてスピーカー用の高音質技術としては『ドルビーオーディオX2』を搭載。5.1チャンネル仮想サラウンドや映画でセリフを強調してクリアに聞こえるように調整する機能などを搭載します。
その他の基本性能は前モデルを引き継いだ仕様。ディスプレイは8.9インチ、解像度は2560×1600ドットのIPS液晶パネルを採用します。
サイズ(横置き時)と重量は231×158×7.8mm(幅×高さ×厚さ)、重さは375gと薄型、軽量な点も前モデルを引き継ぎますが、重さに関しては測定誤差からか、1g増加しました。
なおバッテリー動作時間は「読書、ウェブ、ビデオ、音楽などで通常使用時、最大11時間、書籍のみでの使用時最大18時間」となっており、前者の条件では前モデルの12時間から1時間短くなっています。
OSは同時発表されたFire HD 6/7と同じく、Fire OS 4にバージョンアップ。またこれまで日本では実施されていなかったオンラインでのサポートコール機能『Mayday』サービスにも対応。FireタブレットからMaydayボタンを押すだけで、オンラインサポート担当者によるビデオ通話サポートが受けられます。
主な仕様は、
- プロセッサ:クアルコム Snapdragon 805(2.5GHz 4コア)
- ディスプレイ:8.9インチ2560×1600ドット、IPS液晶
- RAM:2GB
- 内蔵ストレージ:16/32/64GB
- OS:Fire OS 4
- Wi-Fi:IEEE 802.11a/b/g/n/ac(最高速度600Mbps)
- Bluetooth:Bluetooth 4.0
- 背面カメラ:約800万画素(LEDフラッシュ、手ブレ補正付き、F2.2)
- 前面カメラ:720p対応
- 本体サイズ(横置き時):231×158×7.8mm(幅×高さ×厚さ)
- 重さ:375g
- バッテリー駆動時間:11時間、書籍のみの場合18時間
といったところ。
総じて、高解像度のディスプレイや8~9インチクラスのタブレットとして薄く・軽いといった前モデルのメリットを引き継ぎつつ、順当に高速化と性能強化を図った印象です。
最上位モデルということもありFireシリーズとしては高価ですが、前モデルから据え置きでもあるため、お買い得度は確実にアップしています。順当な人気が出そうなモデルでしょう。