男「パラレピッチリオ教?」 幼馴染「そう」
- 1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 14:56:23 ID:9CMq1I/o
- 男「ちょっと何を言ってるのか意味が解らない」
幼「良い名前だと思わない?」
男「思わない……っていうか何なんだよそれ」
幼「新興宗教」
男「ぅゎー」
幼「ちょっと、まだ引かないでよ!」 - 2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 14:57:46 ID:9CMq1I/o
- 男「お前とは長い付き合いだが、それは……それだけは駄目だ」
幼「ちょっとだけ話聞いてよ!」
男「勧誘をしに来たのなら、お前との付き合い方を考えさせてもらうぞ」
男「お前とは宗教と政治の話だけはしたくない!」
男「炎上する事だってあるんだぞ?」
幼「ん?炎上?何が?」
男「なんでもない」 - 3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 14:58:38 ID:9CMq1I/o
- 幼「とにかく少しだけ理由を聞いて」
男「俺が知ってるお前は……そんな得体の知れない物に傾倒したりしない」
男「確かに宗教は個人の自由だけど、お前は騙されてるんだよきっと」
男「普段ぽややんとしてるから付け込まれるんだ」
男「大学の誰かか?俺が知ってる奴か?話つけてやるから、誰か教えろ」
幼「失礼だなぁ、キミは」
幼「良いから黙って5分だけ私の話を聞いて!」
男「……解った。5分だな?」
幼「ふぅ……やっと本題話せるよ」 - 4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 14:59:08 ID:9CMq1I/o
- 幼「あのね、これは男が考えてるような事じゃないの」
男「……」
幼「突然だけど、今朝誰か来なかった?」
男「ん?……そう言えば玄関のチャイムは鳴ってたが、俺は出なかった」
男「まだ寝てたし、親が出たと思う」
幼「と、言う事は、そのチャイムの音で目が覚めた。つまり起こされたんだよね?」
男「まぁそうだな」 - 5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:20:31 ID:9CMq1I/o
- 幼「私の家にも来たんだよ」
男「ん?」
幼「その来客者はその……宗教の勧誘だったんだよ」
男「そうなのか……そういえば日曜の朝に来るよな」
幼「そう!で、そういう人たちってさ」
男「……」
幼「熱心だよね」
男「確かにな」 - 6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:21:20 ID:9CMq1I/o
- 幼「ウチも極力出ないようにしてるんだけどね」
幼「今朝はお母さんが出ちゃったの」
男「まぁ、チャイムを一定間隔で3分近く鳴らされたら、普通出るだろう」
幼「だよねー」
男「あの人たちの団体に入ったのか?」
男「いやでも、あの人たちはもっと別の…普通っぽい名前だったような……」
幼「まさか。私は基本的には無神論者だよ」
男「は?じゃあさっきのナントカ教ってなんだよ」 - 7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:22:48 ID:9CMq1I/o
- 幼「私が勝手に考えた架空の新興宗教」
男「架空?意味がわからんが」
幼「あのね」
幼「私は宗教は個人の自由として尊重はしてるつもり」
男「ふむ」
幼「信じる者は救われるって言うじゃない?」
男「言うな」
幼「あの勧誘に来る人たちってさ」
男「ん」 - 8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:23:35 ID:9CMq1I/o
- 幼「アナタも信じる事で救われるんですよって事を伝える為に、歩いてる訳じゃない?」
男「そうだな」
幼「その努力は認めたい」
男「それでも入信には至らないんだろ?」
幼「私は魂の存在は信じるけど、神様・仏様はあまり信じてないんだよ」
男「それ、似て非なるものだな」
幼「死んだ人の魂はどうなるのか?って言われたら」
幼「生まれ変わるのか、お墓の下にいるのか、死んだ場所に在るのか……とか、想像はするけど」
幼「そんなの自分が死ぬまで絶対にわからない事だし」 - 9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:26:50 ID:9CMq1I/o
- 幼「でも全く信じてないかって言うと、それも違う」
男「む?」
幼「例えば……試験が始まる直前にさ」
幼「神様、どうかヤマが合ってますように!って祈ったりとか」
男「……やらなくもないな」
幼「お正月だって、神社でお賽銭を供えて、お願い事するでしょ?」
幼「このままずっと……幸せでいられますように……とか」
男「そうだな……そう言う意味では俺も少しは神様・仏様って思ってるかもな」
幼「傾倒してはいないけど、それくらいには思ってるよね、お互い」 - 10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:27:34 ID:9CMq1I/o
- 男「そうだな。そう言えば死んだ人間は少しだけ体重が減るらしいな」
幼「あぁ、魂の重さ?21グラムね。映画あったもんね」
男「それこそ信者の方々は、その21グラムの魂をさ」
幼「うん」
男「我々が信じている幸せな国に導くのですって使命感で動いてるんじゃないか?」
幼「うん、そうだと思うよ」
男「……それでさっきのナントカ教がどう関わってくるんだ?」 - 11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:29:57 ID:9CMq1I/o
- 幼「つまりぶっちゃけて言うとね」
男「おう」
幼「日曜の朝からチャイムを鳴らされたくないの」
男「……」
幼「ウチは両親共、日曜は遅くまで寝てるからさ」
男「おじさんたち昼前まで寝てるんだよな。毎日帰りが遅いから仕方ないだろう」
幼「そう。そして私も予定が無いならダラダラと惰眠を貪りたいタイプなの」
男「知ってる」 - 12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:35:52 ID:9CMq1I/o
- 幼「だから考えたの」
男「架空の教団をか」
幼「男はあの人たちの話をちゃんと聞いた事ってある?」
男「あー、玄関開けるとグイグイ来て……」
男「色々書かれた小冊子を渡されて、その一節を朗読させられて」
男「その事について、30分くらい話してた…かな」
幼「内容は?」
男「覚えてない」 - 13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:36:38 ID:9CMq1I/o
- 幼「そこが問題なんだよ」
男「ん?」
幼「あの人たちは、男がその小冊子を喜んで受け取る様になるまでさ」
幼「きっとずっと来るんだよ。来続けちゃうんだよ」
男「でも喜んで受け取っちゃったら、今度は入信するまで来るだろ?」
幼「そうなっちゃうね」
男「どうしろと?」
男「俺は何度か五月蝿いって怒鳴りそうになったが、面倒なのでやめた」 - 14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:37:13 ID:9CMq1I/o
- 男「凄く言い表しがたいんだけどさ」
男「あの人たちって多分善意で動いてるだろ?」
幼「そうだね、善意だね。善意の中の善意だね」
幼「まぁ、中には悪意で動いてる人も居るかもだけど」
男「善意に対して、怒鳴り散らして追い返すのはちょっと違うと思う訳だ」
幼「うんうん。教義を理解した上でお断りするのは良いかもしれないけどね」
幼「宗教弾圧や迫害の様な行為には罪悪感がついてまわるもんね」
幼「特に私たちみたいに、真剣に宗教を考えない人だとね」
男「そこまで考えてないけど」 - 15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:37:54 ID:9CMq1I/o
- 幼「だからね」
男「ん」
幼「パラレピッチリオ教の出番なんだよ」
男「何故?」
幼「あの人たちを無下にせず、私たちの安眠を確保する方法の一つ」
幼「私たちが、聞いた事無い新興宗教の教徒だって言えば良いと思うんだよね」
男「……」
幼「どう?」 - 16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:38:29 ID:9CMq1I/o
- 男「なるほど、他宗派から改宗させるのは難しいだろうからな」
幼「団体が違っても、神様・仏様を信じているんだって安心させれば」
幼「あの人たちも来なくなると思うんだよね」
男「ふむ」
幼「そこで、男にも協力して欲しいって訳なのよ」
男「俺にも片棒担げって訳か」
幼「言い方悪いなぁ」
男「神様を冒涜する行為だな」
幼「そんな事ないよ」 - 17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:39:03 ID:9CMq1I/o
- 男「だって勝手に神様を作るんだろ?」
幼「神様を作る訳じゃないよ、教団を作るんだよ。正確には作ったフリだけど」
男「……」
幼「私はそれなりに真剣にこのパラレピッチリオ教について考えてるよ」
男「真剣に考えちまったら、それはもうフリじゃなくて、本物の宗教じゃないか?」
幼「あらあら、私が教祖なんだよ?崇拝してくれるの?真剣に」
男「お前を崇拝とか、冗談も良い所だな」
男「俺はお前とはいつでも対等で居たいからな」
幼「……」 - 18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:39:58 ID:9CMq1I/o
- 幼「だ、だからフリで良いんだよ」
男「そうまで言うなら、少しだけ乗ってみようか」
幼「そう!?男ならそう言ってくれるって思ってたよ!」
男「……期待に添えて良かったよ」
幼「それじゃまずは河原に行こう!」
男「は?なんでそうなる?」
幼「外は良い天気だし、目はちゃんと覚めてるし!」
幼「アイスでも食べに行こっ!」
男「……」
幼「ねっ?」 - 19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:40:34 ID:9CMq1I/o
- -----------------
男「で、河原に来た訳だが?」
幼「まずは座ってアイス食べよ」
幼「溶けちゃうよ」
男「……暑いなぁ」
幼「夏を感じられて良いでしょ?」
男「俺、日焼けしたくないんだよ」
幼「じゃあ長袖で来れば良かったのに」
男「この炎天下に長袖とか、冗談だろ」 - 20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:41:07 ID:9CMq1I/o
- 幼「チョコミント美味しいなぁ」
ペロペロ
男「ストロベリーチーズケーキには敵うまいよ」
ガツガツ
幼「なんでアイスクリームをガツガツと食べるかね、男は」
男「逆に何でそんなにゆっくり舐めて食べられるのか」
幼「このじんわりと柔らかくなって行くのを少しずつ舌の上で感じるのが……」
男「俺はこの歯ごたえが好きなんだよ」
幼「歯ごたえを求めるならガリガリくんでも食べてなさいよ」
男「お前がサーティーワンまで行こうって言ったんだろ」 - 21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:41:43 ID:9CMq1I/o
- 男「で?途中の100均で何か買ってたみたいだけど」
ガツガツ
幼「あぁ、これね」
ガサガサ
男「油性ペン?」
幼「ふふふ、これ重要なアイテムだよ」
男「金色と銀色だな、珍しい」
クシャクシャ - 22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/09/24(水) 15:42:18 ID:9CMq1I/o
- 幼「あ、食べ終わったね?」
男「おう」
幼「それじゃあ、石探してきて」
ペロペロ
男「石?」
幼「濡れてなくて、出来れば綺麗な形……でこコメント一覧
-
- 2014年09月24日 23:43
- 私だ
-
- 2014年09月24日 23:52
- 空飛ぶスパゲティーモンスター教はまたちょっとニュアンス違うんだっけ?
-
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