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Pepper Tech Festival 2014:ロボットの「約束された未来」、開発者向け販売やSDK、アトリエオープンなど - Engadget Japanese


9月20日、ソフトバンクモバイルは「Pepper Tech Festival 2014」を開催しました。6時間以上に及ぶイベントで、Pepperの機能、開発環境に関する紹介、クリエイターたちによるトークなどが行われたほか、会場でPepperの予約や抽選販売も行われました。

Pepper Tech Festival2014

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クリエイターたちのPepperに対するインプレションビデオが流された後、実物のPepper5台がさまざまな動きのダンスを見せました。



ロボットの時代が来る?

ソフトバンクロボティクス代表取締役の富沢氏のキーノートスピーチが始まりました。富沢氏は「Pepperという製品には多大な反響がある」「私がお会いする方たちはPepperにいろいろな意見があるアンテナが強力な人が多い。そういう人たちが前向きに時代を作っていくのでは?」などと話し、自社製品に自信をのぞかせました。

そして、ソフトバンクがロボットに取り組むのは「ロボットはめったにないほど約束された未来を持ったプロダクトであるからだ」と説明。「じゃあ、いつ始めればいいか?」と言った後に、「今から......、じゃ遅いでしょ」と最近の定番パターンをはずし、「我々はすでに数年前からロボットプロジェクトを始めている」と話しました。



ソフトバンクでは、CPUの高速化、製造コストの低下、ワイヤレス通信の高速化など条件が整いアルデバラン社と出会ったことでロボットプロジェクトが始まりました。

そして、富沢氏はロボットマーケットの今後として、「経産省は20年後は10兆円市場になると予測している。これはちょっと古いデータなので、現在ならもっと大きい数字になるはず。こんな機会はめったにない」と見通しの明るさをアピール。

日本人が持っているパソコンやスマホはアメリカ製、中国製が多いが、ロボットは日本のお家芸なので、絶対に負けてはいけない」「数年後には、オリンピックで多くの外国人が日本を訪れる。そんな空港に降り立った外国人をロボットが迎えるというような未来も不可能ではない」「6年後には日本中の店や職場にロボットがいるのが普通になるかも」「日本の家庭にロボットがあるのも普通になるかもしれない」と夢を語った。



富沢氏は「インターネットにつながって無限の知識」「英語もしゃべれるので、いつの間にかみんな英語がしゃべれるようになるかも」などと家庭におけるロボットのメリットが示した後、「子供はロボットネイティブ」「これからは少子化だが、機械的な労働はロボットがして、人間はもっと創造的な仕事をする。教育はもっと創造性を豊かにすればいい」「そんな人間とロボットが支え合う社会が来るかも」とロボットのいる明るい日本の家庭を予想した。

ロボット普及の鍵

続いて、より現実的なPepperの話。

PC、スマホ、みんなプログラム、アプリで動いている。開発者が可能性を切り開いており、プログラムがPepperが持つ無限の可能性を実現する」と、アプリ開発がロボット普及のキーとなると説明。

私には1才の子供がいるが、子供がPepperにはじめてあったときにPepperにパンを食べさせようとした。これは凄いことでは? ロボットを生き物と認識している

ロボットの動きはユーザーが作れる。そして、ロボットはクラウドを使って継続進化させていける。家庭に合わせて1台1台が独自に進化していくのは凄い」とソフトの重要性を語った。

サプライズ:抽選でPepperお持ち帰り

簡単にロボットコンテンツが作れるか? に注力しているソフトバンク。プログラミングレスなGUI開発環境を作り、来年2月アプリストア公開します。



またコミュニティを作るために、秋葉原にPepperをタッチ&トライできる場所を設置。「我々がみんなでPepperを作るのだ」と宣言しました。デベロッパー向け限定先行モデルを9月20日から予約可能で、抽選で一人、当日持ち帰ることができると発表しました。

富沢氏は「ロボットの時代が来るのは約束された未来。しかし、急にガンダムがあらわれはしない。仲間と成長していくことで、さまざまなことが実現される。みなさんと進化していきたい」とまとめました。

アルデバラン「ロボット開発を愛している」

続いてPepperを開発しているソフトバンク子会社であるアルデバランのブルーノ氏が登場。Pepperの作る未来について語りました。



ロボットの開発を愛しており、その研究の先端にいられることが幸せだ」と自らを語り、さらに教育などでのロボットの可能性について「子供は人間型ロボットから教わることができ、人間を相手にする場合と異なり、ストレスなく教育を受けることができる」と話しました。

アルデバランついては「アルデバランは世界的なロボット開発のパイオニア企業で9年前に創立した」と紹介。

ロボットはどうあるべきか?


次にアルデバラン社の考えるロボットがどうあり方を3つの要素として説明。

まずは『かわいい』こと。ルックスだけでなく、どんな動きをするか?が重要であり、いろいろな要素が重要になる。店で見て、かわいいと言って欲しい。そういうものを求めている

そのためにはヒューマノイド型がいい。究極的なインターフェースだと考えている。ロボットは孤独を助けることもできる。そして、親戚とつながりをもつ助けとなることもできるなど、家庭内ではさまざまな役に立つ。そのため、人々がロボットを好きになるのが重要だ。しかし、スパイでは困る。人々の友人になるようなロボットが必要だ。そして、誰にでも受け入れられるキュートさが必要

そして、「これが我々のロボットだ」として、現在の自社のラインアップの紹介。



もっとも小さいのがNAO。2番目がPepper、大きいのがROMEOです」と話したブルーノ氏。これらはどれも独自ロボット用OS「NAOQI-OS」で動いています。

使いやすいSDKも用意しており、アプリケーションストアでアプリを公開することもできる。世界中の大勢の人がこのレボリューションに参加して欲しい。みんなでロボットの楽しさを開拓していきたい。これは新しい産業の誕生で、昔のパソコンの誕生のようなもの。最初からこれに参加するのが重要だ」と述べました。



デベロッパープログラム


続いて、ソフトバンクロボティクスの吉田氏が登場し、開発者プログラムについて説明しました。プログラムには、
  1. 開発する
  2. 公開する
  3. 仲間とつながる
というポイントがあり、まずは「開発する」ではSDKを参加者に無料配布し、アプリストア来年2月に公開すると紹介。アプリストアは当初無料で、その後、課金機能をつける計画です。



アプリストアではアプリの品質保証を行い、まずは「安心・安全」であるのは当然として、現在、計画中ではあるが「キャラクター一貫性」を保つことを考えているとしました。また「ロボアプリ開発ガイドライン」を設けて、あまり制限はつけたくないが「必要最低限のチェック」はする予定。ペッパークリエイター認定資格「Pepper master」もあります。



さらに「仲間とつながる」では、場所としては「アルデバランアトリエ」を作り、さまざまなイベントを行います。さらにネット上でもコミュニティを構築する計画。



開発者向けPepper販売

開発者向けにPepperを先行販売。200台限定先行販売となり、2015年2月の一般販売前に販売を開始します。この開発者向けモデルの特徴は以下の3つ。
  1. 早く買える。でも、ベータ版
  2. 開発に必要なものはオールインワン
  3. ペッパーパイオニアクラブ
一般向け販売が、「ロボット、保守サービス、クラウドサービス」であるのに対して、開発者向けモデルは「ハードウェア、OS、SDK、クラウドロボットマネージメント」となります。




開発者向けは市販品と異なり「デベロッパー特別パック」という3年間の月額サービスとなり、このパックは「何回でも無料で修理する」、「配送料、廃棄が無料」という特徴があります。特別パックの利用料は月額9800円。3年契約なので合計では9800円 x 36カ月となります。

予約は9月20日〜。10月に抽選結果を連絡し、2月にアプリコンテストを開催する予定です。




コミュニティ

コミュニティマネージャのニコラス・リーゴ氏は、開発者コミュニティについて語りました。「コミュニティでは何が必要か?」としてそれは相互尊重と情熱と説明。再び吉田氏にチェンジしてSDKライセンスキーの取得方法などを紹介。



ここで午前の部は終了。展示会場でデベロッパーの開発したロボアプリが体験できました。しかし、機材が開発途中のためか、プログラムによってはオーバーヒートで動作停止する機種も見られた。音声処理などは比較的問題ないものの、動作が多いとモーターがオーバーヒートするようです。ちなみに現時点では再起動に10分程度かかるとのこと。

いきなり予約500台

午後の部がはじまると、いきなり500台近い予約が入ったとの説明がありました。午後の最初はFlashWAVEを使ったオーケストラ演奏。FLASHWaveは座席位置を検知し、それに合わせた光や音を発することで、会場全体のスマホでオーケストラ演奏を行いました。



パネルディスカッションでは、林伸行氏がMCとなり、Google Developper Expertの安生氏、大阪大学特別教授の石黒氏、チームラボの猪子氏の3人に加え、明和電機の土佐氏がVideoPhoneで参加しました。



ペッパーの可能性に関して、三氏は

安生氏は「SF世界のものだったロボットが現実の世界に入ってきて、一般の人がロボットにせっする接し方が変わっていくであろうことに興味深いです
石黒氏「ペッパーは誰でも買える価格なので、世界を変えていくのはないかと思う
猪子氏「ぜんぜんわからない
土佐氏「前に使ったとき、ロボットがダンスで倒れまくって演出家が怒ってた。必ずしもコントロールできないものが入ってくることを受け入れられるのか?は家庭でも大きいのでは?ないかと思う

などと語った。このほかPepperに求める進化について、

安生氏「ジョジョ的な動作をさせるとか、ゲーム的な進化をしたらオモシロい
石黒氏「ソフトをもっと進化させることが必要。ネットにつなげて連動させたい。ペッパー一族を
道であったら挨拶するとか。あとPepperが危ない目にあっていたらPepperがPepperを助けるとか

猪子氏「いっぱいあると人がなんなのか? がわかってくるかも。部屋中、ペッパー100体ぐらいの部屋にすんでみたい。自分の情けなさがわかる。エンジニアじゃない人たちが使い始めると、人間というものの理解が変わるかも?哲学的な話ですが
土佐氏は「部品取りして売ったらもうかると思う

などと語りました。

技術セッション

開発環境の紹介は2部構成で行われました。開発環境は画面右下に表示されるバーチャルロボットとリンクし、バーチャルロボットを動かすことでロボットも動くため、視覚的に結果をすぐに確認できます。担当者は「開発環境はGUIベースで扱いやすいので、ユーザーはクリエイティビティがあればプログラムを楽しめる敷居が低いものだ」と説明。

トークセッション

トークセッションは「バイバイワールド」の高橋氏、シンキョンホン氏、「1 10design」の長井氏、笹江氏らがトークを繰り広げた。



1 10designは、Pepperの会話開発にも加わっていたということで、ロボットにコミュニケーションをさせる難しさも語りました。Pepperの会話は最初は単に会話を続けるだけでオモシロくなかったそうです。これを間やタイミング、イントネーションなどのさまざまな改善で、より自然なコミュニケーションができるようになったと話しました。

最後に当選発表。この後Pepperの販売第1号はそのまま当選者の家まで送られました。リビングにロボットがいる風景は別記事で。







Pepper Tech Festival 2014:ロボットの「約束された未来」、開発者向け販売やSDK、アトリエオープンなど

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