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美希「ほんとにほしい魔法のじゅもん」


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クリスタ「え?もう出ちゃったの?」シコシコ




1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/28(土) 23:59:28.29 ID:PHLvC/SbO


――美希の部屋
――22:30

美希「…」パラッ、パラッ

美希「…」チラッ、

――ザーザー、ザーザー

美希「…はぁ…」ハァ...

ずっと、雨なの。一昨日から、止まない雨。

雨は、キライ。

美希「ハニー…今、何してるのかな…」パタン

あの時の、あの人の言葉。あれから、ミキの恋が始まったの。まるで、魔法にかかったみたいに。
――ザーザー、ザーザー...


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:04:45.53 ID:cMrY0rAuO


次の日
――765プロ事務所
――10:00

――ガチャッ、バタン

美希「おはよーなのー」

小鳥「あら、美希ちゃん。おはようございます」

美希「あれ?ピヨちゃんだけ?ハニーは?」キョロキョロ

小鳥「プロデューサーさんなら、今日は遅めの出勤になるってさっき電話があったわよ」

美希「そっか。じゃあ、ミキ、ハニーが来るまでお昼寝してるの!」トテトテトテ、ストン

美希「おやすみなのー。ぐぅ…」グゥ...

小鳥「ふふっ。まるで、眠り姫みたい」クスクス

――ザーザー、ザーザー、

小鳥「…」

小鳥「雨、止まないわね…」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:08:21.15 ID:cMrY0rAuO


――765プロ事務所
――13:00

小鳥「…」チラッ、

小鳥「おかしいわね…いくら遅い出勤でも、こんな時間まで出勤して来ないなんて…」

――ザーザー、ザーザー、

小鳥「雨も強くなってきてるし、大丈夫かしら…」

美希「…むにゃむにゃ」zzz...zzz...

小鳥「美希ちゃんは…起こさない方がいいかも」

――プルルルル、プルルルル

小鳥「あら、電話」

――ガチャッ、

小鳥「はい!765プロでございます!」

―――
――



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:12:17.18 ID:cMrY0rAuO


――765プロ事務所
――17:30

美希「…」カタカタ、カタカタ、

小鳥「…ねっ?大丈夫だから」

――ザーザー、ザーザー

美希「…だって…だってハニー!」カタカタ、

小鳥「まだ、診察の結果が出た訳じゃないから…」ナデナデ、ナデナデ

美希「…うぅ…はにぃ…」グスッ、グスッ

――ガチャッ、

美希「ハニーっ!?」

社長「…」

――バタン

小鳥「…しゃ、社長?あの…プロデューサーさんは…」

社長「…」フルフル

美希「…あ…あぁ…」ガタガタ、ガタガタ


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:16:46.25 ID:cMrY0rAuO


美希「…」チャプチャプ、バシャバシャ

――ザーザー、ザーザー

――ザーザー、ザーザー

ミキ…雨は、キライ。

―――
――


――病室
――18:00

P「…俺…生きてるのか…」

P「ははっ。こんな大事な時期に、捻挫とか…普通はしないよな…」ハァ...

P「それで、検査入院か…社長は、【任せてくれたまえ】とか言ってたけど、大丈夫かなぁ…」

――ザーザー、ザーザー


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:20:56.02 ID:cMrY0rAuO


次の日
――Pの病室
――10:00

P「…ヒマだ…明日には退院出来るみたいだけど、とにかくヒマだ…」

――ガチャッ、

P「…ん?」

社長「やぁ君ぃ。安静にしているかね?」

P「あっ!社長!いやぁ、退屈で仕方がないですよー」

社長「はっはっは!その元気そうな顔!うむ、実にいいねぇ!」ハッハッハ

P「で、社長?事務所のみんなにこの事は…」

社長「はっはっは!大丈夫。私にいい考えがある!」

P「…は、はぁ…」

―――
――



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:24:14.18 ID:cMrY0rAuO


次の日
――765プロ事務所
――14:00

P「…とりあえず、退院してからまず事務所に来てみたけど、何か変だ…静かすぎる…」

――ガチャッ、

P「…おはようございまーす」ガチャッ、

P「…ん?まっくらだ。誰もいない?」

P「小鳥さーん?律子ー?いないのかー?」

――ガタッ

P「ん?」

――ガタガタッ

P「…誰か、いるのか?」

――ガチャッ、

小鳥「あっ…」

P「って、小鳥さん?」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:26:47.53 ID:cMrY0rAuO


P「…で、給湯室で何をしてたんです?」ハァ...

小鳥「い…いやぁ…その…美希ちゃんが…ですね?」

P「はっ?美希?アイツがどうかしたんですか?」

小鳥「その…怒らないで…くれます?」

P「…答えに、よります」

小鳥「その…美希ちゃん…プロデューサーさんが亡くなったと思い込んでて…」

P「…はっ?」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:30:36.28 ID:cMrY0rAuO


小鳥「かくかくしかじか…」

P「はぁ…社長も人が悪いというか、なんというか…美希が立ち直れなくなったらどうするつもりなんだろう…」ハァ...

小鳥「わっ、私は止めたんですよ?でも、【ピーンと来たから間違いない!】って…」

P「…分かりました。今からちょっと、美希の家に行ってきます」

小鳥「あのッ!社長の計画…は?」

P「…」

P「…知りませんよ、そんなもんなの。俺の大切なアイドルに、そんな計画はいらないんですから」

小鳥「…プロデューサーさん?」

P「…ははっ。何でもありません。じゃあ、行ってきます」

―――
――



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:35:54.72 ID:cMrY0rAuO


――美希の部屋
――

美希「今、何時かな。お仕事、サボっちゃったの」

美希「…」

美希「はぁ…せっかく、雨止んだのに。ハニーがいないと、意味ないの」

美希「…うぅ…はにぃ…」グスッ、グスッ

美希「ミキ、ひとりぼっちはイヤなの…こんなことなら…魔法にかかっても意味ないの…」

思い出すのは、プロデューサーが、ハニーになった時のこと。事故から守ってくれて…ミキを、信じてくれて…。

――コンコン、コンコン

美希「…誰にも、会いたくないの…」

――コンコン、コンコン

美希「…やだってば」

――コンコン

美希「…しつこいの!」バンッ


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:39:01.52 ID:cMrY0rAuO


美希「…しつこいのっ!」

――ガチャッ、

P「…俺でもか?」

美希「…えっ?ハニー?なんで?どうして?えっ?」

P「美希…悪かった」ギュッ

美希「ふぁっ…」ギュッ

P「…部屋、入れてもらえないか?」

美希「…う、うん…どうぞ、なの」

――バタン


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:42:12.17 ID:cMrY0rAuO


美希「…ハニー…おばけ?」チラッ、

P「…そう、見えるか?」ギュッ

美希「あっ…。て、あったかいの…。生きてる…」ポロッ...ポロッ...

美希「…ぐすっ。ひぐっ。はにぃ、いきてるぅ…」グスッ、グスッ

P「心配かけたな。ごめん…社長が、さ…」

美希「…ぐすっ。いいの。はにぃいきてるから…」

P「そっか」ナデナデ

美希「…うん」

美希「ね、ハニー?」

P「…何だ?」

美希「話、聞いて欲しいの」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:46:23.55 ID:cMrY0rAuO


美希「…あのね、最初はミキ…いい子じゃなかったよね」

P「…そうだな。めんどくさがりで、なまけもので…」

美希「あはっ。ハニー?ちょっと言い過ぎなの」クスクス

P「そうか?」

美希「そうなの。…でも…覚えてる?ハニーが、プロデューサーが言ってくれた言葉」

P「…言葉?」

美希「…ねぇ、そこの人。そこの人は、何をする人なの?」

P「…えっ?」キョトン

美希「くすっ」クスクス


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:49:37.92 ID:cMrY0rAuO


美希「だから、そこの人は何をする人なの?」

P「…ははっ」

P「俺か?俺は、君のプロデュースをするんだよ」

美希「ふふっ。ミキ、ムズかしいことはわかんないの!」クスクス

P「ははっ。そうだなぁ…じゃあ、君をキラキラさせてあげる事をする人だよ」

美希「うん。そこの人は、約束を守ってくれたの」

P「それが、仕事だからな」

美希「ねぇ、プロデューサー?」

P「…ん?」


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:53:02.54 ID:cMrY0rAuO


美希「…どうしてあの時、ミキを助けてくれたの?守ってくれたの?」

P「…」

美希「…どうして?」

P「答えなんかないよ。美希が、大切だったから」

美希「うん」

美希「…ねぇ、ハニー?」

P「何だ?」

美希「…ミキね、もうダメみたい」ギュッ

美希「ミキ、魔法にかかっちゃった」

P「美希?」

美希「最初はね?すっごくちっちゃかったの。それがね?少しずつ、少しずつ大きくなってって…」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:57:17.57 ID:cMrY0rAuO


美希「ミキのココロの中は、もうハニーでいっぱい」クスクス

美希「ココロのの中いっぱいに、ハニー大好き!って気持ちでいっぱいなの」

美希「…ほら、こうやってね?てとて、ぎゅってしてるだけで、ミキ幸せなの」

P「美希、あのな?」

美希「…うん。知ってるよ。ダメって言うんだよね?アイドルと、プロデューサーだから」

P「…」

美希「…いいの!そうやって、ハニーの瞳の中にミキが写っててくれれば」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 01:00:18.61 ID:cMrY0rAuO


P「美希。少し、眼を閉じててくれ」

美希「…?」スッ、

P「…」スッ、

――チュッ、

美希「あっ…。えっ?ハニー?」

P「…届いたか?」

美希「…えっ?」

P「愛してる」

美希「あっ…」フルフル、

P「言えなかった。言いたかった」

美希「はにぃ…」

美希「ほんと、ハニーは魔法使いみたいだね」クスクス

P「えっ?」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 01:04:08.45 ID:cMrY0rAuO


美希「だって、ドラマとかじゃときめかない【愛してる】って言葉でも、ハニーが言うと、ときめいちゃうの」

美希「…ミキがほしい、魔法のじゅもんなの」クスクス

P「美希…」ギュッ

美希「…」ギュー

P「…ひとりぼっちじゃ、ないからな?」ボソッ

美希「…えっ?」

P「ははっ。なんでもないよ」ナデナデ、ナデナデ

美希「…(ハニー…)」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 01:07:44.41 ID:cMrY0rAuO


美希「ほんと、ハニーは魔法使いなの」クスクス

P「ははっ。なんだそれ」

美希「…あのね?ハニー」ギュッ

P「…ん?」

雨が止んで、好きなと繋がって…

美希(ミキの、ほんとにあげたい魔法のじゅもんはね?)

美希「だいすき!」チュッ、

おわり


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 01:09:19.24 ID:MTtHvaL10


お疲れさん



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 01:09:24.53 ID:EoqfYBTs0


おつ



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 01:09:44.25 ID:f7l9/BTD0








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