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http://japanese.engadget.com/2014/10/02/atok-for-ios/?ncid=rss_truncated


ATOK for iOS更新、キーボードが見切れる不具合ほか修正 - Engadget Japanese


App Store人気の火事場見物スポット「ATOK for iOSレビュー欄」が更地になってしまいました。 ではなく、ジャストシステムが ATOK for iOS をv1.0.2にアップデートし、「iPhone 6 / Plusでは大多数のアプリで見切れてまともに使えない」不具合を改善しました。




ATOK for iOS は、iOS 8 でついに使えるようになったサードパーティ製キーボードのひとつ。ATOKファンやアップル純正キーボードに不満のある層からはリリース前から大きな期待が寄せられ、当のジャストシステムもティーザーサイトを設置して「実は前から作ってました」とアピールするなど、国内における iOS 8 関連の大きな話題のひとつでした。

しかし実際にリリースされてみると、たしかにATOK自慢の変換エンジンは使えるものの、iPhone 6 / iPhone 6 Plus のRetina HD画面に最適化していないアプリでは正しく表示されず、キーボード右側の改行(送信/入力)や削除、空白キーなどが見切れてしまう大きな問題がありました。


(アップデート前。iPhone 6 Plus 横画面、Google検索アプリ。これだけ幅があっても右側ボタンはラベルが見切れてしまう。)


ATOK for iOS の売りには空白キーのタップと下フリックで全角半角スペースが打ち分けできたり、右矢印キー(左フリックで左矢印)でカーソルを移動できることがありますが、見切れてかろうじて残った部分を押す状態ではまともに使えません。


OSのメジャーアップデート時にサードパーティがアップルの新仕様に対応できないことはむしろ平常で、ジャストシステムとしても最新機種でまともに使えないままのリリースは極めて不本意だったことは想像に難くありません。

しかし逆にいえば、iPhone 6 / iPhone 6 Plus の高解像度に最適化したアプリ以外、つまり純正アプリを除いて、互換モードで引き伸ばし表示される大多数のサードパーティアプリではまともに表示されない状況でした。機能は少ないものの無料で日本語一番乗りした Simeji や、iOS 8 と同時に多数リリースされた SwiftKey や Fleksy など有名どころの欧文キーボードではこの問題は発生していません。


このため、iOSプラットフォームで開発する難しさなど斟酌する立場にない大多数の一般ユーザーにとっては、iOSアプリとしては高価な1500円で購入したのにアップル純正以外ほとんどのアプリでまともに使えないアプリとして、またiOS側のサードパーティキーボード周りの不安定さも相まって、レビュー欄は大多数のユーザーが★1や2を投げつけ怒号悲鳴が飛び交う惨状を呈していました。



このような状況が約10日続いたのちに提供された今回の 1.0.2では、Retina HD解像度で見切れる問題が修正されました。また一部のアプリで変換候補が正常に表示されない問題が修正され、 iPhone 6 Plus で使えるキーボード右寄せ / 左寄せ設定を記憶するようになりました。阿鼻叫喚だったレビュー欄も、現在のバージョンを選ぶかぎりめでたくクリアされています。


さて、ひどい不具合(が直った)話だけではなんなので良いところも挙げれば、まずiPhone 6 Plus の高解像度対応アプリならば、キーボードの右寄せ左寄せが使えます。



大型化した iPhone 6 / iPhone 6 Plusはホームボタンを2度軽くタッチすると画面全体が下にズレて上部に触れるReachability機能を備えており、iPhone 5世代でも届きにくかった画面上部には片手でもそれなりに指が届くようになっています。

しかし iPhone 6 Plus は横幅が大きく、片手で落とさないようホールドした状態では、たとえば純正テンキーかなキーボードの言語切替ボタン(左側)や送信ボタン(右側)など、画面端のボタンになかなか指が届きません。届いても手のひらが反応してしまうことたびたび。

またフリックで指の移動が大きくなり疲れる、指から遠い方のキーを遠い方にフリックしづらい辛さもあります。ATOK for iOSでは、今のところ数少ない高解像度最適化済みアプリに限られるものの、左右どちらかに寄せて使えます。

ほか、iTunesが必要なもののPCやMacのATOKから辞書をインポート・エクスポートできること、定型文機能、カーソルキーなど。

Android版で定評あるフラワー入力などは使えず、今のところ QWERTYキーボードもないものの、キーボードの種類は今後も順次追加予定。変換エンジンの性能は、iOSの純正がもともと優秀なため相対的なものですが、ATOKの挙動に慣れているならば選ぶ理由になるかもしれません。(打ち間違いの自動補正や推測候補も出してくれるものの、濁点・半濁点や撥音の省略を同一視した候補はごく一部しか出してくれないため、iOS標準で省略が習慣になっていた人は苦戦します)。

いずれにせよ、ジャストシステムは今後のキーボード追加や機能追加、改良を予告済み。iOSアプリとしてはやや高価で今後は割引セールがあるかもしれませんが、アップデートは今後も(おそらく)無料の買いきり製品ではあり、非難轟々の理由を体感して火事場見物を楽しみたい、 やっつけリリースから改善されてゆく様子を最前列で体験したいという奇特な方ならば、完成度が高くなる前に買っておく価値はあります。




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