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これを混ぜて食べて美味い!っていう話
以前、当サイトのライター斎藤充博さんがうどんとそばがひとつになった「そどん」を出す店という記事を書いていた。うどんとそばが一つの麺になっていて、それが美味しいらしい。
その記事を読んで、食べたいなと思っていたのだがいかんせん家から遠い。どうにか食べられないものかと考えていたが、意外に作れるのではないかと気がついた。 と、いうことで作ってみよう。 そばとうどんを打つ気温24℃、加水率50%、塩分率14%
そばとうどんが合体した「そどん」を作るためにまずは、うどんとそばの生地を打つ。うどんは普段から作っている感じの讃岐風。
袋に入れてから踏むけど、いつも一応お風呂上がりに踏むことにしている。
手順は簡単で、塩水と中力粉を混ぜて踏んで伸ばして切るだけ。それだけで美味しくなるから小麦粉はすごい。
その工程を思いつくまでは大変であったろうが、すでにその方法が周知されている現代に生きている僕たちは生まれながらにして小麦粉はすごい世代、勝ち組である。 すべすべもちもちでかわいい。
いとも簡単にうどんが完成。極めようとすると奥が深いが、食べられないくらいの失敗はしないのでうどんは偉い。
そば怖い韃靼そば粉
作り慣れたうどんに対して初挑戦のそば。作る始める以前にまず買ってきただけで驚いた。うどんが1キロ289円に対してそば粉が500グラム600円。
四倍。粉の値段がそばはうどんの四倍。予想以上の価格差にそばが高い訳を知る。だが、そしたらそばうどんの値段が同じな立ち食いそばは何なんだ。 そばと小麦粉をブレンド。
そばを打つにも、そば粉100%だと打つのがムズカシイというので小麦粉と混ぜる。小麦粉とそば粉の割合によって二八そば(小麦粉二割のそば粉八割)やら、七三そばやらと分類されるくらい、そば粉の割合は重要だそうだ。
水と合わせてるだけで香ばしい匂いがしてくる。
そんな重要なポイントだが、計量がめんどくさいので小麦粉が100グラムそば粉が200グラムとした、二八そば的な表現をすると三,三三六,六六そばってことになるが、約分して一二そばと呼ぶとわかりやすくていいと思う。
中々固まらないんですけれど。
ネットで作り方を調べると先ほどの粉に40%位の水を混ぜ合わせるらしい。そばは塩すら入れないのか。団子とか餅みたいな作り方だ。
さてこの生地を麺にしていこう。 製麺機を買ったんですよ麺生地を麺にする。となると製麺機の出番だろう。あっ、そうそう、製麺機を買ったんですよ。
カッコいいだろう。
当サイトライターの玉置さんが家庭用製麺機を買って「俺の製麺機は力強いんだぜ!」という記事を書いており、ものすごく欲しくなった。
あぁ、カッコいいだろう。
しかし、真似するのは恥ずかしいし、人のネタのフィールドに入っていくのも憚られるな…。と思ってためらっていた。
良い…。
すると、当サイト編集部の安藤さんが「うどんは天ぷら粉で打った方がいい」という記事を書いて「玉置さんの見てたら欲しくなっちゃった!」ってストレートに言って製麺機を買っちゃっていた。
なにそれ!素直!!良いな!!!と思って俺も買った。すぐ買った。そしてその素直な欲求そのままに製麺機を自慢する記事を書きたい!と思って書いたのがこの記事である。 早速作ります早速作ります
製麺機を手に入れてから伸ばしと切りが簡単になって、麺の水分量や塩分量、寝かし時間など色々試行錯誤するのに力を注げるようになって製麺の楽しさが増した。
びろーん
製麺機があれば製麺機任せになるのではないかと思っていたがとんでもない。製麺機は麺打ちに自由を与えてくれる。翼である。
モロモロッとしてる。
みにょーんと伸びる。
うどんに続いてそば。工程としては同じなので出来ると思うのだが感触が全然違って戸惑う。伸びるうどんに対してモロッと崩れるそば。ネリケシみたいな感触。いい匂いするけど食べちゃいけないって言われるアレだ。
全然麺になってくれない。
不安ながらも麺にしようと伸ばすが全然伸びない、まとまらない。ポロッポロッと製麺機を通り抜けるそばと同じ成分をした何か。緑のネンドみたいなやつ。
水分が、水分が足りない気がする。 泥遊び
水だ!と思って少し足したら表面だけヌルヌルし始めて、オカシイ…。と思って更に足したら完全に泥になった。水を合わせるのは初めの瞬間しかないのだ。製麺機で翼を授かるハズが泥になったそば。
ムズカシイとは聞いていたが想像以上。完全にどうしようもない。さよならそば。ヌルヌルだけどスタッフがこのあと美味しくいただきました。 泥と
生ハムと
卵とチーズと
焼いて
そば粉のガレット美味い!
そどん完成美白のそば。
ガレットをたくさん作って冷凍した後、再度そばをこね直した。水分量を50%位にしたらなんとか麺帯にはなってくれた。さっきのは完全に水分量が少なかったようだ。ネット情報を鵜呑みにするのは本当に良くない。
こういうことがしたかったわけ。
かなりの分量の文章を読み進めて頂いているが、やっとやりたいことに辿り着いた。こうすれば「そどん」が出来る。ハズ。
あっ、出来た。
恐る恐る製麺機を通すと表は緑、裏は真っ白な帯が姿を現した。そどんだ!
びろびろびろびろ〜
興奮を抑えながらカッターを通す。何度やってもこの瞬間はワクワクする。それも出てくるのがそどんであるならなおさらである。
二種類の麺が入り混じってるように見えるけど、一種類の麺。
これがそどん、抹茶とバニラのソフトクリームのハーフアンドハーフみたいな見た目。果たしてどんな味がするのだろうか。
そばとうどんが混じったような味がするガラスの器が透明すぎて、テーブル直置きみたいに見える。
茹で上げると抹茶とバニラのソフトクリーム感は影を潜めて、違う麺が混ざってるようにみえる。が、よく見ると二色の層があるのに気づく。
前出の記事で斉藤さんは歯磨き粉のアクアフレッシュみたいだ。と言っていたが、上手いたとえだなぁと思う。 美味いのか。
一口食べると案外普通。と思ったけど、あっ、ちがう、普通じゃない。
ザラッとしたそばとうどんのツルンッとした麺肌が滑りこんできた後、そばの香りが広がって、噛むとそば部分にサクッと歯が通ったかと思うとうどん部分がムニーっと粘りを見せる。 全体の成分だけで言えば小麦粉を六割以上使った薄いそばなんだけれど、きちんとそばの特徴とうどんの特徴が立っている。そしてそばとうどん、それぞれを同時に食べた時とは違うのがまた面白い。 これがそどんか。近いようで遠い二種類の麺が出会ったケミストリー、それがこんなに美味しいのならば、もっと他にも可能性があるのではないか。 さてこの麺類はなんでしょう。
そばとラーメンで、ソーメンです。
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