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うつ病は、心の病と言われているが心だけではない。人それぞれに症状が違い様々な影響をおよぼす。その病について、「まるで虚空に捕らえられるようだ」と表現する人もいれば、「暗雲のようだ」という人もいる。
その個人的な感覚がどのようなものであろうと、その病が体にも悪影響をおよぼすことがあるのを知らない人は多い。
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身体と心に悪影響をおよぼすうつ
うつ病患者は診断されているだけでも、世界で3億5千万人いると言われている。一口にうつ病といっても、単純にその病の過酷さを語るのは難しい。うつの特徴には”悲しみ”があげられることは多いが、その体や心への影響はそれをはるかに超え、しばしば日常生活を困難にしてしまう。研究によると、うつはやる気だけでなく、仕事の成績や生産性を低下させることがあるという。
うつの影響とは以下のようなものだ。
身体的症状
頭痛:
米ミシガン大学総合うつ病センターの責任者であるジョンF・グレデン医師によると、このような苦痛はうつの兆候の中でも代表的なものの一つであり、特に青年期に多いという。うつを患う多くの人々からは、それは鈍い痛みで、緊張性頭痛を引き起こす場合があるという報告がある。また、うつは人々に高い偏頭痛のリスクをもたらすこともある。
消化不良:
同医師によると、さらにうつを患う人々は胃腸の調子が悪くなることが多いという。それだけでなく極度のストレスによって大腸炎や胃潰瘍を悪化させる可能性を示唆する報告もある。
エネルギーの欠乏:
様々な形のうつを抱える多くの人々が疲労感を訴え、さらに共通する症状の一つを作る。研究によると、うつはやる気を減らし、仕事の成績を下げることがあるという結果が出ている。たとえうつと診断をされなくても、「自分の元気の無さは低血糖や甲状腺のような別の病気なのではないか」と考える人は多いという。
食欲と体重の増減:
うつは食生活を著しく変化させることがある。つまり食事の量がひどく増えたり、逆に極端に少なくなったりするのだ。その結果、体重が増えたり減ったりしてしまう。
関節と筋肉の痛み:
うつはその症状に苦しむ人々に痛みをもたらすが、それが特定の疾患の初期症状につながっている可能性もある。同医師によるとうつによって関節と筋肉の痛みが増えるという。むしろ線維筋痛症とうつの間には強い関係性があるともいわれる。
睡眠不足:
睡眠パターンの変化はうつの最も典型的なサインの一つ(うつによる情動不安)。さらに不眠症や閉塞型睡眠時無呼吸症と関連している。
吐き気:
うつにより引き起こされる胃の病状の一つとして、胃のむかつきや吐き気だけでなく、下痢になってしまうこともある。どれも不安症に起因する症状だ。
心の症状
不安症:
うつの症状は色々あるが、一般的にうつと不安症は同時に起こるという。この症状には心拍数の上昇や手のひらの発汗、さらにはパニック発作といった身体的な症状を引き起こすおそれがある。
気が滅入り、いつまでもくよくよする:
うつで最悪なのは、非常に視野が狭くなり、他の選択肢が見えなくなってしまうことだ。この中には良いことを無視し、どうしても悪いことにしか集中できなくなってしまう、という状態も含まれる。うまくいかない事に関するネガティブかつ暗い思考にいつまでも集中するのは、うつと強い関係があるかもしれない、とする研究結果もある。
身体の健康を極端に心配する:
あらゆることが体で起こり、全てが身体的苦痛に感じる場合、うつは見過ごされてしまう場合がある。このような痛みがあると、仕事に行ったり集中したり、笑ったり、課題に専念するのが困難になるという。
涙もろくなる:
うつを発症しているあいだは、涙ぐんだり悲しい気分になる時がある。"うつ"と聞くと、多くの人々がこの独特な感情を連想するが、"うつ"と"悲しみ"は同じものではない、という点に注意するのは重要なことだ。
「うつは臨床用語です。"うつだ"と口にする人々がいますが、彼らの言う"うつ"は悲しみを指しています。私たち医師が使うこの言葉は非常に強力で、その区別をするのが大事なんです。」とグレデン医師は話す。
複数の症状の組み合わせ
複数の症状が組み合わされることで、自殺傾向、あらゆることに悲しむ、挫折感、楽しみや普段していた事に興味を失う、罪悪感などを伴う。
うつ病の権威であるグレデン医師によると、身体的な症状が多数あり、それが気分の変化と関わりがある場合、臨床医はうつとの関連性を考慮すべきだという。2種類の症状の同時発生は、怒りや罪悪感から自殺に至るなどの命に関わる結果を引き起こす可能性をはらんでいる。それらの危険な事態が起こる可能性に対処するためには、心と体の両方の有病率に注意することが重要なのだそうだ。
さらにグレデン医師は最後に次のように語っている。「残念ながら私たちは健康管理において、ときとして心と体を別々にしてしまいがちです。なので誰かがいくつかの身体的な症状を訴えれば、臨床医はその症状を診ようとします。すると、気分症状も患う人の身体的な症状が優位になり、その病の根本がつぶされてしまう場合があります。ですがそういった複数の症状は同時に起きるんです。無関係ではありません。その諸症状の根本は同じ症候群なんです。」
via:huffingtonpos・原文翻訳:R
うつ病を自覚していない人が体の不調を訴えて病院に行っても、臨床医が心に問題を抱えていることに気が付かなければ、その症状は更に悪化する。上記肉体的症状がある人で、病院にいっても一向に良くならないという人は一度心療内科に行ってみると良いかもしれない。
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コメント
1. 匿名処理班
そういえば高島忠夫もパーキンソン病併発してたなぁ。
2. 匿名処理班
全部当てはまってる。でも医者には軽い鬱寸前だけど鬱じゃないって言われた。軽い安定剤だけ頓服で飲んでって言われたけど身体症状きついよー。特に不眠と体の痛みはつらい。一番良いのは環境をかえることだけど、体がなかなか動かない。
3. 匿名処理班
当たり前
心の病なんて無い
脳の病なんだから肉体に影響を与えないわけがない
4.
5. 匿名処理班
気分良い時は明らかに体の調子もよくなってる感じする
逆もあるだろうなあ
6. 匿名処理班
まあ、うつ気質の者にとったらまったく当たり前の記事内容だけども。
うつ気質じゃない者には、たぶん想像もできないんだろうなあとも思う。
7. 匿名処理班
体が痛くていろんな病院回ったけど、結局うつだった。
その後、喉のつまりと吐き気に悩まされてる。サインバルタ服用する前の頃は、「食道がんで死んじゃう!!」って泣き喚いて大変だった。
8.
9. 匿名処理班
体の動く日にぼーっと海を眺める
日常生活でなら晴天の朝に30分の日光浴
あとビタミンB群やミネラルのサプリ摂取
10. 匿名処理班
これ見て思ったのはやっぱりどこか恵まれた部分がある奴がうつ病になるんだなって思った
小さい頃から精神疲労してると頭痛なんかおきないもん
11. 匿名処理班
※2
一度逃げた方がいい。人生からではなく自分が生きるために。
12.
13. 匿名処理班
うつは病気であって、甘えではないことが分かってない奴が多すぎる。しかも例えば不摂生による糖尿病や喫煙による肺がんはある意味自業自得だけれど、うつの場合多くは原因が3歳までの性格形成期の親の愛情不足だから、本人のせいですらない。愛情不足でうつになって引きこもりになった人が親に責められている場面はいつもおかしいと思う。
14. 匿名処理班
日本を含めた東洋は文化的に、
心も体と同様に怪我をするってことが軽視されがちなんだよね。
大事なときに甘えって切り捨てるから、
治療にきても手の施しようがなくなってる。
もっと心療内科の存在が身近になって、偏見もなくなってくれれば良いのに。
15. 匿名処理班
心療内科=薬漬けってイメージがあるからなぁ。実際そういうところも経験したし。
うつや不安障害にはいろんなアプローチ法があって、自分にあった治療法やそれらの併用をするとより改善&再発防止になるんじゃないかなと思ってる。
薬以外のアプローチ、認知行動療法とかがもっと日本で一般的になればいいんだけど。
16. 楽
米8さん
私もそう思ってました。
しかし、後から来ると身をもって解りました。
それは、何年も掛けてじわじわと来た後、一気に来ます。
もし運動不足を感じていらしたら、
ストレスに対応出来てる今のうちから、
運動習慣を身に付ける事を心からお勧めします。
17. 匿名処理班
※11
逃げるというか、色々とやってみたよ。良くなったり悪くなったりだね。しかも不運が続いてしまった、厄年的な。
一度脳が病むと、本当になかなか治らないと実感したよ。洗脳も怖いよね。
脳とても大切
18. 匿名処理班
┐(´∀`)┌東洋ってひとくくりにせんでくださいな。
いわゆる「東洋」は「文明の衝突」で明確に複数の文明圏に区分けされている。
>日本を含めた東洋は
19. 匿名処理班
目の前にクマがいるストレスを想像してくれ
常に体も臨戦態勢を続けるわけで、どこかしら異常が出ても不思議じゃない
戦うわけじゃないが、恐怖から対処法を考え続けるって意味で
うつの人は、それと同じような状況に常にいる
しかし仮想恐怖でしかないのだ
クマなんていないから
テディベアをクマと思ってしまうように親に洗脳されたのだ
だからまったく周りに理解されん
20. 匿名処理班
※3さんが書いているように、
うつ病は身体にまで影響を及ぼしていることを
多くの人が知らず、また認めない。これが問題。
アレルギーやお酒に弱い体質なども同様で、
自分がそうでないからと不理解のままでいては、
その重大さに気づくのは各々自身や近しい大事な人が
手遅れになってからになってしまうだろう。
21. 匿名処理班
結構な割合で呼吸がおろそかになっている場合がある
とりあえず、腹式呼吸で口をすぼめて、程好く息を吐ききってから、鼻から息をすーっと吸うを繰り返せば良いよ
呼吸法でググれば色々出てくるから気長に焦らずにやりましょう
22. 匿名処理班
※7
東洋医学で言うところの梅角気(ストレス由来の喉の異物感)の典型
漢方薬局か鍼灸院に相談するのが有効
23. 匿名処理班
※2
他の医師にも見てもらったら良いと思う。
結構一つの病院の診断で終わっちゃう人が居るけど、
明らかに症状が重いと自覚があるなら別の病院に行くのも手ですよ。
24. 匿名処理班
自分に合う薬を見つけるのは難しい・・・・
25. 匿名処理班
体が重く動かなくて好きだったことにも興味が持てなくなって頭が働かなくて、人前に出るとパニック障害みたいになる、、うんそうだった、、
心療内科は薬漬けみたいなイメージが強かったから、病院行かなかったんだけど良かったのか悪かったのか。
選択した病院で大分変りそうだもんな、だって本人はいつもより動けなくて選択能力もないってのに。
26. 匿名処理班
※10
似た思いです
いい時が無かったから落ちようがない
そんな感じがします
いい時が無いから悪い時との落差がわからないです
27. 匿名処理班
鬱になったことがないのは「恵まれているから」苦労したとかしてないとかは関係ない。あなた方より苦労してる人なんて大勢いるよ。鬱というのは気分じゃなくてもっと物理的な物。体が本当に動かないし頭も働かなくなる。
28. 匿名処理班
抗うつ剤も副作用で吐き気があるから、どっちにせよつらい
29. 匿名処理班
ここで言うのも何だけど、ネット断ちをしてみるといいこともあるかもしれないよ。
自分は病院には怖くて行けなくて、ネットでアレかもしれないコレかもしれない…と調べるうちに余計不安になった。
そのうちネットに頼る時間が長くなって、よせばいいのに人の意見が気になって掲示板やコメント欄見ずにはいられなかったり…。
顔が見えない匿名だからと心無いことを言う人もたくさんいるし
不安な時に在住地方で立て続けに良くない事が起きて、地方の名だけで誹謗中傷コメントだらけだった時には、自分もしねと言われてる気さえして参った。
現実社会ではそんなこと言う人いなかったのにね。
ある日あまりにも酷いことを書かれたショックでしばらくネットを遠ざかったら、何かが少し軽くなった。
もちろん人によるけど、狭くなりがちな視野をますます狭くしてることもあるから、ひとつの例として。
30. 匿名処理班
病気に対して理解がなかったり差別的な人自体が病気になったときって本当面倒なことになるよ
自分は精神病なんかじゃない!
ってやたら毛嫌いして病院自体行きたがらないから
取り返しがつかないところまで症状が進むんだ。うちの身内がそう
だからほかの内科や外科と同じように
心療内科もうちょっと気軽に捉えられるようになると
病気がひどくなる人が減ると思う
31. 匿名処理班
ただ、心療内科に通ってうつ病だと診断されると保険にしばらく入れなくなるとかデメリットもでかいんだよな。
32. 匿名処理班
筋肉が痛くなったりするのは知らなかった!