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ゲーム情報&ブログ2.0【12月のカンファでお披露目か?】『鉄拳チームの原田氏、PSモーフィアス専用ソフト『サマーレッスン』の現状について伺っている記事がアップ』が掲載中。

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【12月のカンファでお披露目か?】『鉄拳チームの原田氏、PSモーフィアス専用ソフト『サマーレッスン』の現状について伺っている記事がアップ』が掲載中。

鉄拳PDの原田氏にPSモーフィアス専用ソフト『サマーレッスン』の現状をうかがっている記事がアップ、が掲載中。新たにお披露目会をすると予告していますが、12月にあるカンファで見せるか?









■VRを世に広げるために生まれた「サマーレッスン」

4Gamer:
 続いては,2014年8月19日の「SCEJA Press Conference 2014」で発表され,大きな
反響を呼んだ「サマーレッスン」について聞かせてください。TGS 2014では,残念ながら
試遊出展が中止となってしまいましたが,これはどうしてなのでしょう。個人的には,
目玉タイトルとして楽しみにしていたんですが……。

原田氏:
 いやね,あまりにも反響が大きすぎて,冗談抜きで目玉タイトルみたいな感じに
なっちゃたんだよ! TGSの「Project Morpheus」(以下,Morpheus)のコーナーを
見れば分かったと思うけど,大体1タイトルにつきMorpheusは1台しかないわけです。
あとはもう単純な計算で,1日に50人ぐらいしか体験してもらえない。そんな状態で
出展したら,苦情が殺到しかねないですから。ブースの広さにも限界はありますからね。


4Gamer:
 それで別途体験の場を設けることになったわけですか。

原田氏:
 正直言って,発表する前はあんなに反響がデカくなるとは思っていなかった。というのも,
このプロジェクトって,社内ではほとんど誰も理解してくれなかったから。

4Gamer:
 えっ? そんなバカな(笑)。

原田氏:
 いやいや,これが本当なんです。僕自身は,ヘッドマウントディスプレイには3年ぐらい
前から目を付けていて,2年前から研究を始めていたんですよ。なので,業界向けに
Morpheusが発表されたとき,社内でいち早く手を上げて作り始めたんだけど。

4Gamer:
 それが「サマーレッスン」だったわけですね。

原田氏:
 そう。今年(2014年)の3月頃から作り始めて,2か月ぐらいで完成に漕ぎ着けたん
だけど……社内にある200人集まれるシアターでプレゼンしてみたら,誰も反応しないの。
これはマズいってことでプレゼンのやり方を変え,今度はいろんな人にちょっとずつ体
験してもらって,その人の感想を流すようにしてみた。そうしたら,ようやく興味を持って
もらえるようになったんです。

4Gamer:
 ゲームの映像では,スゴさが分かってもらえなかったわけですか。

原田氏:
 そう,伝わらないんだよ。ゲームの映像は流さず,「ごめん,こんなにスゴいと
思わなかった……」みたいな「体験者のメッセージ」だけを集めた方が,まだ伝わり
やすい。だから,「SCEJA Press Conference 2014」のときも,できるだけ大げさな
表現を心がけました。俺もわざわざアイマスのTシャツを着て,できるだけ印象を残そう
と考えたりしてね。


4Gamer:
 なるほど(笑)。

原田氏:
 それもね,本来は話題のフックをたくさん作るしかないという,「苦肉の策」だったん
です。社内で散々な反応だったわけで,僕もSCEさんも,1分程度のPVでは伝わる
わけがないと思ってた。だからこそ,あのPVは本来はあり得ないカメラワークを駆使
するなど,ゲームそのものとは違う部分で話題を広げようと必死でした。それこそ苦肉
の策の連発だったんです。

4Gamer:
 ああ,そうだったんですね。

原田氏:
 「原田が変な格好して,わけの分からないタイトルを出してきた」みたいなところから,
ちょっとずつ広げて,興味を持ってくれた少数の人にTGSで実際に体験してもらい,
その人達がTwitterとかで騒ぎ出し……そうやって少しずつ,少しずつ体験者からバズって
いく。そんな読みだったんですけど。

4Gamer:
 でも,その読みは完全に外れてしまった。

原田氏:
 結果的には,映像だけで世間は大騒ぎですよ。ここで面白いのが「まだ誰も実体験
もなく現物を見たことがないにも関わらず」というところ。僕があんなに社内や業界内で
「伝える」「大騒ぎしてもらう」ことに苦労したのにね(笑)。

4Gamer:
 サマーレッスンでは,どちらかといえばアニメっぽくない,リアルなモデリングの
女子高生がフィーチャーされていますが,こうした造形を採用したのはなぜなんですか。

原田氏:
 もちろんちゃんと理由があって,まず我々が目指すべきはHMDという存在の「一般化」
なわけです。一般化させるためには,まずHMDの凄さ――つまり「臨場感」を感じて
もらう必要がある。

4Gamer:
 それは分かります。

原田氏:
 実は,最初は俺の好きなアイドルマスターの水瀬伊織をこっそり出してみたりも
したわけですよ。もちろんそれは楽しくはあるんだけど,等身がデフォルメされている
から,VRの世界で近寄っていくと,頭の大きさなどがやっぱり現実とは違うし,なに
よりもいつもの水瀬伊織じゃない。離れて見る分にはいいんだけど。そうなると,「臨場感」
以前に違和感やオリジナルとの印象の違いばかりに意識がいってしまう。

4Gamer:
 普通のゲームと違って,近づこうと思えば,どこまでだって寄れるわけですものね。

原田氏:
 好きな人からしてみれば,伊織って伊織以上でも以下でもない,絶対的な存在
じゃないですか。その等身やデフォルメの仕方をVRに合わせて変えてしまったら,
それはもう伊織ではなくなってしまうわけで。

 つまり我々としては,HMDを一般化させる段階では,いきなりこうした高い次元の
「価値観」に足を踏み入れるのではなく,あくまで「臨場感」とは何か? という点に
こだわるべきだと考えた。そのためには,もう少しリアルなモデルから感じられる,
視線や頭身,表情のフィードバックが必要だったんだよね。


4Gamer:
 しかし,ロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2014」では,「ソードアート・
オンライン」の3Dモデルを使ったOculus Rift用のデモを,バンダイナムコゲームス
が出展していたと聞いています。あれも原田さんの仕事ですよね。

原田氏:
 あ,そうそう。Morpheusの前から,HMDの研究はずっと行っていたから。ほかにも
一人称で遊べる鉄拳を作ってみたり,鉄拳のカメラモードでほかの人が戦ってるのを,
間近で眺められるようにしてみたり,いろいろやってみました。ほかにも,一八や熊を
VR空間に出して対峙してみたり。……鉄拳のための開発費を使って,こっそりとね(笑)。
多くのゲームで実際に試してるだけに,ノウハウは誰よりも多く持ってます。

4Gamer:
 その結果,VRにはリアル寄りのほうが向いていると分かった?

原田氏:
 いや,「VRに向いている」というのとは違いますね。先の臨場感を重視した結果,
「現段階で示す形」としては適切,というだけで。もちろんアニメ風のキャラクターに
臨場感を覚える人だっていますよ。僕自身も楽しかったわけだしね。でもそれは
,レベルとして1つ上の世界なんですよ。

4Gamer:
 一般化するにはハードルが高いと。

原田氏:
 空想の創造物の価値観って,通常のゲームでは既に受け入れられているけれど,
HMDではまだそうではない。「HMDの臨場感をどう一般化して伝えるか」「多くの人に
驚きをもって迎えてもらえるか」「一般ニュースソース含めて騒いでもらえるか」。これら
をまずクリアするためには,やっぱりある程度現実に近い,リアルなもののほうが適して
いる。だから,あくまで今回の話ということなんだよ。まあ,実際凄く伝わったわけだしね。

4Gamer:
 それでリアルな女子高生を出すことにしたわけですね。

原田氏:
 ええ。舞台にちょっと狭い部屋を選んだのも,より臨場感を感じてもらうためですから。
 あともう一つ,表現の難度で選んだというのもあります。誰から見ても可愛い女の子って
,やっぱり難しいんです。2次元で女性を可愛いらしく見せるには,時代によってトレンド
はあれ,目鼻がとあるバランスの幅に収まっていればいい。でもヘッドマウントディスプレイ
用に描画する場合,魚眼レンズで見たような歪ませた画像を出力しなくてはならない。これで
可愛らしさを破綻なく表現するのって,実はかなり難しくて。造形レベルでの工夫が必要なんです。

4Gamer:
 ゲームとしては,どの角度からどう見ても,可愛くなくちゃいけないですしね。

原田氏:
 そう。長い髪や肌の質感の表現は難しいし,その潤いも表現しなきゃならない。でも,
最初にあえて一番難しいことをやっておけば,次のステップが楽になるじゃないですか。
まず臨場感,次に技術的な難度が高いものをと選んでいった結果として,現在の「サマー
レッスン」があるわけですよ。俺にしては珍しく,すべて理詰めの逆算で仕様を決めて
いったというね。

4Gamer:
 なるほど。サマーレッスンを初めて見たとき,日本人だったら「自分の好きなキャラも
出したい!」ってなるんじゃないかと思ったんですが……。

原田氏:
 うん。だから,やろうと思えばもうできますよ。けれど,それは次の段階の話です。
最初っからカズヤが出て大暴れしていても,騒ぐのは鉄拳ファンだけでしょ? アニメ風
のキャラにしても,あえてそれを選択しなかったのは先ほど説明したとおりです。
 なので,まずは「サマーレッスン」を実際に体験してもらって,ヘッドマウントディスプレイ
がもたらす「臨場感」や,このデバイスがもたらす未来を感じとってほしい。PVを見た人は,
みんな何か感じとったのかもしれないけど……PVから伝わるものと,実際にHMDを被った
ときの体験は,良い意味で全然違います。これは凄い! と絶対言ってもらえますから。
だから体験会を開いたときには,ぜひ足を運んでいただけたらと思います。



・・・とその体験会がいつになるのか?といえそうで、楽しみが大きな作品といえますね。
モーフィアスがどの程度の値段になるか?というのも大きな要因を占めていますが
今のところめだまコンテンツがまだ発表されていないので、この作品に対しての
注目度が高いものになっていますよね。年内に発表会は実現するか?


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