魔女「ねぇ勇者さん、経験値ってどこに溜まってると思います?」
勇者「……………」
魔女「知らないんですか?」
勇者「……………っ……」
魔女「答えてくださいよ。それとも無理やりに答えさせられたいんですか?『さっき』みたいに」
勇者「ひッ……………こ、答える、答えるよ………………し、知らない」
魔女「はい、正直に言えましたね」
魔女「でも、まだ教えてあげません。答えはもう少し後のお楽しみです。まだまだ聞きたいことはありますから」
魔女「次の質問です」
勇者「……………」
魔女「あ、言い忘れてました。別にパスしてもかまいませんけど、パス一回につき指一本頂きます」
勇者「ッあ……………き、きっと、5000匹くらいは…………」
魔女「5000匹『くらい』、ですか?」スッ
勇者「~~~~~ッッ!!ま、待ってくれッ!!ちゃ、ちゃんと答えただろう!?」
魔女「命の数を概数にしないでください。それとも100匹や200匹なんて四捨五入してしまってもいいとお考えですか?」
勇者「そ、そんなつもりじゃ…………」
魔女「気に入りませんねぇ。今のはわりと頭にきましたよ」
魔女「ということで、『さっき』と同じように」
勇者「や、やめッ………」
魔女「指に針のアクセサリー追加のお時間です」ニコリ
魔女「さっきは説明しませんでしたけど………この針、何で出来てると思います?」
勇者「なッ、何かの骨、だろう………?」
魔女「はい、それもドラゴンの牙です。絶対に折れないとまで称されるほど頑丈な」
勇者「そ、そんなもの、一体どこで…………」
魔女「アナタが殺したんですよ」
勇者「………俺が………?」
魔女「山に住んでいただけのドラゴンを、『危害を加えそうだから』───なんて理由で殺したの、アナタでしょう?」
勇者「………………」
魔女「じゃ、そろそろいきましょうか。『さっき』は人差し指に刺したのでー、次は中指でしょうか?」グッ
勇者「やめて………くれ………」
魔女「そんなセリフ、倒した魔物からいくらでも聞いたでしょう?」プツッ
勇者「っ────!!」
魔女「今回はゆっくりいっちゃいます」ズッ
勇者「~~あッ……が……」
魔女「鈍~い痛み、辛いでしょう?」ズブッ ズッ
勇者「うあッ、ぎっ」
魔女「でも、ホントに痛くて辛いのはここからです」コツッ
魔女「お察しはついてると思いますけど、今、針でつっついてるのはあなたの指の骨です」
魔女「レベル90にもなった勇者さんの骨は、きっと並大抵の針では貫けないでしょう…………しかし、ドラゴンの牙製の針なら、どうでしょうねぇ?」ググッ
勇者「ひ………あッ!もっ、もうッ、やめてくれッ!!」
魔女「ダーメです」グッ ピキッ
勇者「あ、がッ、んぐ………いッッ!!?」
魔女「それっ」グッ ベキィッ!
勇者「あああああがあああああああぁぁぁぁぁぁ─────ッッッ!!!」
魔女「ふぅ、さすがに勇者さんともなると、ドラゴンの牙を使っているといっても少し骨が折れますね。まあ折れてるのは勇者さんの指の骨なんですけど」ズドッ
勇者「ああ……ッ、かあっはッ、う、ぎご………」
魔女「じゃ、次の質問です」
魔女「王国が、ある程度の種類の魔物の、倒した際に手に入る経験値の具体的な数値を公表しているのはもちろんご存知ですね?」
勇者「う、あ…………ああ…………」
魔女「もちろん経験値が高くて生息数が高いモンスターを狩りにいくのは、とても効率的なことですので、その情報はきっと役立っているのでしょう」
魔女「でも、どうやってそれ、調べてるんだと思います?」
勇者「………………わ、わから、ない」
魔女「お、だいぶすばやく答えられるようになってきましたね。そう、わからないんですか」
魔女「じゃあ教えてあげます───と言いたいところなんですが、さっきの答え不明のままの質問の回答と併せて、後ほどお答えしましょう」
勇者「う…………ぐ、………はっ………」
勇者(骨折した箇所の痛みは───まだ完全に引いちゃいないが大分マシになってきたな………)
勇者(それにしてもなんなんだあの女!?か、完全にイカれてんじゃねえか!)
勇者(タダで泊めてくれるっつーから泊まって………)
勇者(気付いたら椅子に縛り付けられてやがる。くそっ、どうなってんだッ)
魔女「お待たせしました~♪ご覧ください」ファサッ
勇者「………帽子………?」
勇者「……────!!ど、どうしてそれをッ!?」
魔女「やはり見覚えがあるみたいですね。ま、そりゃそうですか、なんたって記念すべき90レベルを達成した時に倒した魔物───いえ、魔女は」
魔女「この帽子の、持ち主ですからね」
勇者「ま、まさかお前…………あの魔女の娘か…………」
勇者「………なら、なぜこんなこ
魔女「だけど」
魔女「あのひとは────『師匠』は」
魔女「私にとって母親のような存在だったんです」
魔女「そして、彼女も私を娘のように愛してくれました」
勇者「……………いッ、忌々しい…………ッ!!」
魔女「忌々しい……?」
勇者「人外の分際で………なにが愛だ!ヒトでもない種族が愛を語るなッ!!」
魔女「私は、ヒトですよ。師匠だってそうでした。ただ、魔法が使えるだけの、ただのヒトです」
勇者「その魔法でどれだけの人間を傷つけてきた!?お前たちなどヒトじゃない!!」
魔女「………本当に、なぁーんにも知らないんですね。哀れなヒト」
勇者「………なんだと?」
魔女「質問です」
勇者「……………52回。建国から、10年に1度行われてきた…………」
魔女「はい、ようやく答えが言えましたね。では続いて質問です」
魔女「私たち魔女が、あなたたちの王国に攻め入ったことは、建国後に一度でもありましたか?」
勇者「………………………」
勇者「………………な、無い。少なくとも、文献の中には──」
魔女「ですよね?」
魔女「私たち、どうして『狩られ』なければならないんですか?」
魔女「見慣れないチカラを──魔法を持っていただけで、[ピーーー]んですか?捕らえるんですか?」
魔女「ねぇ」
魔女「おかしいって、思いませんか?」
魔女「わかってないですねぇ」
魔女「『魔女狩り』の本当の目的は魔女の殲滅なんかじゃないんですよ」
勇者「……………では一体何が」
魔女「魔女の捕獲───いえ、『いらないヒトを集めること』です」
勇者「……何を言っているのか……わからない」
魔女「んんー、そうですね。そろそろお教えしておかないと話がこんがらがるかもしれないので」
魔女「そろそろお答えしましょう。最初の質問の答えを」
勇者「……………!!」
魔女「頭の中(ここ)に」トンッ
魔女「溜まってるんですよ」
魔女「ええ、まあ厳密には脳ではないのですが」
魔女「私たち人類は───太古の時代、それはそれはもう気が遠くなるほど昔に、神様がかけた加護、あるいは呪いともいえるものを、ずーっと引き継いできてるんです」
魔女「それは、人類の遺伝子にひとつの追加プログラムを刻みました」
魔女「その遺伝子は、大脳の中のわずかな隙間にとある器官を生み出し」
魔女「その器官は、戦いをする人間にさらなるチカラを与えました」
魔女「すなわち、経験値によって強くなる人間の完成です」
魔女「尤も、王国のかたがたはとっくに知っていたみたいですけどね」
勇者「…………それが、どうしたというんだ。確かにそのことは知らなかった。しかし、まだわからないことが多すぎる」
魔女「まあ焦らないでくださいよ。順を追って説明しますから」
魔女「ええと、次の質問は確か────ああ、どのように王国が、経験値の量を調べているのか、でしたっけ?」
魔女「王国は魔物Aを捕獲、拘束等によって無力化したのち、実験体の人間Aさんにその魔物を殺させます」
魔女「ちなみにAさんは、魔法によって経験値をすべて奪い取られたあとに実験に使われています」
魔女「するとこの時点で、Aさんの経験値を溜める器官───まあ、経験器とでも仮称しておきましょう。それに、魔物Aの経験値だけが入っている状態ができました」
魔女「そのあとどうすると思います?」
勇者「……………まさか」
魔女「さすがに察しますよね。そうです、Aさんを殺します。そして頭を開いて、経験器を取り出し───そこからの分析の過程はさすがによく知りませんが、そこまでくれば簡単なものなようです」
魔女「ここまでの流れで、1匹の魔物の経験値量が判明します」
勇者「………それは、本当の話なのか?………」
魔女「ええ」
魔女「多くの、とても多くの仲間たちが、あなたたち王国の研究者によって殺され、脳を弄ばれ、ゴミのように捨
コメント一覧
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- 2014年10月14日 22:29
- んー?
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- 2014年10月14日 22:30
- 経験値をビュルビュル絞り取られるエロssだと思ってました
-
- 2014年10月14日 22:30
- イデンシ? ジッケン? ケイケンチ? この魔女は何を言っているんだ?
第一、勇者がパンチをロケット噴射で飛ばして離れた敵を殴っていないので論外。やり直し。
-
- 2014年10月14日 22:36
- 馬鹿だろこの作者
相手の持ってる経験値をそのまま吸い取れる訳無いだろ
そんな事が可能なら非道な実験を繰り返す王国ならカンスト無敵軍団を作って
速攻世界征服してるだろ
それに馬鹿に付き合って万が一それが可能としても
経験値を積んだからと言って、勇者の強さを得られる訳じゃない
自分がその勇者と同じ経験を積んだ位の強さになるだけだ
ショートSSでは設定と展開が大事なのにこんな糞設定とかありえんよ
-
- 2014年10月14日 22:38
- ※2
おま俺
-
- 2014年10月14日 22:42
- 超強い勇者を弱っちい魔女如きをどうやって捕らえたんだ?
薬やら魔法やら弱体が効く程度ならそんな力手に入れても王国滅ぼす程には強くないし
何も効かない超強い勇者ならどう捕らえたかを是非描いて欲しい物だ
-
- 2014年10月14日 22:54
- ※2
同志よ
-
- 2014年10月14日 22:55
- 即叩かれ過ぎワロタwww
まあでも王国滅ぼせる程のLVの勇者が魔法・薬・弱体が効く程なのかとは思わんでもないけどね。
だって効くのならそこらへんの魔物のラリホーやらメダパニで即死させられてるだろうしな
それほどまでに元々魔女が持つ力が魔王級だったのか、はたまた神レベルなのかって話だわな
直接経験値が吸える等に関しては「この物語内での魔女はそういう魔法を持ってる」で片がつくけど、勇者のレベルが90越えてる、と言っている以上並大抵の力ではないのは作者本人が書いてるからな
その勇者をどう捕えたのかってのは若干気にかかる事ではある
-
- 2014年10月14日 23:06
- ※2
我が友よ。一杯付き合う
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- 2014年10月14日 23:08
- ※2
ですよねー
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- 2014年10月14日 23:09
- ※2
俺もそういう話だと期待したのに・・・
ディヴィッド・ファーランドの「ルーンロード 大地の王の再来」とかいう小説だと、他人の「経験値」ではなく「能力値」を吸収して奪いとる設定らしい。
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- 2014年10月14日 23:12
- 設定がゴミだな
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- 2014年10月14日 23:16
- ないわ
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- 2014年10月14日 23:19
- ※2
だよなー
コレ読みたかったわ
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- 2014年10月14日 23:23
- ※2
ほんとこれ
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- 2014年10月14日 23:41
- 魔女特有の能力として能力吸い取る事が出来るなら迫害されないだろ
強力な魔女軍団に蹂躙されて終わり
設定が矛盾だらけで破綻してるわ
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- 2014年10月14日 23:49
- ※2
これが読みたかった
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- 2014年10月14日 23:53
- エロじゃないのかと落胆しグロが始まったと思ったら終わっていた
何の救いも無い胸糞SSだった
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- 2014年10月14日 23:54
- (お前らエロに偏りすぎだよ!)
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- 2014年10月15日 00:02
- お前らww
(もういっそそういうSS書いて良い?)
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