こんにちは。グルメ調査隊のヨッピーです。
前回「うなぎのタレを使って新しい丼を作る」という実験にチャレンジしたところ、
最高に良い結果が出たので調子こいて第二弾をやる事になりました。
題して……
「天ぷらにするとなんでも美味しいのか選手権」だーーーーー!
じゃん!用意した食材はこちらの通り!
そもそも、なんでこの企画に挑戦しようかと思ったのかと言いますと、「こち亀」の48巻で両さんが食べるものに困って雑草を天ぷらにして食べる描写があったからです。
両さんいわく意外に美味しいみたいで、子供心に「なるほど…確かに雑草を天ぷらにしても美味しそうだな」と思った記憶があります。揚げたての天ぷらって最高に美味しいし、野草から魚介類まで、結構色んな種類の食材を天ぷらにすることから、意外と何を揚げても美味しいのかもしれません。
そんなわけで早速実験だーーー!
天ぷらの準備をしよう
ちなみに今回の実験は、表参道の立派なキッチンスタジオで挑戦。さらに料理初心者には難易度が高いので、天ぷらアドバイザーとして主婦ブロガーの家入明子さんにご協力いただきました。バーグハンバーグバーグの柿次郎、ARuFaも同行。万全の体制で臨みます。
なぜこんなにも手がこんでいるかと言うと、前回の「うなぎのタレ」の記事内僕がキッチンペーパーとクッキングシートを混同している事を突っ込まれたり「そもそもヨッピーの料理が下手すぎて参考にならない」みたいな事を言われたからです。
前回の記事中で、さばく時に身がボロボロになったサンマがキッチンペーパーで焼かれている図。今回こそはこのような失敗を避けたい。
ちゃんと天ぷら粉も分量通りに計り、
ダマにならないようにふるいにかけます。
「油は180℃に」という事なのですが、よくわからなかったので指を突っ込んでみたら普通に火傷しました。煮えたぎる油に指を入れると危ないので注意してください。
あと油に指を突っ込む僕を見て主婦ブロガーの明子さんが「ライターってここまでしなきゃいけないの?」ってドン引きしていましたが、IH調理器でちゃんと温度設定もできる事に気づいたのでもう全部バッチリ!
まずは駄菓子から
では早速、揚げていきましょう。まずは庶民の味方「ビッグカツ」です。
最初から揚がってる気もしますが、ここから更に揚げます。
包丁を使って捌き、「中身だけ」「衣だけ」「もともとの状態」の3種類にしてそれぞれを揚げます。
ちなみに「ビッグカツ」という名前ではありますが中身は魚肉のすり身だそうです。
ずっと豚肉だと思ってたわ……。
天ぷらの粉をつけて180℃の油でサッと揚げる。
できあがり!
なにこれ。普通に美味しそう。「ビッグカツの3種盛り」(480円)って言われても納得感ある。中身がたった30円の駄菓子だとは到底思えない。
まずは中身だけを揚げたものから食べてみる。
天つゆにつけていただきます!
美味すぎ。笑う。
薄いイカ天みたいな味がする。お店で頼んだ天ぷらの盛り合わせに混じっていても全然違和感ない。天ぷら屋さんは、今すぐコスト削減の為にビッグカツの天ぷらをメニューに加えた方が良いかもしれない。
ちなみに「衣だけ」と「丸ごと」のパターンは両方カツの味が強すぎて揚げる意味が全然わかりませんでした。
ビッグカツの衣に味付けをしてあるみたいで、衣が混ざると「天ぷら」っていうより「ほぼビッグカツ」って感じですね。先ほど、「ビッグカツを天ぷらのメニューに入れた方が良い」と言いましたが、これを出すと「おい!これビッグカツじゃねーか!」とすぐさまキレられると思うので撤回させていただきます。
お次の駄菓子はこちら。「タラタラしてんじゃねーよ」であります。30円で結構ボリュームがあってピリ辛で濃いめの味つけ。チビチビ食べることで長時間味わえる、貧乏人にとっては最高のお酒のツマミですね。
先ほどのビッグカツの中身が美味しかったことから、タラのすり身を原料にしたこちらの商品も天ぷらにしたら美味しく食べられる気がする。
スプーンでかき揚げ風にして揚げる。
できあがりがコレ。
30円の駄菓子とは思えない!
天つゆに漬けて……
はい、美味いですね。文句無しに美味い。高級料亭で出てきても全然疑問を抱かないし、「さっきの天ぷら美味しかったな。流石は高級料亭」ってなるパターン。唐辛子の成分が熱に弱いのか、辛く無くなってるのが不思議だけど。
一度揚げることによって、すり身自体がフワッとして軽い食感になってて完全に成功!
ビッグカツとタラタラしてんじゃねーよ、の実験で「魚のすり身」は天ぷらにしたら完全に美味しいことがわかった。魚肉ソーセージなんかを天ぷらにしても良いかも知れませんね。
作りたての美味さに感動! ハンバーガーの天ぷら
パンにハンバーグと野菜を挟んで食べるっていう、もうその時点でだいぶ完成されている感があるハンバーガーですが、ここから更にもうひと手間加えます。
180℃の油でカラっと揚げてみましょう。
豪快にジュジューっと。
できあがったのがこちら。
あれ……? ピロシキみたいでなんか美味しそう……?
天つゆに漬けて……
めちゃくちゃ美味い!!!!!!!!!!!!!!!!
今までで一番のヒットかもしれない! なんだこの美味しさ!
このハンバーガー、買ってから1時間くらい経っているのですが、揚げ直したことによってパンのフカフカ具合が復活しています。しかも、天つゆにめっちゃ合うぞこれ!
どういう化学反応が起こったんだ……!
どんどん食える!
いやー、これは意外なラインでしたね。駄菓子の天ぷらは「なんとなく美味しくなりそう」みたいなイメージがあったし、成功だけだとつまんないからって変化球を持って来てみたらこの結果!
マジで天ぷらにしたらなんでも美味いんじゃないか…?
次からは買ってきたハンバーガーを温める時は、レンジじゃなくて油で揚げ直すのを推奨したい。
ハンバーガーが美味いなら寿司だって美味いだろう
何故か背景から切り抜いた写真みたいになってますがネギトロ巻です。
アメリカ人のソウルフード、ハンバーガーが揚げて美味しいなら、日本人のソウルフードである寿司はどうでしょうか。そもそも天ぷらって和食だし、「天むす」だってあるし、天ぷらと寿司を出す店もあるわけだから相性が悪いはずがない。
衣をつけてジューッと。もう手慣れたもんです。
はい、完成。あんまり見栄えは良く無いな。アメリカの寿司屋で出てきそう。
味の方はどうでしょうか。いただきます!
あ、マズいわこれ。
今回初めて「マズい」レベルのものに出合った。「絶対美味いやん」とか思ってた数分前の自分をブチ殺してやりたい。
まず、食感が最悪。パリッとした衣の中から、生暖かい酢飯がドロッと出てきてめっちゃ気持ち悪い。昆虫の卵を食べてる気分。そして味も酢飯を使っているせいか衣と全然合ってない!普通のおにぎりを揚げた方がマシだったかも知れない。
これをお店で出したらさすがのアメリカ人も暴動を起こすかもしれませんね…。
食べられなくはないが積極的には食べたくないレベル。
今回のド本命、ミートボール
そんなわけで次に用意したのがこちら。子供の頃からずっと好きなんですよねこれ。
今ではコンビニで100円とかで売ってるこのミートボールですが、同じくコンビニの100円ピラフにこのミートボールを乗せて食べるのが最高に好きなのです。これをカラッと揚げたら、最高に美味いと思いませんか!?
個人的には今回の本命と言って良いレベルの期待値であります。
衣につけて……
ジューッといきます。
カラっと揚がった〜!
色合いが茶色っぽくなっているのは付属しているソースの影響っぽい。こんな食べ物、どう考えても美味いだろ、と思うのですが果たして実際はどうでしょうか!
うん。普通。そもそもミートボールの味付けが強くて、揚げようが天つゆに漬けようがミートボールはミートボールですね。揚げる必要性を全く感じないわこれ。味にまったく変化無し、という所でしょうか。
えー! 絶対美味しくなると思ったのにーーーーー!
元々が完成されすぎてる食べ物なのかもしれない。
行列が出来るお店のチーズタルト
そろそろデザートを食べたい頃合いなので用意したのがこちら。「行列が出来るお店」として有名なお店のチーズタルトです。
並んでいる人達の横でこれを天ぷらにしだしたら殴られても文句は言えませんが、
アイスの天ぷらだってある事だし、チーズタルトを天ぷらにしても良いじゃないか!
切って衣をつけて揚げる。なんか厚揚げみたいだな。
できあがりがこちら。
あまり見た目に変化はありませんね。
いただきまーす!
うまーい!
なんだこれーー!
まず、暖かいチーズタルトって、甘さがすごい引き立つ! カルピスを温めて飲むとすごく甘く感じるけど、あれと同じ原理なのかも知れない。口の中に広がる甘さがすごい!
かと言って嫌な甘味っていうわけでもなく最高!
食感もサクサクしてるし、ケーキの部分はフワッフワでびっくりする。できたてのアップルパイの中身をチーズケーキにしたらこんな感じになるかも。
主婦ブロガーの明子さんも、揚げてないのと食べ比べてみたら「揚げた方が美味しい!」って言ってるので、この感覚は僕だけじゃないはずです。
ひょっとしたらスイーツは揚げるとなんでも美味いのか
チーズタルトの好成績に気を良くした僕の次のチャレンジがこちら。プリンであります。一個300円もする高級プリンですね。
揚げてカラメルソースをかけたらこんな感じになった。なにこれ。鬼が吐いたタン? 到底美味しそうには見えないけれど、チーズタルトの例があるし意外と味はイケるかもしれない。
いただきます。
「あー」
どう考えてもそのまま食べた方が美味しい。プリンの売りであるプルプルの食感が消えてドロドロになってる。甘さもタルトの時とは違ってなんかえぐい甘みが口の中に残ります。スイーツはなんでも揚げれば美味しい、っていう仮説は完全に否定された形になりました。
どこに差が出るんだろう……。
食べられなくはないけど、そのまま食べた方が明らかに美味しい。
食べ合わせなんて俺には関係ない
続いてはこちら。果物はどうでしょうか。ちなみに天ぷらとスイカは「食べ合わせが悪い」と言われていて、調べてみた所、油分が多い天ぷらと、水分が多いスイカを一緒に食べると胃液が薄まって消化不良を起こす事があるらしい。
まあ「迷信乙wwwwwwww」ってなもんで、スイカが大好物の僕はスイカを揚げてみることにしました。
贅沢に、マグロで言う「トロ」の部分を使って天ぷらを作ります。
スイカらしく岩塩でいただくのが、スイカへの礼儀です。
「吐きそう」
なんでだろう。甘みがなくなった。タルトは温めることによって甘みが増したのに、スイカは完全に逆! 甘みがなくなったせいで青臭さばっかりが口に残るし、シャキシャキした食感が揚げる事で失われ、ネチョッてしてて最悪!
僕ばっかりマズい思いをするのは悔しいので、撮影の手伝いをしてもらっていた大人気ブロガーのARuFaくんにも試食してもらったところ…。
「ウワァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
ARuFa「『まずい』の概念が集約された味。カブトムシの虫かごにこれを入れたらカブトムシも全員脱走すると思う」
食べられなくはないけど、一生これしか食べられない生活になったら舌を切り落とすと思う。
原点に帰ろう
そんなわけで色々とやってきましたが、最後に「原点に帰る」という意味でこちらの天ぷらを作って終わりにしたいと思います。
これ。表参道の落ち葉です。冒頭で述べたように、「こち亀」の雑草の天ぷらにヒントを得て今回の記事を作りましたので、両さんの気持ちになって落ちていた葉っぱを天ぷらにしてみることにしました。
はい、サクっと揚がりました。おお! 意外と美味そう!
料亭の天ぷらに出てきてもおかしくないビジュアル。こちらは素材の味を活かすために岩塩でいただきたいと思います。表参道の秋の恵みに感謝しつつ。
まずは青い方から。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
後味が最悪!!
一瞬「お?いけるかな?」ってなったけれど、後から青臭い苦味が死ぬほど出てくる! 葉っぱも噛み切れなくて、いつまでも口の中に残るし、苦くてやってられない!
今回初めて食べきれなかった僕。これはあかん。葉っぱのチョイスが悪かったのかもしれない。もみじの天ぷらとかはあるだけに、「たぶんいけるんじゃないかな?」と思ってた僕が悪かった。ごめんなさい。
ちなみに茶色い方は不思議と食べられます。
まあ、美味しくはないけど…。青い方だと青臭さだとか繊維質がまだしっかり残ってるのに比べて、茶色い方はカラカラに渇いてるし、繊維質もそれほどひどくないのでなんとか食べられるレベル。進んで食べたくはないけどな。
そんなわけで今回の調査はいかがだったでしょうか。
ハンバーガー、チーズタルト、タラタラしてんじゃねーよなどは、当たりの部類に入るかと思います。また、全体的な傾向としては、薄味であっさりしたものを素材にするのが良いのかもしれません。
皆さんも天ぷらをする際には色んなものにチャレンジしてみてはいかがでしょうか!
ライター:ヨッピーのプロフィール
「オモコロ」「トゥギャッチ」「ぐるなび」「Yahoo! Japan」「ライブドアニュース」など、さまざまなWEBメディアで活躍中のライター。「WEBでウケること」の第一人者として、タイアップ広告案件なども多数手がける
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