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U2ボノ、新アルバムのiTunes強制プレゼントを謝罪。「聴いて貰えなかったら、という恐れから」 - Engadget Japanese


ロックバンドU2を率いるボノが、アップルと組んで最新アルバム Songs of Innocence をすべてのiTunes Store ユーザーに(強制)プレゼントしたことについて謝罪しました。


アップルのCMソングを含む新作アルバム Songs of Innocence のiTunes独占無料配信は、古くからU2と関係の深いアップルが iPhone 6の発表を記念して実施した企画。アップルによれば対象のiTunes Storeアカウントは5億に上り、「音楽史上最大のアルバムリリース」「われわれアップルの音楽への愛を、全世界の5億を超えるiTunesカスタマーに贈り物として届けます」と発表していました。

しかし方法が単なる「無料でダウンロードできます」ではなく、自動的に購入扱いになりユーザーの iTunes ライブラリに追加される形式だったため、iPhone や iPod、iTunes は使っていても特にアップルの発表会まではわざわざ追いかけないユーザーにとっては、買った覚えのないアルバムが知らないうちに自分のライブラリに並んでいることになり、最近よく聞くiTunes不正アクセスで勝手に買い物をされる被害に遭ったか?と不安を与えることになりました。

ボノはSongs of Innocence を「これまででもっともパーソナルなアルバム」と呼びましたが、音楽の好みは言うまでもなく極めて個人的なもので、無料だからといって個人それぞれの音楽ライブラリをプロモーションの場に利用して特定アルバムを勝手に並べること自体が図々しく不愉快、プレゼントまではいいがコレクションの一部として並べるかどうかは選ばせろという声もありました。



こうした状況で火に油を注いだのは、ユーザーの購入履歴に追加された Songs of Innocence が、iTunes Match の登録ユーザー以外には消去もできなかったこと。勝手に何だか知らない / 知ってるけど要らないアルバムが並んだと捉えるユーザーにとっては、消そうとしても消し方が分からないことがさらに不興を買い、消せないspamアルバムとまで言われ、アップルは個別に「Songs of Innocence除去ツール」を用意していました。


こうした経緯を経て、ボノはU2のFacebook ページに掲載したQA動画のなかで、申し訳なかった、Sorry about thatと率直な謝罪コメントを公開しました。内容は:

Q「アルバムを人のプレイリストに勝手にダウンロードさせるiTunesリリースは二度としないでもらえますか。図々しいです」

ギタリストのThe Edgeことデヴィッド・エヴァンスが(この質問が来たか、と)ブッと吹き出す一方で、ボノの回答は、うーんと言葉に詰まりながらも、カメラを向けられると「...... Oops. Sorry about that.」(やっちゃった。すみませんでした)。続いて、やや言葉を選びつつ、(すべてのiTunes Storeユーザーのライブラリに直接届ける企画は) すばらしいアイデアだと思い、夢中になってしまった。アーティストにはそういう傾向がある。

(無料配信を実施した理由は、数億人に届くという) 誇大妄想狂が少し、気前良さのつもりもちょっと、自己顕示もわずかにあったが、自分らが過去数年の人生を費やしたアルバムが聴かれないままになってしまうのでは、という深い恐れがあった。世間には雑音が多いから。だが、今回はわれわれのほうがその雑音になってしまったみたいだ。

本人の語る様子はソースリンク先のU2 Facebookページで見られます。

「touch of generosity」、ちょっとした親切や気前の良さの点については、リリース当初からボノ本人も明言しているようにU2にとっては無償ではなく、アップルからプロモーション企画について支払いを得ています。契約内容は非公開ながら、エンターテインメント業界紙 billboard が伝える複数のソースによれば、iTunes限定無料配信を含むキャンペーン全体で約1億ドル。

配られた母数が iTunes Storeの全ユーザー約5億アカウントと桁違いに大きいだけあって、上記のような苦情も割合はともかく絶対数が多く、当のボノが謝罪するまでの騒ぎにはなりましたが、配信直後からU2の既存アルバムやシングルが各国で軒並みランキング入りするなど、プロモーションの効果はU2にとってもアップルにとっても大きかったようです。

U2ボノ、新アルバムのiTunes強制プレゼントを謝罪。「聴いて貰えなかったら、という恐れから」

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