ワーナーブラザーズ、海賊版撲滅のためにロボットを使っていた
テクノロジーってすごい。
2011年2月、MPAA(アメリカ映画協会)は、彼らが作った映画の著作権を侵害しているとしてファイル共有サイトHotfileを訴えました。
2013年12月4日に、Hotfile側がMPAA側に8,000万ドル(85億6,000万円)を支払うことで解決するかにみえた、Hotfileによる一連の著作権侵害問題ですが、その裏でもう1つの裁判が進行していました。
実はHotfileは、ワーナーブラザーズに対して、彼らこそ著作権を侵害しているとして対抗訴訟を起こしていたのです。彼らの主張によると、ワーナーブラザーズは著作権を有していないゲームのデモ動画やオープンソース・ソフトウェアも削除していて、さらにそのファイルの選別や削除の方法も全くの不明であったそう。
ワーナーブラザーズは当初この選別システムの公開を拒否していましたが、裁判所の命令により、ついにその方法が明らかになりました。なんと彼らの秘密兵器とはロボットだったのです。
裁判所の資料によれば、ワーナーブラザーズの用いたロボット軍団はインターネット上の海賊版コンテンツを撲滅するだけではなく、人の動きを真似ることすらできるそうです。ロボットは、海賊版コンテンツをシェアしているとされている200のウェブサイトを、まるで違法ユーザかのごとく閲覧し、「怪しげな」リンクが発見された場合、直ちにそれの削除要請を出します。
しかしここには問題が2つあります。要請を出されるのは「怪しげな」リンクであって、「違法な」リンクではないこと。そして、このプロセスに機械以外の人間が一切関わらないということです。
裁判所資料には
海賊版のサーチプロセスは完全に機械に依っており、いかなる段階においても人間が関わることはありません。削除要請前のレヴュー段階でもそれは継続され、ファイルタイトルやページの名前なども人間は確認しません。(中略) そのため、ワーナーブラザーズのロボットたちも、職員らもそのファイルの法的権利関係についての決定権を持っていないのです。との記載があります。
ロボット軍団とはすごいですね。ただ疑わしきも罰する方法でないと、この問題は解決しないのかもしれません。しかし、それでも海賊版コンテンツやトレントの全てを遮断することは無理に近いでしょう。なぜなら、こうしている間にも、毎日新たなコンテンツがアップロードされているのです。もちろんそのようなファイルをシェアしているサイトを撲滅するとすれば、それはさらに難しいタスクになりそう。テクノロジーは諸刃の剣ですね。
Image by: WB
source: Torrent Freak
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(Tomo)
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