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とんかつQ&A「ピアニカあるいはメロディオン」 | ホームページ作成サービス「グーペ」のキャラクターブログ「とんかつ教室」

とんかつQ&A「ピアニカあるいはメロディオン」

Q.


今日散歩していたら、ゴミ捨て場にピアニカがケースごと捨てられているのを見つけてしまいました。見た瞬間にロースおじさんが脳裏にスパークした時点で、人間から豚寄りに傾いている気がして不安です。それはさておき、ピアニカっておじさん的にはどういうポジションなのでしょうか。



お名前:スプーンさん

A


ふむ。ピアニカね。ほいじゃあ今日はちょいと昔話からさせてもらうで。あれはおじさんのお尻がまだまだ青くて、お腹もウォーターベッドみたいにぷよんぷよんになってなかった頃。若き日の希望に胸を燃やすおじさんは、夜な夜なプーマのシャカパン姿で街に出没しては、ウォークマンでX JAPANの「ENDLESS RAIN」を聴きながら、小学校の校門をアーク溶接することに青春の全てを捧げていたんよ。
 
 
アーク溶接する時は、本来ならばかっこいい溶接面で強烈な紫外線から目を保護しないと絶対ダメなんやけど、あの頃のおじさんは小学校の校門が溶接され大地に固定されていくその歴史を肉眼でつぶさに目撃したいという欲望が抑えきれず、ほぼほぼ裸眼でアークの火花をうっとりと眺めとった。電光性眼炎の怖さも知らない、まだまだ甘ちゃんやったね。当時のおじさんが宮藤官九郎に出会っていたら、「あまちゃん」は能年ちゃんが裸眼でアーク溶接を見る話になっていた可能性も捨てきれん。

そんな時、鋼鉄の焼ける匂いとは別のかぐわしい香りがおじさんの鼻孔をくすぐった。それは艶やかな花のようでもあり、クリームパンのようでもある甘ったるい香りや。おじさんは溶接の手を止め、火花で眩みぼんやりとした視界を香りが漂ってくる闇の方へ向けた。そこにあったのがそう、
 
 
 
ピアニカや。商標によってはメロディオンとも呼ぶね。
 
 
 
校門の横の花壇の土の上に無造作に置かれたピアニカ。何故こんなところにこんなものが? 捨てられたにしては古ぼけた様子もなかったことに、おじさんは不自然さを感じたんやけど、とりあえず吸い口を舐めてみないことにはプロファイリングもでけへん。ピアニカは多くの場合、年長さんから小学校低学年の子供さんが使うもんやから、おじさん的にはそう重要視している素材でもないんやけど、稀に小学4年生まで使われるピアニカもあるからね。それは吸い口を一瞬でも口に含めばおじさんにはわかるはず。そう思って吸い口を探したおじさんやったが、そのピアニカの吸い口にあったものを見てぶったまげてもうた。
 
 
そこにあったのは球根。ヒヤシンスの球根やった。ピアニカの吸い口の上に、しっかりとヒヤシンスの球根が根をおろしてたんよ。球根からは花は咲いてなかったんやけど、青々とした4枚の葉っぱが真っ直ぐに伸び、根はピアニカの中の方までしっかりと降りているようやった。見るからに力強い生命力を感じさせる、素晴らしい光景やったね。一体誰がこんなものを? たまたまここに捨てられたピアニカの上で球根が成長した? それとも誰かが作為的にピアニカの上で球根を栽培した? 後者だとしたら恐ろしいことやね。さしものおじさんも、子供さんの唾液成分を含んだ水でヒヤシンスの球根を栽培しようなんて発想はついぞ持ったことがなかった。この街にいる変態はおじさんだけやと思っとったけど、もしかすると何か恐ろしいことが始まろうとしている――?
 
 
おじさんは周囲を見渡し、警戒姿勢をとりながらピアニカの吸い口から球根を引き剥がして、その水気をたっぷりと含んだ実にブシャリとかじりついた。辺りに漂うかぐわしい香りにもう辛抱たまらんかったんよ。それからなんよね、おじさんが中を開けるまでもなく、子供さんのお道具箱に入ってるのりがでんぷんのりかそうでないかを見極める特異な能力に目覚めたのは。今にして思えば、あれが「知恵の実」ってやつだったんかもしれんね。もしかしたらこの世の中には、おじさんと同じ「実」を食べて能力に目覚めた存在がいるのやもしれん。あなたもピアニカの吸い口に生えたヒヤシンスの球根を見かけた時は気をつけるんやで。コトによっちゃあ、おじさんと一戦交えることになる可能性もあるからね。
 
 
 
それ以前に球根は泥水に二ヶ月浸したキャラメルコーンと同じ味がするし、脱腸になるぐらい下痢するから食わん方がええよ。







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